あび卯月☆ぶろぐ

あび卯月のブログです。政治ネタ多し。
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アメリカはフェアーな国か

2009-05-23 22:46:04 | 政治・経済
最近になってお人好し日本人もやっと中国や韓国のいかがわしさに気づいてきた。
長い間、韓国はまだしも中国には多くの幻想を抱いてきた日本人が多かった。
それもほんの十年前までそうだった。
私が高校の時、中国ってやばい国ですよなんて云ったら周囲から右翼呼ばわりされたものだ。
いまや、マスコミが率先して中国のやばさを伝えている。

好むと好まないに関らず、他国の実情を知ることはいいことだ。
それが苦い事実でも受け入れなければ自国の外交政策(いや、内政までも)を論じることは出来ない。

ところが、アメリカに対してはまだまだ多くの日本人が幻想を抱いている。
別に映画とか音楽とか文化的な面でアメリカはいい国だと云う分はいい。
問題はその他のこと。

戦後の日本はあらゆる分野においてアメリカを見本にしてきた。
戦後の出発点ともいえる日本国憲法をアメリカが作り、文化、教育、経済といった分野もそのアメリカ製憲法に見合うようにアメリカンナイズしようとしてひた走ってきた六十年だったともいえる。
日本人は馬鹿正直にせっせとアメリカ式を取り入れた。

経済分野では80年代、中曽根内閣のあたりから日本式経営は古い、これからは市場原理主義だ、新自由主義だと云ってアメリカに追いつけ追い越せでやってきた。
それを急速に推し進めたのが例の小泉構造改革だ。

当然、抵抗もあった。
日本の財界人も馬鹿じゃないからアメリカ式がすべていいとは思っていない。
が、そんな日本の財界をアメリカの財界と政府は「もっと市場を開放しろ!」「護送船団方式をやめろ!」「市場原理主義を取り入れろ!」「日本の市場は閉鎖的だこれからの時代はグローバル化」と暗に陽に圧力を掛けていた。
そして、アメリカの犬のような経済評論家はアメリカと一緒になって日本人の尻を引っ叩いた。
実名を挙げると中谷巌、竹中平蔵、野口悠紀雄あたりだろうか。

中谷巌は構造改革の旗振り役をやっていたような人物で、改革の為には日本の社会風土からなにまですべて変えてしまえと文化大革命の紅衛兵のようなことを云っていた。
それで、世界恐慌が起こってアメリカ式の経済が駄目になったとわかるや否やさっさと転向して『資本主義はなぜ自壊したのか~「日本」再生への提言』という「懺悔の書」を著したが、こういう人は景気が快復してきたらまた構造改革派に戻るに決まっている。

竹中平蔵はかつて慶応大学教授として『経済ってそういうことだったのか会議』という佐藤雅彦との対談本をだしていて、高校の時分に読んだことがあるが、アメリカの代弁者のようなことばかり言う人だなと怪しんだものだ。
彼が小泉内閣に入閣したとき、一抹の不安をもったものだが、残念ながらその予想は的中してしまった。
彼が小泉内閣でやったことはほとんど国賊並のことだが、今だに反省の色が無いのはさすがといったところか。
バナナというあだ名は言いえて妙である。
(見た目は黄色(黄色人種)だが中味は白(白人)という意味)

野口悠紀雄は元・通産官僚の経済学者。
「バブル経済」という言葉はこの人が広めたものだ。
そんな日本を代表する経済学者の口ぶりといえば、会社は株主のものだ、日本のモノ作りはもう駄目だ、日本は技術立国としては無く金融立国としてしてやっていくべきだ等々・・・いま考えても(ら?)開いた口が塞がらないようなものばかり。
今度の恐慌に接しても「悪いのは日本」なんだというから呆れる。
こんな人物が日本を代表する経済学者なのだから、いかに日本の経済学者が出鱈目かが知れる。

こういう経済学者とよく似た口ぶりをする人物がいた。
ライブドアの元社長・堀江貴文だ。
彼も「会社は株主のもの」とか「日本は閉鎖的だ」とか好き勝手云って、それを否定する私のような者は考えが古いとか経済を理解していないとかさんざん悪口を云われた。
あの時、メディアも国民も堀江を褒めちぎっていた。
ホリエモンに賛同した手合はいまこの時代に同じことを云ってみろ。
私はしつこい人間だから当時堀江を称えていた人たちをずっと忘れない。

