あび卯月☆ぶろぐ

あび卯月のブログです。政治ネタ多し。
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泰緬鉄道~タイと日本の深い仲~

2008-10-30 23:02:53 | 歴史・人物
『くりぃむ世界(秘)特ダネ仰天そのウソ・ホント』という、いかにもくだらなそうな番組をやっていた。
半分クイズ番組のようなもので問題ごとに二つの名所やスポットを紹介する。
たとえば、「デブばかりの島」と「全裸にならないと入れない島」。
さて、本当にあるのはどっち?というような番組だ。
ちなみにこの答えは、「全裸にならないと入れない島」がホントウ。
我が福岡県に存在する沖ノ島のことだ。

この番組のなかで、タイにまつわる問題があった。
「市場の中を突っ切って走る電車」と「ニューハーフ専用のバス」。
さて、どっち?というわけだ。
ゲストのタレントたちが各々思う方へ移動する。
「ニューハーフ専用のバス」を選んだのはスピードワゴンの井戸田ひとり。
他のタレントはあの電車はある、と。
すると、井戸田が「みなさん、重要なことを忘れていませんか。タイには鉄道がないんですよ」と、とんでもないことを言い出した。
すぐにほしのあきが「タイでの撮影で電車に乗りましたよ」と返していた。
しかし、タイに鉄道が無いなんてよくそんなデタラメが云えたものだ。
彼は泰緬鉄道を知らないのだろう。

二十世紀、欧米列強が世界中に植民地を作っていたころ、アジアでなんとか独立を保っていたのは日本とタイと支那くらいのものだった。
日本は支那の近代化のために留学生を大勢受け入れた。
『阿Q世伝』の魯迅、周恩来、汪兆銘、蒋介石、江沢民も日本で学んだ。
江沢民が日本の炭鉱節や海ゆかばをいまでも諳んじることができるのはそういった事情からだ。
中国建国の父と言われる孫文を支援したのも日本人。
玄洋社の頭山満をはじめ多くの日本人が私財を擲って支那人を支援した。
孫文は革命を成し遂げた後、日本人からの借金を踏み倒す。
それで、没落した日本人も多くいたが、恨み言を云う者はいなかった。

ところが、そののち支那はそんな恩を仇で返すように、欧米になびいて共に反日(当時は「侮日」と表現されていた)に走る。
一方、タイは日本が特別何かしたわけでもないのに、終始日本の味方をしてくれた。
関東軍が満洲事変を起こし満洲国を作った時、国際聯盟は日本に満洲国の承認を撤回することを求める勧告案を出す。
この勧告はよく知られているように賛成四十二、反対一(日本)、棄権一で可決される。
ただ、棄権一がどこの国だったかはあまり知られていない。
これがシャム(今のタイ)だった。
タイは欧米列強に媚びず、リスクを覚悟して日本のために棄権票を投じてくれたのだ。

1941年1月6日タイは仏印植民地政府に宣戦し、二十個大隊をカンボジアとラオスに進攻させる。
いづれも、フランスがタイから奪った土地だ。
ところが、フランスは強かった。
タイの惨敗が目前になったところで日本が仲裁に入り、フランスがメコン川以西をタイに返還することで講和となった。
なお、この戦争では日本がタイ海軍に引渡した軍艦が使用されている。
結果的に、勝ち戦にしてもらったタイは国聯の時の恩を返してもらったかたちになる。

タイはさらにそのお礼に、昭和十六年十二月、日米戦争がはじまるととタイも英米に宣戦布告し、日本にタイ領土内の無害通行権を与えてくれた。
御蔭で日本はマレー作戦、ビルマ作戦などイギリスを追い出す戦いに成功することが出来た。
そして、昭和十八年春から日本は戦争をしながらタイ・ビルマ間に鉄道の敷設を開始する。
これが例の泰緬鉄道だ。(泰はタイ、緬はビルマの意)
敷設には日本軍の鉄道連隊と連合軍の捕虜、そして募集した地元民が従事した。
そして、当初五年掛かるといわれた全長415キロあまりの敷設をわずか一年半で開通させた。
日本としてはビルマ戦線の物資郵送ルートという意図があったのも事実だが、同時に戦争が終わった後、タイ人とビルマ人にとっての重要なインフラになればという意識を持って作った。
だから、普通、欧米人はこういう時、木の仮橋を作ったりするのだが、日本軍はコンクリート製の橋脚をもつ鉄橋を作った。

