先週は、かがくいひろしさんの絵本だるまさんシリーズをあそびました。私がつながりあそびをつくるときは、パッと閃いてあそびにする場合が多いです。じっくりと考えての場合ももちろんありますが、ほとんどが子どもと遊んでいるときにあそびが生まれています。口から出まかせというやつです。ですから相方は、そんな時はいつも???状態です。ま、また始まった、と思っているかもしれませんが・・・。それでも一緒にあたりまえのように遊んでくれるから大したものです(なにを偉そうに)。
だるまさんシリーズのあそびも、もちろん閃きです。
というか、絵本の中に、作者に子どもたちの動きが見えていて、それを擬音語と擬態語で見事に表してくれているので、子どもたちは自然に絵本の中に飛び込んでいるのです。私が閃めいたというより、子どもたちが閃いているのですね。それを私が追いかけているだけのあそびです。
かがくいさん自身は閃きという部分よりも、子どもたちとの生活の中で、子どもたちとしっかりと向かい合い、気づいたところやおもしろいと思ったところをデッサンしたり、メモしたりして記録していたそうです。その上で、人を驚ろかしたり、予想を裏切ったり、いろいろと人を喜ばすというか、おもしろいことを考えることが好きだったそうですよ。
それでも私はつながりあそびとしての若干の工夫もあります。
例えば『だるまさんが』での最初からの反復です。「ドテッ」との出会いが私にも、きっと子どもたちには驚きであり、新鮮であり、おもしろいのです。ですから、しつこく何度でも「ドテッ」を繰り返したかったんです。おもしろいことは何度でもおもしろがりたいです。動きに勢いが出る感じもしています。
『だるまさんと』では、いちご、バナナ、メロン以外だったら、どんな擬音語、擬態語になるのかなと思い、だるまさんに散歩に出かけてもらっただけです。子どもたちや先生にどこに散歩に行きたいかを聞きながら遊んでいるのですが、出てきた目的地が動物園、水族館、畑、宇宙、公園などなんです。きっとかがくいさんだったら、私たちの予想もしないところに散歩に行くだろうなと思います。
『だるまさんの』は、なんていうことのないあてっこあそびです。あまりにも絵本の中の、目、手、歯、毛、尾でのだるまさんの表情がおもしろすぎて、すぐにはあてっこあそび以外は思い浮かばかったのです。リーダー(先生)も良い表情であそんでください。その点、子どもたちがリーダーになったときの表情や動きには笑っちゃいます。
作者のかがくいひろしさんは残念ながら2009年にお亡くなりになりました。2009年に学校を退職され、絵本作家としての活動をはじめようとした矢先でした。9月29日がご命日です。絵本作家デビューして4年間という短い間で16冊の絵本を発表しています。
作品は、特別支援学校先生だったということもあって、子どもがそばにいて、同じ方向を見て、一緒に絵本を見ているな、読んでいるなと思わせる作品が多いです。子どもたちへの愛情を感じます。今の時代に笑うことの大切さを信じている作品です。大人が読み聞かせをしているというか、笑わせてあげる、という変におごった部分が見えないところが好きです。
あるインタビューで次のように答えています。
「大人が面白いと思う絵本を、小さな子が全部面白いと思うのは(ストーリーなどもあって)難しい部分もあると思います。(誤解を恐れずに言えば)子どもというのはまだ大人ではないからだと思うのです。でも、子どもが面白いと思うものを一緒に楽しめるのは、大人はみんな子どもだったからかな…と思っています」(絵本ナビでのインタビュー。2009年1月5日)
かがくいさんがお亡くなりになったこともありますが、彼自身も一応だるまさんシリーズは三作で一区切りと述べています。それじゃあ、ということで、『だるまさん』シリーズの続きをみなさん考えてみませんか、あそびですよ。
絵のない絵本です。
だ・る・ま・さ・ん・は、カッキー だった(場外ホームラン)
だ・る・ま・さ・ん・は、コロコロコロコロ だった(だんごむし)
だ・る・ま・さ・ん・は、ムケッ だった(玉ねぎ)
だ・る・ま・さ・ん・は、UFO だった(UFO)
だ・る・ま・さ・ん・は、だんるまさん だった(そのまんま)
だるまさんを
だるまさんや
だるまさんよ
だるまさんも
だるまさんへ
だるまさんに
だるまさんね
いろいろ考えられますね。遊んでしましましょう。
23日【絵本『だるまさんが』の中へ飛び込もう】
25日【絵本『だるまさんと』の中に飛び込もう】