そんな恨みがあったから、サブプライム問題が起こった時、これで堀江を賞賛したり市場原理主義を称えていた奴らが痛い目をみるならいいことだと思った。
それから世界恐慌へと発展してゆく過程も不安よりも「いい気味だねえ」という思いが強かった。
リーマンブラザーズが潰れた時も妙に嬉しかった。(性格悪いね)

それで、今度の世界恐慌に接してアメリカがとっている対応といえば、かつて自分たちがあれだけ批判していた日本のやり方そのものだった。
空売りは規制するわ、時価会計は固定する、政策金利を引き下げ、窓口融資を拡大し、護送船団方式を導入し、挙げ句の果てに破綻寸前の証券会社(ベアー・スターンズ)を救済するために中央銀行(FRB)が大手銀行(JPモルガン)に資金を提供して買収させた。

日本に譬えるなら、日銀が三菱UFJに資金を提供し、野村證券を買収させるといったところか。
こんなこと日本でもやったことない。

アメリカはもはや日本の上をゆく社会主義国になった印象だが、結局のところ、自分たちが景気のいいときは他国に金融の自由化を押しつけ、自分たちの経済が破綻しそうになるとそれまでの原理原則を捨て、保護主義に走る。
日本人はよくアメリカを評して「ルールを守るフェアーな国だ」なんていうことがあるが、私なんかはそんな話を聞くと笑ってしまいそうになる。
アメリカにルールも原則もあったもんじゃない。
あるのは唯一、自国の利益だけでその為にはルールも原則もひっくり返るのだ。

だいたい、戦前にも排日移民法にはじまり東京裁判まで日本人はそういうアメリカの御都合主義を嫌という程見せ付けられてきたはずなのだが、日本人は今だにそういうアメリカの本質を見抜けないでいる。

ついでに、中川元財務大臣の件に触れておくが、中川大臣が泥酔会見をやったとき、各国のメディアが取り上げたがいちばん騒いだのがCNNをはじめとしたアメリカのメディアだった。
アメリカにも約十年前のダボス会議で泥酔して二階から落ち、会議を欠席したミッキー・カンターUSTR(米国通商代表部)代表がいた。
サミットではフランスのサルコジ大統領も泥酔したことがあるし、ロシヤのエリツィン大統領はいつも泥酔していた。
そういう白人仲間の不祥事は取り上げず、黄色人種の日本人だと嬉々として叩く。
こういう白人の人種意識を日本人はもっと知ったほうがいい。
だいたい、IMF(国際通貨基金)に一千億ドルの外資を提供を決定したのはどこの国のなんという財務大臣だったか。(いうまでもなく中川財務大臣だ)

日本のメディアはもっと悪い。
アメリカと同じ口ぶりで中川大臣を笑いものにし、貶し、辞任へと追いやり、日本はまともな経済政策理念を持った大臣を失った。
後任は財政再建派の與謝野馨。
日本のこれで景気対策は大丈夫なのだろうか。

今がアメリカとマスコミから離れるいい潮時だ。

鹿内一族とフジサンケイグループ

2009-05-22 02:26:03 | 歴史・人物
「ヨリチカが死んじゃったね」

不意に教授が語りかけてきた。

「『兵隊やくざ』を書いた有馬頼義がですか?」

とトンチンカンな答えをする私。
有馬頼義(ありま・よりちか)は小説家で代表作『兵隊やくざ』は映画化され勝新太郎が主演をつとめている。
頼義の父親は戦前に農相を務め近衞文麿とも親しかった有馬頼寧。
戦後は競馬の発展に寄与し、年の瀬の競馬場の祭典「有馬記念」は彼(頼寧)の名に由来する。

返って来た教授の反応は「違う。アナウンサーのヨリチカ」
これはもっともなことで、有馬頼義は私が生まれる五年も前昭和五十五年に逝去している。
人は一度しか死ねない。

アナウンサーのヨリチカとは先日、死去した頼近美津子さんを指す。
なにゆえ教授が頼近さんの話題を振ってきたかはおくが、私は頼近さんの名をこの度の訃報で始めて知った。
昭和六十年生れの私には「元祖アイドルアナ」と云われてもピンと来ない。
報道で夫が鹿内春雄だったと知って今度はピンと来た。
鹿内の名はよく知っている。

鹿内一族はかつてフジサンケイグループを支配していた一族で春雄の父・鹿内信隆は、「ニッポン放送・フジテレビ・産経新聞というラジオ・テレビ・新聞の三大メディアを手中におさめ、マスコミ三冠王と異名をとった。」(ウェヴサイト「系図で見る近代史」より)