これを「死の鉄道」と騒ぎ立てるのが酷使されたフランス人で、黄色い猿と思っていた日本人にこき使われたのが我慢ならなかった。
その一人、ピエール・ブールは『クワイ川の橋』を書く。
その中では野蛮で低能で橋の設計もできない日本人が書かれている。
そして、白人アレックスが無能な猿どもに設計図を引いて木の橋を作ってやったと書いているが、勿論、全部嘘。
設計をやったのはすべて日本人だし、木の橋ではなく鉄橋を作った。
フランス人は単純作業をやっただけだ。
ちなみに、この作品は『戦場にかける橋』として映画化されている。
繰り返すが、嘘ばっかりの内容なので御覧になった方もなる方も真に受けられないよう。
ついでにいうと、この作品だけで怒りがおさまらなかったピエールは『猿の惑星』を書く。
日本人を猿、黒人をゴリラに見立てて白人は彼らの奴隷になるという設定で、諸外国では露骨過ぎると嫌がる向きもあったが当の日本人は気づかずに大ヒット。
「日本人は自分に対する偏見にナイーヴ(世間知らず)だ」とは某ハリウッド関係者の言葉だ。

さて、戦後、連合軍は泰緬鉄道の全面撤去を命じる。
「ハル・ノート」で有名なコーデル・ハルは終戦前年の秋に「日本は敗れても、解放の戦士としてアジアに影響を残すだろう」と語っているが、この泰緬鉄道の撤去も日本がアジアに残した影響を消し去るためだったといわれる。
同じようなことが、パラオなど日本が統治した国々で行われた。
ただ、タイ政府は連合国にうまく立ち回って撤去を渋り、タイ国内で約130キロを残した。
これが今でも地元の貴重な輸送機関、観光資源として地元民に重宝されている。
日本軍が作った線路も鉄橋も立派に役目を果たしているわけだ。
番組で市場の間を突っ切って走る電車が乗っていた線路もその一部。
タイは日本が残したこの鉄道に感謝を意を表し、当時の機関車が記念として残されている。

タイといえば他にも日本軍が使っていた95式軽戦車も保存してくれていて、なんといまでも動くという。
また、日本から供与されて対仏印戦に使われた海防艦「メコン」も展示保存されてある。

一方で、戦前日本が国中に鉄道を敷き、学校を作り、病院をつくり、ダムをつくり、農地の改良をほどこし、人口が倍増したにも関らず、感謝のカの字もない対照的な国もあるが、これについては野暮になるので書かない。

タイについてさらに書かせてもらう。
戦後、世界中の国が敗戦国日本に賠償金をたかった。
枢軸国仲間であったにもかかわらず、イタリアも日本から金を毟り取ったし、中立国で日本と戦火を交えていないスイスなんかも同じだった。
その中にあって、戦勝国であるにもかかわらずまっさきに賠償放棄したのはタイだった。
さらに、大東亜会議に参加して東條首相と「白人支配からの解放」を謳ったタイのワンワイタヤコン殿下は国連議長に就任するやいなや、日本の国際社会復帰、国連加盟に尽力してくれた。
タイは外交下手の日本につけこむことなくいつも暖かい手を差し伸べてくれた。
歴史を学ぶとどの国と仲良くするべきか自ずから見えてくる。
タイへの恩を忘れてはいけない。

エロゲーは危険な社会を作り出す凶器?

2008-10-23 00:56:37 | 漫画・アニメ
「エロゲーは危険な社会を作り出す凶器」――規制を求める請願、衆議院に

「アダルトゲームで青少年は心を破壊され、人間性を失う」「ランドセルを背負った小学生の少女をイメージしているものが多く、幼い女の子にとって極めて危険な社会を作り出す凶器となる」――アダルトゲームやアニメ、雑誌の規制を求める請願が衆議院に提出されている。
「美少女アダルトアニメ雑誌及び美少女アダルトアニメシミュレーションゲームの製造・販売を規制する法律の制定に関する請願」で、10月3日に受理された。紹介議員は村井宗明議員(民主党)。
アダルトアニメゲーム・雑誌は「幼い少女達を危険にさらす社会を作り出していることは明らかで、表現の自由などという以前の問題」と指摘し、製造・販売について罰則を伴った法律の制定を求めている。1万449人の署名も添えられている。
一方、児童ポルノ禁止法について、新たに単純所持の禁止などを追加する改正の動きに対し、慎重な議論を求める請願も、255人の署名とともに衆議院に提出されている。紹介議員は保坂展人議員(社民党)。
 児童ポルノ画像や映像の所持・取得に罰則を設けることは「多くのえん罪事件や捜査権の乱用、プライバシー侵害や行き過ぎた監視国家化が引き起こされる」と主張し、新たな罰則を設けないよう求めている。児童ポルノの定義を明確なものにすることや、イラストを同法に含めないことも求めている。
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0810/20/news067.html


