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とりがら時事放談『コラム新喜劇』



日本の科学技術が世界でもトップレベルにある理由に、漫画家手塚治虫の貢献が大きいという説がある。
鉄腕アトムに代表される手塚漫画は戦後の少年たちを半世紀近くの間、夢の世界へ導いた。
「ロボット」
「弾丸列車」
「宇宙旅行」
「高速道路」
「電気自動車」
「電子頭脳」
「無免許医」
「ヒョウタン継ぎ」
などなど。
これら20世紀半ばでは夢物語であったテクノロジーを子供たちをして現実にしてやろうというイマジネーションを与え、奮い立たせたのが手塚漫画というわけだ。
そして出来の善し悪しは別にして、今日そのほとんどが日本の得意分野として実現されたということは、手塚漫画貢献説はあながち否定できないものであることを臭わせている。
天然資源の少ない日本にとって、科学漫画のイマジネーションで育った科学技術と人材は、他国になかなか真似の出来ない資源となった。

ここ一週間、各紙の紙面で地味に伝えられているニュースがある。
「はやぶさ」
関連のニュースである。
はやぶさといってもJRの特急列車の名前ではないし、往年の戦闘機の名前でもない。
我が国が放った無人惑星探査船の名前だ。
この「はやぶさ」が先週末、目的地の小惑星に到着し、至近距離で停止した。その精度、なんと毎秒0.25mm。
日本の宇宙船の姿勢制御技術が凄いことを初めて知ったニュースだった。

しかし、この惑星探査機の凄いところは姿勢制御技術ではない。
この惑星探査機はこの小惑星に接触し(相手が小さいので着陸できないのかな)その小惑星の石を採取して、なんと再来年日本へ持ち帰るのだという。
人類が地球以外の岩石を持ち帰るのは、月の石に続いて2度目となる。
この偉業。
みんな凄いと思わないか。

どういうわけか、各新聞はこの誇るべき科学ニュースを小さく扱う。
日本の技術が凄い事をアピールすると、せっかく滅びかけている技術立国日本の蘇らせはしないかと、どこかの国の顔色を窺っているのか。
ちょっと疑いたくなる。
本物の人を感動させる技術は、漫画の世界より遥かに影響力があることを、知っていての確信犯か。

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遅ればせながらやってきた梅雨の季節。まったく雨の降らなかった6月とはうって変わって、7月は晴れの日がほとんどない。
水不足でダム湖が干上がって「給水制限でーす!」などと叫んでいた、四国は大雨洪水警報が出て大変だ。

梅雨の季節。
気温が上がってジメジメすると、やってくるのは害虫の季節。
とりわけ蚊が私の肉体から血を吸い取ろうとして夜中に噛みついてくる。
こんなオッサンのどこが良いのか。
どうせなら、若くてピチピチした、肌には艶も張りもある若いオネーサンの住むところへ飛んで行けば良いものを、私の毛深くゴッツイ体に近寄ってくとは、きっと変態の蚊なのだろう。

この蚊に刺されると、当然のことながら痒みに苦しむことになる。
とりわけ最近仕事が忙しく、家に帰ってからも頭が冴えて眠れない私は、蚊に刺された痒みで、さらに眠れなくなって困ってしまうのだ。
そこで登場するのが虫刺され薬。
私は定番のムヒ、そしてキンカンの両方を持っている。

なぜ2種類も痒み止めを持っているのかというと、特に理由はない。
それぞれの特徴に併せて、その時の気分で使い分けているのだ。

まず、ムヒはスタンダードな「ムヒS」を使用している。
この薬を持つと、どうしても「ムヒーが丘に、痒みを止めて」という歌を口ずさんでしまうという欠点がある。
欠点はあるが、このチューブに入った軟膏は虫刺されだけでなく、かぶれ、しっしん、じんましん、あせも、などにも効力があり、例えば汗をかき過ぎて肌があせもで痒いときは、このムヒを使用することになる。
虫刺されとあせも、という夏の二大カイカイ現象に対して非常に強力な効能を発揮する、ような気がするのだ。
その他の効能を説明書を読んで確認すると、「しもやけ」にも効くというのだから、この薬。四季を問わず実用に堪えるという優れものであることがわかる。

このムヒの強力なライバルがキンカンだ。
「キンカン塗って、また塗って」
のCMソングで有名な液体状の薬だが、欠点がある。
臭いのだ。
それも、もーれつに、臭い。
多くが主原料のアンモニアの匂いと思われるのだが、これを塗ると外出することが躊躇われるぐらい臭ってくるのだ。
これはムヒと違い虫刺されと「肩凝り」に効能があり、仕事疲れにはムヒよりもキンカンの方が良いような気がしてくる。
しかもしかも。
このキンカンに慣れてくると、その強烈な刺激臭が「あ、この匂いこそ、虫刺されの薬やな~」とある種の快感というか、中毒のようになってしまい、匂いにカリスマ性を感じとって、アヘンのような常習性(筆者はアヘンなど吸ったことは無いが)がきつくなるような気がするのだ。

で、ウナはどうなのか、というと使ったことが無いのでわからない。
タイガーバームにしても同じくわからないのだ。


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朝起きて顔を洗い朝食を摂るためにテーブルについた。
ぼんやりした頭でNHKニュースを見ていると、私の耳元を「ぶ~~ん」という音が横切った。
この音、蚊の音、夏を告げる音。

しかしまだまだ六月が始まったばかりだ。どうして家の中を蚊が元気よく飛んでいるのかよく分からない。
地球温暖化が原因か?
それとも気温が低くても元気な新種の蚊が現れたのか?
さらにそれとも我がアパートメントの電気室の暖かさの中で冬でも越したのか?
定かでない。
ともかく家人が朝、窓を開けたときに家の中に紛れ込んできたに違いない。しかもきっちり私の首筋とケツから血を吸って飛び去った。なかなか元気な蚊であった。

