3388 野球ブログ

日米を問わず名選手を紹介。

2000奪三振(10)

2011-04-28 13:42:33 | Weblog
鈴木啓示投手をその投球内容から大雑把に三段階に分けて、奪三振数、奪三振率に言及したく思います。先ずは前回触れました脚を高く上げて速い球を主武器としていた本格派、速球時期です。この時期は入団から6年目までが当てはまると思います。この時期に120勝を挙げ、投球回数1749.2イニングで1489個の三振を奪い、奪三振率は7.66になります。最も球が速く、パリーグの奪三振王の名前を欲しいままにしていた時期と言えましょう。しかし物凄く不幸な事に、彼より1年後にセリーグ阪神タイガースに快速左腕江夏豊投手が入団しました。同じ時期、鈴木啓示の2年目から6年目と江夏豊の入団から5年目までを比較してみます。この時期江夏豊は88勝を挙げ、投球回数1419イニングで実に1495個の三振を奪い、奪三振率は9.48になります。一方鈴木啓示は110勝、投球回数1560.2イニング、1329個の三振を奪い、奪三振率は7.66になります。鈴木啓示とて抜群の奪三振、奪三振率を誇っていたのに、同時期に江夏豊という存在があった事が、彼の印象を薄くしたのでしょう。この時期江夏豊は今も記録のシーズン401個の奪三振や、オールスター9連続奪三振の記録を作る等もあり、又人気チーム阪神タイガース所属もあって、非常に目立つ存在でありました。つまり鈴木啓示の速球が最も輝いていた時、本当に邪魔な存在が江夏豊だったと思います。