「アダルトアニメゲーム・雑誌は幼い少女達を危険にさらす社会を作り出していることは明らか」って村井宗明議員とやらは何を根拠に言っているんだろうか。
ここに次のようなデータがある。


--------------------
年別の強姦件数
エロゲー他(ガス抜き)がない時代とある時代の比較(件/10万人)

・エロゲー他(ガス抜き)がない時代
 1959年 強姦[22.96] 団塊世代 10~12歳
 1961年 強姦[20.65] 団塊世代 12~14歳
 1963年 強姦[19.18] 団塊世代 14~16歳
 1965年 強姦[21.77] 団塊世代 16~18歳

・エロゲー他(ガス抜き)がある時代
 2006年 強姦[ 0.91]


国別の強姦件数
ガス抜きができない国とできる国の比較(件/10万人)1999年~2000年

 カナダ  78.08件  単純所持禁止   二次元禁止
 アメリカ 32.05件  単純所持禁止   二次元禁止(ただし違憲で無効)
 イギリス 16.23件  単純所持禁止
 フランス 14.36件  単純所持禁止
 ドイツ  9.12件 単純所持禁止
 ロシア   4.78件
 日本    1.78件
--------------------


これを見る限り、幼い少女達を守るためにはむしろ「アダルトアニメゲーム・雑誌」はあった方がよい良いように思える。
それに、いわゆるエロゲーがすべて反社会的な内容とみなすのは軽率だろう。
確かに、エロゲー雑誌をパラパラめくってみると「なんじゃこりゃ」といいたくなるような内容のものも多くある。(註1)
例えば、幼女を強姦するなどの内容は反社会的というか犯罪であるし、私も眉を顰めたくなる。
その一方で、『カノン』のような感動的なストーリーのものもあることも事実で一概に「エロゲー=幼女強姦、犯罪、反社会的」というわけではないのである。
これは同人誌にしても同じことがいえる。
また、上に掲げたデータが示すように反社会的な内容のものにしてもそれが「幼い少女達を危険にさらす社会を作り出している」という論理は説得力に缺ける。

それにしても、最近、改正児ポ法やエロゲー規制なんかに反対ばかりしているから、「あび卯月はどんだけエロゲー好きなんだ」と思われる向きもあるかもしれないが、私は別段エロゲー好きではない。
というより、私はゲーム自体をほとんどしないし、エロゲーに至っては後述する『つよきす』以外やったことない。
特にロリコン系や凌辱系はそういう属性がないこともあって見るのも嫌なくらいだ。
ただ、別に反社会的だからという理由ではなく、そういう性嗜好がないからというだけで、私自身、年上好き(姉属性もある)でMだから人の性嗜好をとやかくいえる義理はない。
ただ、自分の好みの内容だったにしても後述するようにそういったゲームをプレイしたいという気持ちには駆られない。

さて、私も『つよきす』というエロゲーを持っている。
これは自分で買ったのではなく、もらったものだ。
もっと厳密にいうと、『股人タクシー』や『ゆ・う・え・ん・ち』なんて笑えるタイトルのものも貰っているのだけども、パソコンにインストールしないまま本棚の隙間に埋まっている。
ついでにいうと、『つよきす』(PC版)すらもまだ一度もクリアしていない。
(私にくださった方、せっかく戴いたのに本当にすみません!)
なんというか、そもそも恋愛シュミレーションゲームに興味がない。(註2)
『つよきす』は元々アンソロジー漫画を読んで面白かったので、じゃあゲームもやってみるかと、まずPS2版(これはエロ無し)を買った。
その時、妹から「なんでエロ有りの方(PC版)を買わなかったんだ!」と叱られたのは有名な話。
で、『つよきす』PC版は乙女さんルートとカニルートをクリアした。
紙芝居を読むのは面倒だったけれど、随所に散りばめられたギャグがなかなか楽しめた。
たとえば、フカヒレ(鮫氷新一)というキャラの声優さんはベジータの声をやっていた人と同じ。
だから、作品中で「はんっ、きったねー花火だ」なんてセリフを吐かせていた。

