人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新日本フィル2018ー2019シーズン会員継続へ(サントリーホール シリーズに変更して申し込み) / 宮下奈都著「羊と鋼の森」を読む~若きピアノ調律師の成長物語

2018年03月29日 07時46分00秒 | 日記

29日(木)。わが家に来てから今日で1275日目を迎え、北朝鮮の金正恩委員長が25~28日 訪中し 習近平国家主席と会談、習氏は朝鮮半島の非核化方針堅持を表明し 金委員長は「非核化実現に向けて尽力する」と語った というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                  習近平と金正恩とが手を組んで習金平和の道を歩むのか  米朝階段は登れるのか

 

         

 

昨日、夕食に「鶏のほったらかし焼き」「生野菜とタコのサラダ」「トマトとエノキダケとウインナのスープ」を作りました 「鶏~」は何度か作りましたが、塩胡椒だけの味付けによる超シンプル料理です

 

     

 

         

 

新日本フィルから2018-2019シーズンの会員継続案内が届きました 私は現在ルビー(アフタヌーン  コンサート・シリーズ 金曜日)会員ですが、毎年 他の在京オケの定期公演の日程とダブらないかをチェックした上で、3つのシリーズの演奏曲目のラインナップを比較検討してコースを選んでいます 

次シーズンのラインナップを見ると、トパーズ(トリフォニーホール)では 9月のオール・R.シュトラウス(上岡)、10月のシベリウス「第7番」他(リントゥ)、2月のブルックナー「第5番」(アルブレヒト)、ジェイド(サントリーホール)では9月のスメタナ「わが祖国」(アルトリヒテル)、 10月のブルックナー「第9番」「テ・デウム」(上岡)、3月のマーラー「第2番」(上岡)、5月のワーグナー・アーベント(上岡)、7月のブラームス「ドイツ・レクイエム」他(ビリー)、ルビーでは 2月のハイドン「オラトリオ 四季」(イェアンニン)、6月のオール・ショスタコーヴィチ(井上)、7月のファリャ「三角帽子」他(デ・ラ・パ―ラ)といったプログラムが目玉だと思います

私の好みから言えば、マーラー、ブルックナー、ワーグナーといった重量級のプログラムを揃えたジェイド(サントリーホール)に一番魅力を感じます 今のところ、N響、読響、東響などの定期公演と日程がダブっていないので、ジェイドのS席を申し込むことにしました

 

         

 

宮下奈都著「羊と鋼の森」(文春文庫)を読み終わりました 著者の宮下奈都は1967年福井県生まれ。上智大学文学部卒。2004年「静かな雨」で文學界新人賞佳作入選、2015年刊行の「羊と鋼の森」で2016年本屋大賞を受賞しています

 

     

 

この作品は「別冊文藝春秋」2013年11月号から2015年3月号まで連載されたものを 単行本化するにあたり加筆し 2015年9月に文藝春秋社から刊行され、2018年2月に文庫化されたものです

北海道の高校の生徒だった外村は、学校の体育館にあるピアノの調律に来た江藤楽器の調律師・板鳥と出会ってから 調律という仕事に魅せられる  本州にある調律師養成のための専門学校に2年間通って技術を身に付け、故郷近くの街に戻って、運よく欠員の出た江藤楽器に採用される 外村は板鳥、柳、秋野といった個性的な先輩たちの助言を受けながら ひたむきにピアノの音と向き合い、それを演奏する人と向き合う その中で、性格が正反対の双子の姉妹(大人しい姉の和音、活発な妹の由仁)との出会いが彼の向上心に刺激を与える そうしたことを通して、一人の若者が調律師として成長していく過程が描かれています

「いつも読んでいる本と違うな」と思ったのは、章立てのような区切りが一切なく 淡々と物語が進んでいき、話題が変わる時は1行空けるだけ、という書き方です

先輩調律師たちと外村との会話にいくつか興味深いものがあります 秋野との会話には次のようなものがあります

秋野「『ワインの馥郁たる芳香』とか形容の形みたいなものがある。調律も似てる。お客さんとのやり取りの中で使う言葉には型がある

外村「馥郁たる音色とかってことですか?」

秋野「うん、明るい音、澄んだ音。華やかな音ってリクエストも多いな そのたびにいちいち考えて音をつくってたら大変だ。明るい音ならこのメモリ、華やかな音ならこれ、って決めておくんだよ。それでいいんだ

外村「形容する言葉に合わせて、調律の型を選ぶってことですか?」

秋野「そう。一般家庭に調律に行くんだ。それ以上求められてないし、やっても意味がない。むしろ、へたに精度を上げると・・・・弾きこなせないんだよ

これを読むと、プロ仕様のピアノでなく一般家庭のピアノは、完璧に調律するよりも型にはまったやり方で調律した方が弾き易くなる、というように思います

次は外村の独白として語られるものです

「ピアノの基準音となるラの音は、学校のピアノなら440ヘルツと決められている。赤ん坊の産声は世界共通で440ヘルツなのだそうだ ヘルツというのは1秒間に空気が振動する回数のこと。数値が高くなるほど音も高くなる。日本では、戦後になるまで435ヘルツだった。もっと遡れば、モーツアルトの時代のヨーロッパは422ヘルツだったらしい 少しずつ高くなってきている。今は444ヘルツになってきているから、それに合わせる傾向にあるピアノも、さらに高くなるのだろう モーツアルトが作曲していた頃に比べて半音近く高くなっている。感覚としては、もはや同じラの音ではない。変わらないはずの基準音が、時代とともに少しずつ高くなっていくのは、明るい音を求めるようになったからではないか わざわざ求めるのは、きっと、それが足りないからだ

「明るい音を求めて音が高くなる」というのは分かるような気がしますが、もう一つは「軽い音を求めて音が高くなる」という側面もあるような気がします

次は「調律って、どうすればうまくなるんでしょう?」という外村の独り言を受けて、先輩の北川が口にする言葉です

「まず、1万時間だって どんなことでも1万時間かければ形になるらしいから。悩むなら、1万時間かけてから悩めばいいの・・・だいたい5,6年って感じじゃない?」

『桃栗三年 柿八年 ピアノ調律五、六年」っていう感じでしょうか

調律師同士の会話には以上のほかにも興味深いやり取りがありますが、あとはご自分で読むことをお薦めします

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