トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

放生へお持ち帰り

2017-06-12 | 小父のお隣さん
 里親として保育していたトウキョウサンショウウオ。13週を迎え陸生が出来る状態に変態した個体も出てきた。
 大部分はエラが消失せず水中生活が続いているけれど、保護活動を続けているグループに参加している兄が小生のフイールドを見学に来たのを機に「お持ち帰り」してもらった。

 これで全ての個体が変態終了してからミズゴケで梱包し宅配便で送る手間を省く事が出来た。前回に比較すれば生存率は下がってしまったが、こればかりは手を尽くしていても管理できぬ事柄もある。

 帰る出生地は放棄田が広がる丘陵地帯で、至近に大規模造成地が迫っている。保護活動の成果で産卵数の増加は見られても、生息可能な面積は減少していくであろう今後を考えると、放生された個体には厳しい将来が待っているのは間違いないのが懸念される。
 まあ、山頭火風なら「育てても育てても消える種か」…。

抜き取りはスゲー大変!

2017-06-12 | 感じるままの回り道
  春先より倍に増えた ➡     羽化台を残し抜き取る 

 管轄外の隣接地。棚田への温水田にカサスゲが大繁殖してしまった。春先までに抜去すれば良かったのだが、助っ人課業で手が回らなかった。盗人課業でも手が後ろに回らなかった、と言うのは冗句冗談である。
 ともかくカサスゲの抜去は大変だった。地下茎が縦横に走って交差し強固な株は両手で曳いても動きもしない。それでもランナーの先端部分の株は抜きやすかったが、中央部は四本鍬を叩きこみ起こし揺さぶり「揺さぶり症候群」状態にまで関与しないと抜き取れなかった。

 水面に出ている部分を抜き取っても泥中に地下茎が多く残っているので、鍬で掻き取り曳き集めて陸に上げれば完璧だったが、今回は羽化用に少し残し、泥中に残っている株から萌芽した部分を新たな羽化台にしつつ、今回残したのは抜去する。刈り払いもそうなのだが、全て「綺麗」にやってはならない理由がある。
 草取りや草刈り作業といえど「生物保全」や「環境保全」の理解や認識が無く、林道わきの裾群落や袖群落が一掃されてしまったように、軒並み「綺麗」にされてしまうのが何とも無念だ。

 まあ、一般的常識的に解するなら「全面刈り払い」は作業者にとって第一選択肢になっている経験が多いからしょうもないのだが、このような場合、刈り払いを実施すると環境破壊を行ったに等しい。長く生活の営みと密着形成された里山も「保全」と言う目的で寄与しようと活動していても生活や季節の営みに立脚していない以上、真似事だけでは合格点は難しい。TV番組にひっかければ、「凡人」程度すら難しく実質「才能無し」に着席かも…。それでもやらないよりましと言うもの。