以下、私がギャルゲーを好まぬ理由について某所で書いたものをそのまま転載する。

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私はギャルゲーとかエロゲとかそういう恋愛シュミレーションゲームの楽しさがよくわからない。
『つよきす』は作中にちりばめられたパロネタが面白いというのはわるのだけども、あの会話を読む作業が耐えられん。
だから、私が『つよきす』好きというのは本編よりはアンソロ本などを読んだことによる。
本編のPS2版すら半分は妹にやらせて全部やっていないし、PC版に至っては一度もクリアしていない。
そもそも、ギャルゲは自分でやることといえば選択肢を選ぶことくらいで、あとはほとんど読むわけで、これが圧倒的にツマラナイ。
なら、初めからアニメかラノベにすればいいのにと思う。
そして、たいてい主人公に共感できない。
なんか、精神的に病んでいたり、わけもわからずモテたり非現実的すぎて、なんかイラっとくる。
ストーリーも大抵は陳腐なものだ。(あぁ、問題発言を・・・)
エロゲに関してはみなエロ目的でやるのだろうけど(違う?)、ならCGだけどっかで集めればいいのにと思ってしまう。
(エロゲファンにぶん殴られそうな発言ですね)
もっといえば、パソコンでゲームをするという習慣が無いというのもあるのかも。
何だかんだいいましたけど、私はギャルゲもエロゲもあっていいと思うし、そういうのを規制しろという勢力には真っ向から反対する立場です。
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マイミクの方々でギャルゲーが好きな方すみません。
でっ、でも、ギャルゲーが悪いとかは一言もいっていないんだからね!(ツンデレ?)
いや、むしろ、私ははそういうものはあるべきだと思っている。
日本文化は多様性の文化である。
メインカルチャーからサブカルチャーまで幅が広い。
そしてその幅広さ、多様性がメインカルチャーを足元でささえているのだ。
漫画文化に例えていうなら、エロゲーやら同人誌やらが栄えているからこそ、世界的に評価されるような素晴らしい漫画作品が数多創造されるのである。
猥雑だからとサブカルチャーの方を切り捨てるとこうはいかない。

そんなわけで文化的な意味でもエロゲー等の規制は反対いたします。
(これを言いたいが為に余計なことを随分書いてしまったような・・・)


****
註1:余談だが、エロゲー雑誌を見ていて今までで一番笑ったのが『人妻大相撲』というやつで、なにやら相撲のまわしを着用した人妻が描かれていた。
世の中には様々な性嗜好を持った人がいるのだなと感心させられる。
・・・本当に余談でしたね。
註2:以前にも書いたように大谷育江さんの声が聴きたいがために『ときメモGS』を買ったことはある。

いつの間にか使えるようになってた「百姓」

2008-10-10 00:39:58 | 言葉・国語
本日付の讀賣新聞夕刊を見て「おや」と思った。
一面の見出しに「百姓ならぬ百笑村」とあったからだ。

百姓という言葉はマスメディアでは差別語扱いになっていたと思ったがいつの間にか解禁されているようだ。

高島俊男先生の『お言葉ですよ・・・』によると、2000年頃の産経新聞では引用文中の「百姓」という箇所をすべて「××」と表記し「××部分は現在新聞禁止用語」と説明してあったとある。(文庫版、六巻214頁)
しかし、この「新聞禁止用語」は胡散臭い。
というのも、朝日新聞は歴史学者・網野善彦さんのインタビューを載せた文化欄で「百姓」を使っているからだ。(同、216頁)

この網野さんは別の新聞から取材を受けたときのことを「驚いたことに、「百姓」ということばはマスメディアではそのままでは使えない、一種の差別語のような扱いをされていることをそのときはじめて知りました」と書いている。
(網野善彦『続・日本の歴史をよみなおす』筑摩書房、23頁)

網野さんが朝日新聞の取材を受けたのは2000年。
別の新聞から取材を受けたのは1995年前後だからこの頃までは基本的に「百姓」は新聞等では使えない言葉であったらしい。
今では、今日の讀賣新聞のにあったように普通に使用できるようだ。
グーグルのニュース検索で「百姓」をキーワードにして検索してもかなりの数が引っ掛かる。
産経新聞も以前は××と表記していたが、いまでは平気で使っている。

