顔に大きな切り傷、
手の指を2本失い片足を引きずる、
謎の男。
イタリアに渡って敬虔なカトリックとして
成長した青年。
イタリア統一運動のさなか、
再興に投じる人々を見て、
地下活動家になったが、
信頼する神父への懺悔が、
逮捕という裏切りに遭い、
出所後は仲間を売った汚名を着せられ、
宗教を捨て、イタリアを捨て、
傷心から立ち上がって、
姿を現したのが謎の男、アーサー。
その後
統一運動の英雄が、辿った最後は、
任務の失敗で、銃殺の刑に・・・。
英雄だったアーサーに秘めた恋。
若いころ女性と山々を歩いたのは、
幼馴染のジェンマ。
獄中で書いた手紙が、アーサーの死後、
ジャンマに、
ウィリアム・ブレークの詩の一節を添えて、
変わらなかった愛を告白に、
掌の手紙を、胸に押すジェンマ。
「あぶ」を書いたのは、
エセル・L・ヴォイニッチ(1864-1960)
アイルランドのコークから、アメリカに渡った
イギリス人で、
題名邦訳「あぶ」絶版書。
あぶは、青年アーサーのあだ名。
権力に立ち向かう者・・
あぶ(五月蠅い・うるさい)
作者の夫もポーランドの革命家でもあり、
シベリアへ流刑されている。
生涯5冊しか書かなかった作者の本は
劇場に、映画に・・・。
〜 馬あぶ、檜原の遊歩道・払沢の瀬音 〜
1955年の映画では、
ショスタコーヴィチが作曲しています。