蚊といえば熱帯地方ではマラリアを媒介する病原虫として忌み嫌われている。

4年前にタイのチェンマイから日帰りで黄金の三角地帯を観光した帰り道、ツアーのミニバンの中を蚊が一匹飛んでいた。
「うわ~~~~~~、蚊よ、蚊! 蚊、蚊、かかかかかかかか、蚊!。」
と乗り合わせていた、それまで機嫌よく鼻歌を謡っていた小錦に似た喧しいカナダ人のオバハンが叫んだ。
つまり、それほど蚊に対する恐怖を熱帯地方では感じるわけだ。
「大丈夫です。このあたり(チェンライのあたりだっと記憶する)にはマラリアの蚊はいません。」
とガイドの女の子は宣言したが、カナダ人のオバハンの恐怖は暫く鳴り止まず、もともとオバハンの鬱陶しい鼻歌に悩まされていた他の客は、さらにオバハンの恐怖に引きつった声に悩まされることになった。

先週の英会話スクールでのレッスンで、このマラリアのことが話題になった。
「大阪にはマラリアを予防する薬をくれる病院がないらしい。」
というのが話題の中心。
私のクラスの講師は度々アフリカを旅行しているが、旅行する数週間前からマラリア予防の薬を服用しているという。しかもその薬は日本では入手できないのでオーストラリアの実家から送ってもらっているのだという。
「大阪の病院はバカ野郎だ」
という意味のことを、英語で多少丁寧に彼は話した。

一説によると、大阪でマラリアの治療ができるのは大阪市立総合医療センターだけで、マラリアの症状を発症してもしここ以外の病院に行ってたりしたら、
「ん~~~~~~、風邪ですね。」
といわれて三日後にはお葬式、ということもなくはないらしい。

これまで日本ではマラリアに罹患することはないと言われてきた。問題の熱帯熱マラリアに罹患して死に至る日本人はたいてい東南アジアかアフリカからの帰国者だった。
ところが地球温暖化の影響で、この最も恐ろしい熱帯熱マラリアを媒介するハマダラ蚊が日本に分布する可能性が出てきたというのだ。
もともと日本列島最南端の台湾は熱帯病の百貨店で、もちろんマラリアもその一つ。
台湾から南西諸島、沖縄諸島、奄美諸島を経由して、本土を蚊に奇襲されるのも時間の問題だとか。
日本に侵略の魔の手を延ばすのは中国、南北朝鮮だけではないらしい。
偶然かも知れないが、この三つとも世界中の嫌われ者、という共通点があるのが面白い。

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この1月から週に3回以上スポーツジムに通う習慣を続けている。
とりわけ健康を意識して頻繁にスポーツジムに通っているわけではない。スポーツジムには過去5年以上通い続けているが、やや肥満ぎみの体に筋肉がつき、肥満児体形から関取体形に変わったくらいの変化しか認められない。と、自覚している。
ともかく「痩せるために」ジムに通うのはナンセンスで、運動後のビールや食事を美味くするために通っていると思えば、ストレスもなくスポーツを堪能することができる。

それはともかく、ジムへ頻繁に通うようになったのは考えることが増えてきたからだ。
不思議なことだが体に心地よい疲れが残る程度に運動をすると、その後の思考能力が向上して、頭の中がすっきりする。
つまり体を動かすと、体内に何らかの成分が発生し、それが脳に機能的に作用して考える力を向上させるのだと、私は勝手に思い込んでいるのだ。

そもそもジムに通いはじめたのは当時のかかりつけの医者(今風に言えばホームドクター)が私に、
「あんた、少しは運動せんと、高血圧が慢性化して早よ死ぬで」
と脅してきたからだ。
もっともその先生も私にそういう厳しいことを宣告する数カ月前に己が高血圧で入院し、暫く休診していたくらいだから、あまり説得力はなかった。

ところが医者にキツイ一言を告げられた数日後、タイミング良く幼稚園時代からの友人が私の体を見て「おまえ、死ぬで」と言ったものだから、なにかスポーツしなければと思い込み、その友人の紹介で近くのエクザスへ通うことになった。
これも後で判明したのだが、そのときエクザスでは「新会員ご紹介キャンペーン」をやっていて、メンバーが友人や家族を紹介して新しい会員になったら5000円相当のギフト件を貰えることになっていたのだ。
本当に人というのは容易に信頼できない動物なのだ、とつくづく思った。

ともかくそんな縁でスポーツジムに通いはじめ毎週汗をかくようになると、ちょっと危険レベルに達していた私の血圧も見る見る下がりはじめた。
体重も一時的に減少したが、すぐに筋肉がつきはじめ千代の富士(古いか)体形になりはじめたのだった。

そして今年になって頻繁にジムに通うため血圧はますます正常値を維持するようになってきた。
ところがこの正常値。つまりデジタル血圧計に表示されている「通常血圧」と呼ばれる血圧値が信用ならないのだ。
たとえば、血圧を測って上も下も正常値の範囲内にあるときは、精神的にもリラックスしているし、穏やかなのだが、眠いのだ。とてつもなく眠い。堪えられないくらい眠い。
眠くて眠くて考え事などできないのだ。
血圧が上が通常値を越えて「高血圧」のレベルに達しているときは(下レベルが高血圧レベルに達したことはない)、頭が冴えて眠気も兆さず、体はハキハキとして気分がとてもハイになるのだ。
で、どちらが仕事や思考に相応しいかといえば、とうぜん高血圧時で正常血圧時でないことは確かなのだ。

高血圧と通常血圧。
いったいいくらが「正常な血圧」なのか。
まったくもって謎である。

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