先に登場した網野さんがその著書等で何度も主張しているように、百姓は差別語でもなんでもない。
また、「百姓」=「農民」でもないから注意が必要だ。
時代によって百姓の解釈は異なるが、おおむね官人以外の「一般人」の意味として捉えるのが正しい。
現代支那語でも「百姓」は「庶民」「一般人」の意味になる。
ただし、江戸時代後期以後は広く「百姓」=「農民」との解釈がされてきた。
現在でも「百姓」=「農民」という理解をしている人がほとんどだろう。
それは、江戸時代に農本社会が進み、一般人の殆んどが農民だったことによる。
しかし、百姓の中には漁民もいれば、商人もいたし、職人もいたわけだ。
百姓を今の言葉になおすと官人以外だから「民間人」がもっとも近いだろうか。

いづれにしても、百姓が「新聞禁止用語」なんて奇妙なものにされる理由はない。
いま、普通に百姓が使われるようになったのはごくあたりまえのことだ。
支那なんかも早くあたりまえに使われるようになればいいのですけれど。

柔道、石井選手「大和魂を持って天皇陛下のために戦っています」

2008-10-09 23:15:40 | 歴史・人物
昨日の益川さんに引き続き、今日は柔道の石井慧選手の発言が面白かった。

その発言というのは天皇・皇后両陛下が北京五輪で活躍した選手を招いて
皇居・宮殿の 「春秋の間」で開かれたお茶会のでのこと。

石井さんは陛下に「常に日本人として大和魂を持って天皇陛下のために戦っています。常にその心を持っています」と述べたという。
それに対して天皇陛下は「笑っておられました」とのこと。

一体どこの帝国軍人かと思わず笑ってしまった。
なるほど、天皇陛下も笑わずにはおられなかったことだろう。

また、記者の「福田前総理と会った時、いろいろ福田さんから伝わってくるというのがあったという風なお話があったと思うんですけど・・・天皇陛下から伝わってきたものは?」
という質問に対しては
「感動しかなかったし・・・やっぱり福田総理と天皇陛下を一緒には・・・一緒にされたら困る」
との答え。

石井さんの云うとおり。
天皇陛下と福田総理ごときを一緒にされたら困りますね。

なお、この記者の質問は以前、石井さんが福田総理と会った時、
「総理の体を触ることによって総理のすべてがわかるかと思い触りました」
(記者「伝わってきましたか?」)
「伝わってきました。もうすべて分かりました」
という石井さんの発言が背景にある。

この陛下に対する石井さんの発言、テレビ朝日とTBS、フジテレビあたりではかなり正確に報道されていたが、夜七時からのNHKニュースではまるごとカットされていた。
NHK的には「大和魂」とか「天皇陛下の為に戦いました」などという言葉はマズイのでしょうかね。
(私は確認していないが、報道ステーションではカットされていたとのこと)

また、石井さんは「天皇陛下とお会いするのは嬉しいし、幸せでした」とも語った。
國士舘大出身ということを差し引いても、皇室に尊崇の念を持っている若い人を見るとなんだかホッとする。


***
追記:

余談だが、かつて「きんさんぎんさん」が今の陛下と接見した時、
「(長生きできたのは)天皇陛下の御蔭です」と云っていたのを思い出した。
たしかそのときも陛下は苦笑いされていたと思う。

ツンデレでお茶目なノーベル物理学者

2008-10-09 01:36:51 | 歴史・人物
ノーベル物理学賞を日本人三人が独占した。
暗い世相にあって明るいニュースだと嬉しく思っていたら、さらに今日、下村脩氏がノーベル化学賞を受賞した。
めでたいことだ。

ノーベル物理学賞を受賞した三人は南部陽一郎さん、益川俊英さん、小林誠さん。
益川さんと小林さんはコンビのような間柄で、両氏は南部さんに私淑した。
南部さんは日本人初のノーベル賞受賞者湯川秀樹博士の後輩、朝永振一郎博士の元で学び、その朝永博士の勧めで1952年に渡米。
以後アメリカで研究を続けた。

南部さんは「なんでも聞いてやろう」とアインシュタイン博士に助言を受けに行ったこともある。
その時、「神様はサイコロを振らない」と物理現象を確率論で説く量子力学を否定するアインシュタイン博士に対し激論を交わしたという。
なお、平成十四年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊さんも南部博士に薫陶を受けた一人だ。
益川さんと小林さんは名古屋大学の坂田昌一博士の元で物理学を学んだ。
この坂田博士も湯川博士の後輩にあたる。

こうしてみると日本の科学者の系譜が垣間見える。

さて、授賞の理由をみると、南部氏が「素粒子物理学と核物理学における自発的対象性の破れの発見」。
益川、小林両氏は「クウォークの世代数を予言する対象性の破れの起源の発見」。
うーむ、凡人にはちっともわかりませんね。

