つながりあそび・うた研究所二本松はじめ

二本松はじめ(ピカリン)の活動予定や活動報告、日頃、考えていることなどを書きます。研究所のお知らせも掲載します。

抱っこ通信1162号 子どもたちに伝えたい手あそび

2021年02月06日 | 抱っこ通信
 手あそびは、現場で要求されていますね。中には難しいものもありますが、ほとんどが簡単に遊べるのも、楽しめるのが良いのでしょうね。二人や少人数で遊ぶものもありますが、一人で遊べるものが多いです。ですから、手あそびが出来た、出来ない、ということもありますが、大好きな先生と一緒、大好きな友だちと一緒、ということが嬉しいのですね。楽しいのですね。そういう嬉しい時間、空間が子どもたちにとっては、意欲というか、次へ向かわせる力になっています。大事ですね。

 私はあまりつくれないというか、つくっていませんが、ここ10数年、若手の手あそび、あそびうたを創作するプロ、作家さん?が生まれてきたり、彼らの動きに刺激を受けた現場の先生たちが、たくさん創作している動きを見ると嬉しいですし、将来が楽しみです。

 昔から現場では楽しい手あそび、あそびうたがつくられ、広がっていましたが、いま、現場であそびが、誰がつくった分からないくらい(詠み人知らず)に広がり、後世でも子どもたちが楽しんでいる名作が生まれてくるのではないかとと楽しみにしています。そうだ、いまもあるのかもしれませんね。
 やはり、創作についても、子どもと一緒、という現場の先生たちが強いのですし、先生たちに期待しています


 さて、今週は手あそびを3曲紹介しました。2曲は私がつながりあそび・うたのプロになる前に伝えられて、子どもたちと楽しんできた大好きな2曲です。

2月2日【しもばしら】
 数多くある手あそび、うたの中で、私が一番好きな手あそびであり、歌です。『大きな歌』でも知られている中島光一さんの1976年の作品で、当時、彼が働いていた施設での子どもたちとの縁の中でつくられた歌です。『しもばしら』の背景にある悲しみとか怒りとかだけでなく、♬みんな笑った いい日だな いい日だな♬と歌う愛と勇気とやさしさがしみじみと伝わってきます。
 『しもばしら』に初めて出会ったときは、良い意味でショックでした。その時は中島光一本人の演奏ではなかったと思いますが、しみじみとした良い曲とシンプルな手あそび、ただ面白おかしいだけが手遊びではないのです。自分もこういう手あそび、歌をつくりたいと思いました。

 1985年に地元東久留米市での全レク一座第1期研究生の終了演奏会の中島光一をゲストとして迎えました。その時に彼自身から『しもばしら』創作背景を聞くことができたのです。この文を書くために、もう一度その終了演奏会のビデオを観ました。何も飾らずにとつとつと歌い、語り、手あそびし、観客と共に、言葉が違うかもしれませんが静かなる時間を共有しました。
 全レク時代も含めて、『春よ来い』をつくるまではたくさん歌わせてもらいました。遊ばせてもらいました。カセット『手と手と手と』にも収録しました。この季節に子どもたちと遊びたい1曲です。そして、ずっと歌いつなぎたい1曲です。


2月3日【つくしんぼ】
 前日の手あそび『しもばしら』を紹介していたら、どうしてももう1曲紹介したくなりました。『つくしんぼ』です。これもこの季節には子どもたちと遊びたいし、ずっと歌いつなぎたい1曲です。
 1980年、全レク(全日本レクリエーション・リーダー会議の略)主催の春のレクリエーション学校に中井さんという保育士が参加。彼が紹介してくれたのが、鶴川桔梗保育園(現・ききょう保育園)の先生たちが子どもたちに贈った『つくしんぼ』でした。すぐに採譜してレク学校のみんなで覚えました。なによりも子どもたちへ、という思いが作品にあふれていて、遊んでいてやさしい気持ちになりました。嬉しいです。
 その後、何年もレク学校や保育士が実行委員会をつくって開いた若葉のレクリエーション学校でも紹介してきました。一年間くらいは子どもたちと遊ぶときは、お母さんつくしんぼから始まって、お父さんつくしんぼ、お兄ちゃん、お姉ちゃん、赤ちゃんと続けて、最後は家族みんなが登場しての『つくしんぼ』でした。でも、いつの間にか、お兄ちゃんとお姉ちゃんが難しいので、3本指で遊んでいました。
 その内に「物語風」というか、春になると地表に出てくる生き物を子どもたちと一緒に考えながら楽しんでいました。当時、京都の保育士さんからお手紙をいただきました。まだ、メールがなかった時代です。内容は、研修会後、3歳児の子どもたちと遊んでいるということで、子どもたちからウサギやキツネやタヌキなど、あまり季節にとらわれず、歌いこみたい植物や動物が出てきて、子どもたちと一緒に歌って動作して楽しんでいるというものでした。子どもの発想力に驚いたり、楽しむ力を引き出したり、先生が遊んでいることが伝わってきて嬉しかったです。

 「ちいさいなかま」(1987年3月号)や『つながりあそび てとてとてと』(1987年草土文化発行)にも、『つくしんぼ』を紹介しました。
 当時、作者を私が不明だったこともあり保育園名にしましたが、1996年に出版された「てあそび・うたあそび」(ちいさいなかま編集部編 草土文化出版)に作詞・作曲曳田宏と書かれていました。当時、鶴川桔梗保育園保育士、現在は積み木作家として、木の創作おもちゃ作家として活躍中です。今回、当時を知る山田先生(現法人理事長)にお電話をしていろいろお話を聞きました。当時のままの保育への情熱が伝わってきました。話に勢いがあるのです。


2月4日【春よこい(手あそび)】
 今週は手あそびが続いてしまいました。正直、自分の作品は少ないです。あまり得意ではありません。どちらかというと動き回るあそびの方が好きなのです。
 『春よこい』は、昨年5月にステイホームソングとしてみやちゃんが歌っているバージョンでアップしましたが、今回は新たに収録して手あそびバージョンとしてアップします。
 子どもたちは♬ひとつふたつ指折って 春よこいこい 早くこい♬の部分だけを手あそびで楽しんでいます。「心の中に春の蕾を膨らませることを忘れないで」の願いで創作した曲ですが、この歌を歌っている時に、泣き出す子どもに何回か出会っています。もちろん、大人もいますが、大人の場合は、歌前や歌中の語りに共感してくれる部分が多いようですが、子どもの場合はメロディに反応しているように思えるのです。
 『しもばしら』『つくしんぼ』を改めて歌ってみて、遊んでみて『春よこい』のサビの部分は余計だったかな、なんて思えてきてしまいます。手あそび・うたって難しいですね。奥深いですね。


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