とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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ミャンマー大冒険(113)

2006年12月09日 20時51分47秒 | 旅(海外・国内)
ぞろぞろとパゴダに上ってきたスペイン人の旅行者たちは、リタイヤして悠々自適な人たちばかりといった世代の人々なのであった。

「こんにちは」
「こんにちは」

と英語で挨拶を交わした。
狭いパゴダの屋根の上。
楽しく過ごすためには、挨拶ぐらい必要であろう。
しかし、どちらも母国語が英語ではないため、時間的に中途半端な夕暮れ時なので「こんばんわ」ではなく「こんにちは」と挨拶を交わしたのであった。

リタイヤ世代のスペイン人旅行者たちが登ってきたすぐ後に、地元バガンの子供たちがぞろぞろと上がってきた。
人数にして20人弱。
彼らは、スペイン人旅行客たちが企画したイベントのために招集されたのだという。

「何始めるんですかね」
とTさんに質問した。
「気球を上げるそうですよ」
「気球?」
「そうです。季節がちょっと違うんですけど、気球のお祭りがあるんですよ」

私は瞬間的に、タイのチェンマイを思い出していた。

数年前。
始めてチェンマイを訪れた私は、その日が有名な祭り「ロイカートン」の二日目であることをまったく知らず、ホテルにチェックイン後ターぺー門近くの繁華街へ繰り出したのであった。
街中人だらけ。
所々にキラキラと電飾を施したシーロー(日本製の2トントラックを改造したバス)が走っていた。
「どうしたんだろ?」
という私の疑問を一番高めたのは、屋外に設置された屋台で遅い晩飯を食っているた時であった。

空にフワフワと漂っている光の展を見つけたのであった。
星のようだが、ゆっくりと動いている。
飛行機にしては動きが遅い。
ヘリコプターにしては音がしない。

夜なので、何が何だかわからないのだ。
「あれ何?」
と店の兄ちゃんに英語で聞いてみたが、当然のことながら通じない。

笑って通り過ぎられた(微笑みの国タイ、というのは英語が分らないので笑ってごまかしている、ただそれだけではないか、と思はないこともない)。

あちこちの人によくよく聞いて見ると「気球だよ」と言われた。
いわゆる空に向かっての灯籠流しというわけだ。

タイとミャンマーという2つの隣接した国で、しかもマンダレーの件でも書いたのだが、地理的に近いバガンとチェンマイに共通点があってお不思議ではない。
私はこれから始まろうとしていたバガンでの気球祭りのデモンストレーションは、日本にはない大陸の雄大な時空間を肌と心で感じさせているのであった。

つづく

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