やっと本題だけども、この御三方の中で益川さんのキャラが突出している。

授賞当日の記者会見では「いや、大してうれしくない」なんて云っていたのに翌日の会見では「(南部先生と)御一緒に授賞できることは最大の喜びです」と目頭をハンカチで押さえながらお泣きになり、
涙を見せた理由について問われると「涙が出てきたというおは覚えておりすが、どういう局面であったかということは本当に忘れました」とか「老人性涙腺軟弱症なんでしょうね」なんて仰っていた。

・・・なんというツンデレ。

本当は嬉しいのに素直になれないというタイプのツンデレやね。
益川さん自身も、自らの性格について「人間が本来、そういう天邪鬼。左を向けと言われたら右を向く。そんな性格」と仰っている。
このツンデレな益川さん、奥さんと一緒に取材に応じている時に
「素直に喜んでくださいとクレームがついていますよ」
と奥さんから窘められるシーンも。
益川さんは「(私は)愛想がないよね。こうやっていつも怒られる(笑)」と笑顔を見せていた。

また、益川さんはお茶目な一面もみせる。
発表当日、報道陣に囲まれた時「申し訳ないけど、今日は「バンザーイ!」なんてやらないよ」と云いつつしっかりバンザイしていた。

以下に益川さんの発言を拾ってみよう。


(安藤優子の「英語がどうしてお嫌いなんでしょう?」という質問に対して)
「いや、嫌いだから嫌いなんです。好き嫌いの問題に対して・・・あなたこの植物が好きですか?と問われてもそれは理由はないと思います」

(木村太郎の「なぜ物理の道に進まれたのか?」という質問に対し)
「僕の場合は好き嫌いがハッキリしていて、文化系のことは出来ないぞと。だから、選択肢をずーっとやっていくと物理と数学が残った」

「(授賞式で)どうしても英語で喋らないといけないなら僕は辞退します」

(三氏が写った新聞を手にして)
「南部先生も小林くんもいい表情をしているので感心する」

(カメラマンから「顔を上げてください」と云われて)
「逆立ちは出来ないけどなんでもしますよ」

「人に(あだ名)をつけられるとこれはヤバイと。だったら自分でつけちゃえと『イチャモンの益川』とつけました」

(京大生の「物理をやるのが憂鬱になったことはありますか?」という質問に対して)
「私はスランプに陥るような人間じゃないんで、申し訳ないけど(笑) 大概なにか悪いことが起こったら相手のせいにする」

(京大生(?)の「英語が出来なくてもなんとかギリギリやっていく方法を教えて下さい」という質問に対して)
「あんまり教えるべきじゃないでしょうねぇ。教育上よろしくない」


以上、どれも味わい深いものがある。

なお、英語嫌いの益川さんは英語の論文は小林さんに任せていたという。
クールな小林さんにツンデレお茶目な益川さん。
絶妙のコンビですね。
そういえば、「相手のせいにする」の相手も小林さんのこと!?

「C-1グランプリ2008」感想

2008-10-06 00:30:11 | テレビ・芸能
今年から、C-1グランンプリが始まった。
平たく言えば、M-1グランプリのコントバージョンで、正式名を「キングオブコント」というらしい。
スポンサーが「C」に掛けてオロナミンCの大塚製薬というのがちょっと面白い。(公式サイトには「特別協賛」とある)
ということで、M-1よろしく以下に感想などを。


▼TKO
木下さん(遷都くんに似ている方ね)のあのキャラは格好からしてあぶなかったなあ。
全体的に笑いは弱かったが、唯一、水筒が旧型の捻ってお茶を出すタイプだったところは爆笑。
もう、それが可笑しくて可笑しくて、ネタの内容そっちのけで笑ってしまった。
点数は、まぁ、妥当なところでありましょう。(368点)


▼ザ・ギース
卒業式をサッカーに譬えて展開されるコント。
こういう譬え系シュールコントは嫌いじゃない。
問題はそれがツボにはまるかはまらないか。
はまらなければ中だるみしてしまうのが欠点だ。
この手のコントはチュートリアルなんかが巧い。
今回のザ・ギースは及第点といったところか。決して悪くはなかった。
特にオチは綺麗で良かったと思う。


▼天竺鼠
天竺鼠、全国ネット初登場。
川原さんのキャラ作りは抜群に巧い。
ああいう喋り方の重役って居る(笑)
「誕生日じゃない!誕生日じゃない!」とかカスタネットのくだりとか凄くいい。
天竺鼠は同じ九州ということもあってか私にとってはロバートと同じような慣れ親しんだお笑いの味(以下で解説)がする。
これからの活躍がもっとも楽しみなコンビだ。