ただ、この信隆、産経新聞の社員からは評判が悪い。
彼は新聞はもう古いと云って産経新聞を潰しにかかり、地方支局を潰し、記者の新規採用をやめ、専売店も切って捨てた。
産経新聞が死にかけた頃、彼は自慢のフジテレビ社長の肩書きで郵政大臣に会いに行った。
ところが、偉いはずなのに大臣室のまえで随分待たされる。
気を利かせた側近が「彼は新聞社の社長でもあります」と官房に伝えたらすぐに大臣が招きいれた。
役所からしてみればテレビ局は郵政省(当時)から電波枠をもらっている立場で役人からみれば出入り業者の一つにすぎない。
彼はテレビ局の社長より新聞社の社長の方が偉いんだと悟り、産経新聞を潰すのをやめたといわれている。(高山正之「居候のクーデター」、『スーチー女史は善人か』参照)

その息子、鹿内春雄は現在まで続くフジテレビのエンタメ路線を固めた人物。
出版部門でも堅めの「週刊サンケイ」を廃刊にしてエンタメ雑誌の「SPA!」を作った。
フジサンケイのシンボルマークもこの時作られたものだ。
あの目玉のデザインはイラストレーターの吉田カツが手掛けたとされているが、夫人の頼近美津子がデザインしたという話もある。
若者・子ども向けの「軽(カル)チャー」路線、「楽しくなければテレビじゃない」のコピーを掲げ、昭和五十七年から年間視聴率でTBSを抜いた。
春雄のエンタメ路線は成功を収めたといっていい。

六十三年に鹿内春雄が急逝してからは鹿内家に養子に迎えられた鹿内宏明がグループを掌握することになる。
ところが、宏明は春雄が進めた路線に否定的で自分色に染め替えようとした。
為に、春雄の腹心だった日枝久(現・フジテレビ会長)らを中心としたメンバーからクーデターを起こされ失脚。
表向き、鹿内一族の支配は終わりを告げた。
とはいえ、筆頭株主の立場は崩れない。
その後のフジテレビの歩んだ道はこの鹿内家の影響力を落とす二十年間だったともいえる。
その為にニッポン放送もフジテレビも上場し公開株式にした。

その隙を突いたのが御存知ライブドアの堀江貴文。
フジサンケイの中核フジテレビをフジテレビよりずっと小さいニッポン放送が支配するというねじれを利用し、フジテレビ、ひいてはフジサンケイの支配を目論んだ。
この時、大人の解決方法があるといって騒動の調停を名乗り出たのがSBIの北尾吉孝という人物。
なんと、北尾氏は宏明の長男・隆一郎と懇意の仲で、それゆえ鹿内一族はこの騒動に乗じて復権を狙っているのでは?との憶測もでた。

のちの経過はみなさん御存知の通り。
堀江の野望は失敗し、今のところ鹿内一族がフジサンケイの支配者に返り咲く気配も無い。

以上、フジサンケイグループの歴史の一断面だが、さらっとなぞっただけでも色々な人物が登場して大河ドラマのようだ。
エンタメ好きのフジテレビは是非このドラマを作って欲しい。
「鹿内一族盛衰記」とかそんな題名で。

鳩山由紀夫ってなんか変

2009-05-18 03:52:28 | 政治・経済
小沢一郎が辞めて新しい民主党の代表に鳩山由紀夫が選ばれた。
私は岡田克也だと思っていたので少し意外。

にしても、街頭インタビュー等で小泉純一郎の劣化コピーのような岡田克也を「真面目そうだから」という理由で支持している人が多く居たのには驚いた。
日本人はもっと政治家を見る目を養った方がいい。
岡田克也はよく中共べったりだと言われるが、それも去ることながら彼は自身の公式サイトの政策欄を見てもわかるように新自由主義の信奉者。
あれだけ、小泉改革で格差がどうとか派遣切りがどうとか騒いでいるのにまだ懲りてないらしい。
それとも岡田氏を支持している人は構造改革賛成派か。
マスコミにも問題がある。
岡田のそういった面をほとんど報道せず、メディアは岡田は理論派だとか真面目だとかそういった面ばかりを強調していた。
本質を隠して、自分たちに都合のいい部分だけを報道するいつものマスコミのやり口だ。
政府のやることはなんでも反対のマスコミが構造改革には賛成していたカラクリがこの辺にもありそうだ。

