トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

二点位置流れ・昆虫すこいぜ!「アサギマダラの羽化」

2023-05-12 | 小父のお隣さん
 アサギマダラ幼虫の食草としてキジョランを用意して十数年、いっこうに大きく繁ってくれない。採種したくて訪れる郊外の株は旺盛なのにだ。植えつけた場所が田圃跡と言う事実が好ましくはないだろうと薄々は感じ取っているもののフイールド内に適地がなかなか見いだせないのが現状である。
 そんな中での昨季晩秋に産卵があって孵化した幼虫は複数いたのだが厳冬期を乗り切ったのは1頭だけで「羽化できるかどうか⁉」が最大の関心事になって数カ月。ようやく羽化した姿を見る事が出来た。思えば半年にわたる幼虫と蛹の時代を乗り切ったのだ。
 株が繁茂していればクモなどの歩行性捕食者に食べられる確率は下がるのだろうが「蛹になるまで食べる葉があるのだろうか⁉」の心配事を持ったまま見ている側もストレスになる。今回の個体も食料不足になりそうだから引っ越しをせざるを得なかったのだった。

 食料が足りて蛹化する段階でしばし行方不明となった。小生は樹上だけを捜していたのだがボヤキを聴いていたS先生は難なく下草の中に蛹を発見した。こう言う処に「熟知している・していない」の差が歴然とするがまあ、小生と先生を比較する事事態が無謀である。写真の蛹は4月18日撮影したもので蛹化直後ではない。故に今日、5月11日羽化とするとほぼひと月が蛹の期間だった事になる。

 前日の17日、「そろそろかなあ⁉」と様子を確認したら外殻を通して翅のまだら模様が見えていた。これで翌日羽化が決定的となった。羽化直前に蛹の色が変化するのは自宅でのジャコウアゲハで多々観察出来ていたから不思議とも思わないのだが、それにしても外殻の中で蝶になっている事実はすごいとしか言いようがない。

 羽化できた成体はこれから移動するのか秋まで定着しているのか知る由も無いけれど子孫を残してくれたら祝着至極である。下の写真、右上に抜け殻が見えている。逆光になったので綺麗に撮影は出来なかったけれど確認は出来る。