▼チョコレートプラネット
古代ギリシャネタ。
様々な日本語をすべてギリシャ語風にするやつ、私は大好き。
アルバイト→アルバイテトス、オフォスレディ→オフィリスレディス、合同コンパ→ゴルゴンコンパニオン、王様ゲーム→アレキサンダー大王ゲーム、ディズニーランド→ディスニーランティスの遺跡、など。
ディズニーランティスの遺跡って(笑)
一瞬、ガンダムのアムロの声マネをするのも良かった。(めっちゃ似てたし)
ただし、終盤の連呼とオチがイマイチだった。
なお、チョコレートプラネットのコント設定についてナレーションでは「ローマ帝国」と解説されていたけど、オリンポス建設とかイカロスとかポリスというあたりギリシャだよなあ。


▼ロバート
ロバートは我慢しようと思っても笑ってしまう。
何故か。
ロバートの秋山と馬場は北九州出身。
私が住んでいる筑豊のすぐ側で笑いのノリや言葉遣いもほとんど同じになる。
つまり、私が小中高と歩んできた人生の中でクラスにいるひょうきん者といえばだいたいあんな感じだった。
地域ごとに慣れ親しんできた味があるように、私が慣れ親しんだお笑いとは恥づかしながらあんな感じなのだ。
だから、「くだらねぇ!w」と思いつつ笑ってしまう。
しかし、ロバートはあのネタ以外にもっと面白いネタがある。
私は例えばレコード屋のコントの方がずっと好きなのだが。


▼2700
う~む、私はこのコントの面白さがよく解らなかった。
歌詞に笑うのか、動きに笑うのか。


▼バナナマン
一つ目のコントはナイナイの「笑わず嫌い王」でやったものと同じ。
芸歴もあってかやはりクオリティの高いものをやってくれる。
先生に怒られる一人芝居はいいね。
優勝決定戦のものは初めて見た。
設楽の冒頭の一言、「なに?病気?」に爆笑。
日村のあの恰好と雰囲気は病気に見えるよね(笑)
ダウンタウンが指摘していたようにバナナマンのコントはどれもドキュメンタリーのような趣がある。
つまり、いつも現実にありそうなシュチュエーションであり、会話。
(いや、実際は無いと思いますよ)
オチの大林素子で悩むところなんかもリアルだった。


▼バッファロー吾郎
一つめのコントで「お前の倒す相手、闇の帝王とは市毛良枝さんだ」、「どうして歴代お嫁さんにしたい有名人NO1ばかりなんだ」などと云うあたりいかにもバッファロー吾郎だ。
無論、私はバッファロー吾郎のこういうところが好き。
オチの「みなさん、人を裁くのではありません。人の悪事を裁くのです。平成二十一年五月二十一日裁判員制度スタート!」には贔屓目かもしれないが感動すら覚えてしまった。
このコントは裁判員制度のPRだったのか!?と。
あの法務省なら作りかねない(笑)
優勝決定戦のコントも芸能人の使い方が巧い。
ツボだったのは「うノ壱」「江戸時代の富くじみたいな番号・・・」のくだり。
突然、「富くじ」という単語が出てくるマニアックさがバッファロー吾郎の最大の魅力だと思っている。
今回の優勝にも文句ナシ。



総評:
バッファロー吾郎の優勝は心から嬉しかった。
長い苦労が実って良かったなぁ、と。
二人の泣きながらの笑顔を見ているとこちらも幸せな気持ちになった。

また、どのコンビも好感が持て、M-1と違って特に批判したいところはない。
批判したいのは審査システムだ。
ブロックごとの審査はあれで良い。
セミファイナリストの芸人百人が一人五点づつ持っていて五百点満点の無記名投票というもので、これは観客や特定の審査員が点数を附けるよりも偏りがないと思う。
(ダウンタウン松本が指摘した吉本の組織票というのも否定できないが・・・)
問題は優勝者の決め方だ。
これは六組の決勝進出コンビの記名投票によって行われる。
これだと、芸人同士のしがらみに左右されかねない。
実際、今回優勝のバッファロー吾郎は芸歴も長く多くの芸人に慕われていて、「バッファロー軍団」なるものを形成しているくらいだ。
だから、ネット上では一部に「八百長」などという批判の声がある。
これだと、バッファロー吾郎が可哀想だ。
こういう邪推なり批判を避ける意味でも来年からは優勝決定戦も芸人百人の無記名投票なり別の投票方法にすべきだ。

もっと云えば、決勝進出コンビの記名投票の前に優勝戦の2コンビによる審査(?)がある。
これは、自身でどちらが面白かったか口頭で発表するというもので、相手の名前を言ったらこの時点で負けるというもの。
相手の名前をいうコンビがあるものか。こんなルール、誰が決めたんだ。
時間の無駄以外のなにものでもない。来年からは絶対に止めた方がいい。

以上、審査方法以外は楽しく良い大会でありました。

ならば、餅も製造中止せよ!