そんな岡田が党首にならなかったのは幸いだが、同じくらい鳩山由紀夫も変だ。
四月二十七日のニコニコ動画の生放送で「日本列島は日本人だけの所有物じゃない」と朝日新聞あたりが泣いて喜びそうなことを言って、四月二十四日の党本部記者会見では永住外国人への地方参政権付与について、「愛のテーマだ。地方での参政権は付与されてしかるべきではないか」なんて言っていた。
「愛のテーマ」なんてマトモな感覚を持った大人ならちょっと気持ち悪くて使わない言葉だ。
にしても、この人「日本は日本人だけの所有物じゃない」とか、一体どういう意図で言っているんだろう。

同時に憲法改正にも積極的で勿論九条も改正して国軍(本人の言葉で言うと自衛軍)を保持し、天皇は元首と位置づけるものとする憲法改正試案も発表している。
この辺りは改憲論者だった祖父鳩山一郎のDNAを思わせるが、その試案の中では女系天皇の存在を認めたり、「法律により、主権の一部を国際機構に移譲することができる」といった危なっかしい文言も目立つ。

経済については反小泉改革派で市場原理主義に懐疑的で「今後の活路は、雇用創出できる内需型産業をいかにして育成していくかにあります」(CLSA・ジャパン・フォーラムでのスピーチ 平成二十一年二月二十三日)と内需拡大政策を標榜していて、岡田氏よりは随分マトモな印象だが、この人の思想は今ひとつ掴めない。
自身はリベラリストを自称しているらしいが、左から右へとちょっと自由すぎやしないか。

そういえば、旧民社党議員と良好な関係だとも。
私の支持政党は何を隠そう今は無き民社党でこの党の考えと同じならば支持したいところであるが、御案内の通りなんか変。
宇宙人というあだ名は言い得て妙だと思う。

私の「保守」派宣言(『諸君!』最終号、感想)

2009-05-11 22:57:53 | 書評・雑誌
『諸君!』最終号をさらっと読んだ。

巻頭に「紳士と淑女」三十年分の傑作選が載っていて大変楽しく読んだ。
多くの人が言うようにこの巻頭コラムは当代きっての名コラムだった。
もう読めなくなると思うと本当に寂しい。
「紳士と淑女」は1996年のものまでは書籍化されているが、それ以降は未収録。
是非とも、1997-2009年分の書籍化を望む。

なお、最後に執筆者が明かされていたが、業界の噂通り徳岡孝夫さんであった。
徳岡さんは現在、悪性リンパ腫に冒されていて闘病中だという。
一刻も早い快癒を祈念いたします。


他に読み応えのあった記事は、佐伯啓思先生、秦郁彦先生のものか。

佐伯先生は日本は早くアメリカ式から脱却せよと書いておられた。
この方は本当の意味での保守派という感じがする。

秦先生の文は歴史家としての立場から右派に対する痛烈な批判。
右派に限ったことではないが、歴史における実証主義が蔑ろにされている現状には私も危惧を覚える。
その後の方に渡部昇一さんの文章が載っていたのが少し可笑しかった。
(渡部さんと秦先生は犬猿の仲)


さて、「輝ける論壇の巨星たち」という特集の中で福田恆存先生が取り上げられていた。
筆者は遠藤浩一さん。
遠藤さんは福田先生を


日本といふ宿命を背負ひ、空しさを承知した上で言論活動を続けた。真の現実主義を、彼は体現してゐた。彼こそが文士、だつた。


と評していた。
福田先生のファンの方々はみな良くも悪くもクセのある人ばかりで、上の評価について賛否両論あろうが、私はなるほどその通りだと思った。
他に取り上げられていた巨星は小林秀雄、田中美知太郎、清水幾太郎、林健太郎、山本夏彦、山本七平、三島由紀夫、江藤淳、高坂正堯・・・。
いま保守派と呼ばれている(あるいは自称している)人たちが裸足で逃げ出しそうな面々だ。

いま保守派は力を無くしていると言われている。
何故か。
その答えを同号の特集「『諸君!』と私」の中に見出すことができる。
この特集は『諸君!』と関った人々がその思い出を綴ったもの。

