あび卯月☆ぶろぐ

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生活保護制度についてちょっとだけ考えてみた

2012-06-20 00:02:30 | 社会・世相
テンプレートが勝手に変わっていると思ったら、「60日間投稿が無いためテンプレートを切り替えております。ブログを更新いただくと元のデザインに戻ります。」とあった。
なにそれこわい。

ということで、ツイッターでのつぶやきを再録。
一昨日(6月17日)にやっていた「池上彰の学べるニュース」の「生活保護」についての箇所の概要をかいつまんで記す。
何かの参考になれば。
なお、下記「*」の内側の記述は私の意見を記したのではなく、番組でなされた解説やゲストのコメントを記したまでなので、御留意いただきたい。

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受給者が過去最多210万人を突破した生活保護。
国家予算、約90兆円のうち3兆7,000億円が使われている。
いま問題になっているのは不正受給だけではなく受け取る側にも行政にも難題が山積みしている。

生活保護は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利(憲法25条)に基づいて、最低限度の生活を自力で確保できない人に対し、国や地方自治体が面倒をみる制度。
では、「最低限度の生活」とはなにか?

父33歳、母29歳、子4歳で東京23区在住のモデルケースなら、最低生活費:17万2170円、住宅扶助:6万9800円。
最大で24万1970円が扶助される。さらに、医療費や税金は免除される。

六角精児「うちの劇団員よりもらっている」 
高畑淳子「私たちの周りの売れない役者はこんなにもらっていない」 
つるの剛士「下手にバイトするよりもいい」 
土田晃之「下手に働くより全然いい」 
池上彰「そこが問題になっているということなんです」

生活保護受給者は冷蔵庫、洗濯機、炊飯器等を購入するとき補助金が支給される。
テレビ、パソコン、エアコン、ケータイは保護費の中からやりくりすれば購入可。
国民の7割以上が持っているものは基本的に持って良い。
貴金属や株券など資産価値の高いものは売却を指導される。

【生活保護の問題点1】
最低賃金837円で一月に22日間働いて、14万7312円。夫婦二人で月に約29万円。
税金等を引かれて実際の手取りは二十数万円になる。
働いて稼ぐより生活保護の方が手取りが多い場合があるため、不公平感が生まれる。

池上彰「一度生活保護を受けると働こうとしなくなる人がいる」 
高畑淳子「私の世代は生活保護は貰いたくないというか、死んでも貰わんぞという意識があった」 
中村橋之助「こんなに貰えるなら、普通の精神をもっていても気持ちが萎える。人間は楽な方楽な方に行きたい生き物」
つるの「もう少し生活保護の支給額を下げたらどうなのか?」 
池上彰「今まさにそれが議論になっている。今回、芸人さんの話(河本の件)が大きなニュースになったのも生活保護の支給額を減らそうという動きの中で格好の話題として国会で取り上げているという部分がある」

【生活保護の問題点2】
偽装離婚して母子家庭を装ったり、仮病を使い生活保護費を不正受給する例がある。
厚労省の調べでは生活保護の不正受給は2010年度で129億円にのぼっている。

【生活保護の問題点3】
不公平感や不正受給を踏まえ、受給を厳しくすると本当に必要な人に生活保護が行き渡らなくなるという問題がある。
2007年、北九州市で生活保護を打ち切られた男子が餓死した例もある。

【生活保護の問題点4】
ケースワーカー(行政の生活保護担当者)が人手不足で現場が混乱している。
受給資格の調査での親族への確認に強制力がなく、確認が取れないことも多い。
一人のケースワーカーが150世帯を担当している場合もある。

土田「行政のケースワーカーが足りないのなら、民間でケースワーカーの会社を作ればいいのではないか。雇用不足も解消される。」 
池上「なるほどね。」

フランスでは生活保護受給者に対し、雇用支援として、簡単・短時間の仕事を紹介し、少しでもお金が稼げるようにやっていく。
やがて、きちんと仕事をできるようになったら保護から卒業してゆくプログラムを組んでいる。
日本の場合は稼いだ分だけ保護費が減ってしまう。

アメリカでは食料品だけが買えるクレジットカードを渡される。
これなら、パンチコ代に使われることもなくなる。

池上彰
「働くことの喜びを味わってもらうような仕組みづくりは大事」
「特定の個人をケシカランと云っているだけでは済まない」
「これからの日本がどうあるべきかというときに社会保障全体の中での生活保護を考えるいい機会になると思う」 (終)

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以下は私見。

次長課長の河本の生活保護「不正受給」問題でにわかに注目をあびるようになった感がある生活保護制度だが、現状で種々問題があるのは事実だろう。

ところで、河本の件では「河本を叩いている人は自分も将来親を養う立場になるという想像力に欠けている」という意見が散見されたが、推定で五千万以上の年収があり、自分と奥さんのために158万円と42万円の腕時計をポンと買えるような立場でかつ親を扶養しないという状況は想像し辛いのではないか。
どのような立場であれ親は必ず扶養するものだという考えには与しないが、これだけの稼ぎがあって、親をまったく扶養せず生活保護を受給させるというのは社会通念に照らしても、批判されても仕方ないのではないかと思う。

したがって、それ自体が目的化したような河本叩きには与したくないのだが、ヒステリックな程に河本を擁護する人が居たことはそれはそれで意外であった。
本来、このような「不正受給」は生活保護制度の健全な運用において、あってはならず、むしろ、福祉国家を是とする立場の人間こそ、難じるべき問題であるのに、どういうわけかそのような立場の人たちが河本を擁護する光景は理解に苦しむものがあった。
いぢわるな云い方をすれば、河本を擁護すればするほど社会一般の生活保護制度に対する風当たりが強くなり、福祉国家派にとってはマイナスの効果しか齎さないと思うのだが。
ひょっとして、河本擁護派は実は生活保護制度を廃止させたい勢力なのかもしれない。

さて憎まれ口はこのくらいにして。
私は福祉国家を標榜する立場であって、生活保護が本当に必要な人に必要な分だけ、保護がなされるべきだと考えている。
よって、不正受給には怒りを覚えるし、あってはならないことだと考えている。
番組でも指摘されていたが、それによって制度に対する輿論の風当たりが強くなり、生活保護の受給基準が厳密化されると、本来、保護が必要な人たちにゆきわたらなくなる懸念もある。

いづれにしても生活保護制度のあるべき姿について、税と社会保障の一体改革の中でも国民が真剣に考えてゆかねばならない問題であることは間違いないだろう。

(最後はあたりさわりのない感じでまとめてみました)