2008-10-03 02:22:01 | 社会・世相
先月、マンナンライフの「蒟蒻ゼリー」を喉に詰まらせた幼児が死亡し、これで「蒟蒻ぜりー」による死者は十七人となった。
野田消費者相は、「事故は痛ましいこと。(こんにゃく入りゼリーで)17人もの命が奪われ、前政権からゆゆしきこととして取り組んできたが、今回また犠牲者が出たことを厳しく受け止めている」とコメントし、同社が警告表示の内容を改めるまでの間「今流通している商品は回収してはどうか」と、自主回収を促したという。

こう書くと、マンナンライフが悪のようだけど、私は断乎、マンナンライフを擁護したい。
だって、蒟蒻ゼリーが危険というなら、餅(もち)はその何十倍も危険だ。
ここに面白いデータがある。

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/chissoku/index.html

厚生労働省がまとめた2006年から一年間で食品による窒息事故の統計と報告書だ。
この統計によると食品による窒息事故で死亡した件数は以下の通り。

もち:77例
ご飯(おにぎり含む):61例
パン:47例
あめ:22例
すし(食品成分表で分類できないのでその他扱い):22例
おかゆ:11例
だんご:8例
流動食(食品成分表で分類できないのでその他扱い):8例
カップ入りゼリー:8例
ゼリー:4例
しらたき:4例

なお、国民生活センターのデータによると、この期間において「こんにゃく入りゼリー」で死亡した件数は2件だ。
繰り返すが蒟蒻ゼリーが危険というなら餅の方がその何十倍も危険だし、餅だけでなく御飯やパン、あめ、すし、おかゆ以下略すが、これらの食品も蒟蒻ゼリーよりもずっと危険ということになる。
なのに、蒟蒻ゼリーばかりが悪者になるのは不公平というものだろう。
国民生活センターは去年から「国や業界団体と協議しながら、全面使用禁止も含め、検討する必要がある」なんて云っているが、蒟蒻ゼリーの製造中止を主張するなら餅も御飯もパンもの製造中止も主張すべきである。

無論、私は蒟蒻ゼリーを含めどの食品も禁止する必要はないと思う。
人が亡くなったことは痛ましいことだが、こういう食品の事故でいちいち禁止していたらなにも食べられなくなってしまう。

昨年三月、三重県伊勢市で小学一年生が蒟蒻ゼリーをのどに詰まらせ死亡した事故があった。
この遺族(死亡した小学生の親)は製造元の「エースベーカリー」に商品の製造と販売中止を申し入れ、さらに「事故を防ぐため、すべてのメーカーにこんにゃくゼリーの製造販売を禁止してほしい」と述べた。
お子さんがゼリーで死亡されたことはお悔やみ申し上げるが、かといって蒟蒻ゼリーをすべて禁止せよというはお門違いだ。
あまり遺族の悪口は云いたくないが、批判を承知で敢えて書く。
子供がゼリーを喉に詰まらせた場合、普通の感覚を持った親なら自分の監督不行届を悔やむ。
それを、ゼリーのせいにして、さらに会社に製造中止を求めるとはちょっとどうかしているとしか思えない。
うむ、子供を亡くしたから本当にちょっとどうかしてしまったのか。
子供を失って悲しくやりきれない気持ちはわかるが、国はその間違った主張を相手にしてはいけない。

いづれにせよ、蒟蒻ゼリーが本当に製造中止になったなら、こんな理不尽な話は無い。
パッケージの注意表示が甘いというならそれは、もっとデカデカと「子供とお年寄りは注意して食すべし」と書けばよい。
その表示についても「お子様や高齢者の方はたべないでください」なんてかいてあるらしい。
毒が入っているわけでもないのに「死ぬかもしれないから、食べないようにね」って、この国はいつからこんな馬鹿な国になったのだろうか。


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参考:
食品による窒息事故について、以下のサイトはさらに詳しく解説してあります。
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20081001_chissoku/