その中で坪内祐三さんは


私が最近の『諸君!』の執筆者たちに不満だったのは、その文章のひどさです。


と書いていた。
それで、昔の左翼は悪文(難解文)であるのに対し、保守はクリアーで読みやすい文章を書いていたのに、最近の『諸君!』は左翼的だった、と。

石破茂議員もこう書いている。


『諸君!』の持ち味は、正面から世を憂い悲憤慷慨するスタイルをとるのではなく、どこか斜に構えた洒脱さにあったように思う。(略)
それがいつの頃からか、(略)ストレートな物言いが感じられるようになり真骨頂であった「静かに本質を語り、皮肉を効かせる」姿勢が影を潜めてしまったように思われた



また、阿川弘之先生の御子息、阿川尚之さんは


かつての左翼は、肩をいからせ自分が正しいと強硬に主張し、それを無理矢理押しつけ、「みんな」を味方につけようと運動した。
彼らの「連帯」「革命」「シュプレヒコール」、そのすべてが嫌だった。
ところがこの頃「諸君!」の書き手のなかに、似たような語り方をする人がいる。
書くことを運動の一部ととらえ、徒党を組む。集会で熱弁をふるう。
自分の主張が受け入れないと悲憤慷慨する。仲間割れをする。


と書いておられた。
大きく同意するところだ。
近ごろの「保守派」はかつての左翼のように下品にアジる人が目立つ。

私の思想態度は一般人からみれば右寄り、あるいは保守派に映るだろう。
が、私が決して保守派だと自称しないどころか、むしろそれを避けたいという気持ちが強いのは近ごろの保守派に阿川さんが述べているイメージが附いているからだ。
しかし、それは本当の保守派なのだろうか。

上の文章の前段に阿川さんはこう書いている。


私にとって「保守」とは、ものごとがうまくいかなくても、こんなもんだと笑っている。
はっきりした意見は持つけれど、他人に押しつけはしない。
まずは自分にできることを、泰然として、多少のユーモアをもって、完遂する。
群れない。声高に話さない。孤独を恐れない。
そうした態度だと思っている。


心から感銘を受けた。
私もこれが本当の保守派の姿だと思う。
そういえば、福田恆存先生がまさにこういう生き方をされていなかったか。
近ごろの「保守派」が失っているのはまさにこのような態度だ。

阿川さんの言う「保守」が真の保守派だとすれば、私は喜んで保守派を自称したい。
いや、私は、そんな人間になろうとしてなれていない。
これから、奮励努力して少しでも保守に近づきたいと思う。
いうまでもなく、ここでいう保守とは政治態度ではなく、思想態度、いわば生き方である。
サウイフモノニ ワタシハナリタイ、という決意を以って私の「保守」派宣言としたい。

NHK「JAPANデビュー」の罪

2009-05-07 01:51:54 | マスコミ・新聞
いま、一番見ている局といえばNHKだろうか。
馬鹿なタレントに馬鹿馬鹿しいことばかりやらせている民放と違い、それなりに為になる番組を見せてくれる。
バラエティもひたすら下品な民放とは違った番組を作る。
例えば、サラリーマンNEO。
シュールで大人しいコントをやってくれる番組だ。
いつもはお堅いNHKがというギャップもあって、妙に可笑しい。
「ケータイ大喜利」や「ザ☆ネットスター!!」もいい。
特に、ネットスターはNHKとは思えない遊びをやってくれる。

NHKはオタクにもやさしい。
「中学生日記」で腐女子を取り上げたと思ったら、「一期一会」でもやった。
「一期一会」はそれ以外にもよくオタクが登場する。
しかも、NHKのオタクの取り上げ方は民放のそれと違い、常に肯定的だ。
オタ芸にいそしむオタクとラジオDJを目指す一般人を対比させて、漠然と夢を語り何もしない一般人に対して常に真剣で目が輝いているオタクという風に描く。
反対に、民放ではオタクは珍獣として扱われる。
一般人の目線から珍獣を眺めて「珍しい動物がいる!」と喜ぶ図式だ。
いま挙げた「一期一会」や「ネットスター」なんかが顕著な例だがNHKは「オタク・イズ・ビューティフル」という視点で描く。
「オタクに優しいNHK」と謂われる所以である。

さて、そんなNHKだが時々、大ポカをやらかす。
卑近な例では「JAPANデビュー」がそう。
その第一回で日本の台湾統治を取り上げたが、これが偏向を絵に描いたような内容だった。

