一部の白ワインの掲載を保留にしていましたが。ようやく、すべてをリストに加えました。私の中にあるイタリアの白ワインはリリースをされた、その年に飲んでしまうが決まりのようになっていたからです。一時期の一部分のワインにはどうしようにもない苦みが全体のバランスを崩していたり、酸が急速に張りを失っていたり、魅力のないワインがありました。考え方を変えるのに、多少時間がかかりました。それは、セラーに寝かせて味わいの経過を記録する作業をどうしても経なければいけないと思っていたからです。古くはオリヴェートのように些細な造りのワインでも、瓶詰めしてから5年後に本来の飲み頃になるワインもありました。ソアーヴェにしかり、ヴェルディッキオにしてもリリースされてから僅かなコンディショニングで飲み始めてもよいワインはありますが。数年経過してさらに味わい深くなることもあります。造り手やヴィンテージの違いに問題はあります。保存さえ間違っていなければ、おおむねのワインは大丈夫です。
その中にあって今回はビジ社のオリヴィエート クラッシコ セッコ“トリッチェッラ”2006年です。約3年間セラーに寝かせていたワインです。香りはアプリコット、トロピカルフルーツ、缶詰のパイナップル(金属的な香りを伴っていたため)とかすかなハーブ。何といっても味わいに変化があります。とろっとした食感は1300円前後で売られているワインだとは思はないはずです。こなれた苦みに酸はちょっと心もない弱さがある部分が気にはなります。しかし今のところはバランスがよく保たれています。フルーティーなアフターテイストに心地よい余韻があります。比較的安価なワインをセラーで寝かせて熟成感を味わう、いいワインだと思います。
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