日本は台湾を植民地にして住民に対し、極悪非道の限りを尽くしたという視点で作られていて、台湾の近代化に尽くしたとして現地でも評価の高い後藤新平なんかも極悪非道の支配者という風に描く。
これだけでも酷い偏向だが、HNKは取材した台湾人までを虚仮にした。
NHKが取材した日本統治時代を知る台湾の御老人はHNKの取材に対して日本がやった良いことも悪いこともすべて語った。
分量にするとほぼ半々。
「日本人がいやがる部分はカットしていいよ」とまで云ったのに、番組では反対に良いことはすべてカット。
悪いことだけかいつまんで放送された。
放映後、そのNHKから取材を受けた柯徳三さんはNHKの担当ディレクター浜崎憲一に「あんたの後ろには中共がついているんだろう」と仰ったのことだが、そう勘ぐりたくなるお気持ちは十分わかる。

NHKは他にも台湾人を中国と同じ漢民族だという。
これは、あまりにも杜撰な言い方。
確かに、台湾人に漢民族のDNAは入っているだろうが、長い間混血が進みいま中国に住む漢民族とはDNAも文化も思想態度も全く異なる民族だ。
前述の柯さんも「自分は台湾人であって漢民族とは思っていない」と怒っていた。

また、日本統治の初期段階において行われた台湾原住民の日本軍の応戦を「日台戦争」という。
こんな用語初めて聴いた。
NHKは日本の侵掠戦争は支那事変だけじゃないですよ、と新しく侵掠戦争を作り出したかったのだろうか。
ついでにいうと、この番組のOP映像ではサブリミナルを使用しているとか。


日本の台湾統治は影の面もあれば光の面もあった。
NHKはその光をすべて影で覆って、報道した。
これを偏向といわずしてなんといおう。
そして、事実として日本統治時代を経験した台湾人はその時代を懐かしむ人が多数を占める。
最近のアンケートではその世代を凌いで若い世代が世界で一番好きな国に日本を選んだ。
自国台湾を含めての順位だから、自国よりも他国である日本が好きだという結果だ。(註)

そんな世界一の親日国台湾を日本を憎む反日国家のようにいう。
台湾を反日に仕立て上げて、日台の分断を図る意図が見えはしないか。
それで喜ぶのは中国共産党とそれに擦り寄る台湾国民党とあと誰だ。


「NHKは~」と書いてきたが、NHK全体が偏向しているとは云いたくない。
私の知人から聞いた話だが、この番組が放映される前、あるNHK職員に「JAPANデビュー楽しみにしています」と云ったところ、
「あぁ・・・あの番組ねぇ・・・あれいろいろと問題があって・・・良くないんだよね・・・」
と言葉を濁しながらも問題ある番組であると語ったとか。
NHKの中にはマトモな人も居ることが知れる。
いや、この問題は一部の偏向ディレクターがやったことと信じたい。
NHKは一刻も早く中共の犬のような偏向ディレクターたち(一人ではないはずだ)をなんとかしないと、日本国民からそっぽを向かれることになる。
そして、誰も受信料を払わなくなる。
その時、NHKが解体されても悲しむのは職員と中共だけだ。


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註:以下の記事参照。


日本の対台湾窓口「交流協会」が台湾人の対日意識に関する世論調査を行ったところ、約7割の人が日本に好感を抱いていることが分かった。戦前の日本による植民地統治や戦争の歴史が同様にあった中国、韓国と比べ、台湾の親日度がデータで裏付けられた形だ。

 同協会による台湾人の対日意識調査は初めてで、昨年11月から12月にかけて、約千人の男女を対象に実施した。「親しみを感じる」は69%に達し、「親しみを感じない」の12%を 大きく引き離した。

 一般に台湾では、李登輝元総統に代表される、日本語教育を受けた70歳以上の高齢者世代の親日度が高いとされてきた。だが、「親しみを感じる」とした回答者は、20代が79%、30代が77%と、若い世代が最も親日的で、65歳以上は58%だった。

 「最も好きな国(地域)」を尋ねた質問では38%が日本と答え、米国(5%)、中国(2%)など他国を引き離し、「台湾」(31%)も上回った。

 日本のイメージは「経済力、技術力の高い国」がトップで「自然の美しい国」「きまりを守る国」「豊かな伝統と文化を持つ国」が続いた。交流協会は「想像していた以上の日本に対する好感度に驚いた。今後の日台関係に役立てたい」としている。


朝日新聞 2009年4月26日2時0分
http://www.asahi.com/international/update/0425/TKY200904250184.html