28日(水)。わが家に来てから今日で1274日目を迎え、米老舗銃器メーカーのレミントン・アウトドアが25日付でデラウェア州の連邦破産裁判所に米連邦破産法第11条の適用を申請し経営破たんしたが、米メディアによると 銃規制強化派のオバマ前政権では駆け込み需要で販売が好調だったものの、銃に寛容なトランプ大統領が当選して「規制が遠のく」との見方が広がり急減した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
銃に寛容なトランプ政権下で銃器メーカーが破産とは皮肉な現象だ ザマぁみろ!
昨日、夕食に「豚肉と大根の炒め煮」と「生野菜サラダ」を作りました 「豚肉~」は炒めて煮込んで冷ましてと結構時間をかけたので味が良く浸み込みました
昨夕、上野学園石橋メモリアルホールで「THE DUET 中村恵理&藤木大地 世界が認めたふたつのハーモニー」公演を聴きました これは「東京・春・音楽祭」参加公演です
出演はソプラノ=中村恵理、カウンターテナー=藤木大地、ピアノ=園田隆一郎です
サブタイトルの「世界が認めたふたつの声のハーモニー」の意味は、中村恵理が新国立劇場オペラ研修所を経て、英国コヴェントガーデン王立劇場の「カプレーティ家とモンテッキ家」にアンナ・ネトレプコの代役として出演して脚光を浴び、その後2010~16年にバイエルン国立歌劇場の専属歌手を務め、16年にウィーン国立歌劇場に「チェネレントラ」でデビューするなど世界的に活躍していることと、一方の藤木大地が2012年、日本音楽コンクール声楽部門第1位を獲得した後、13年にボローニャ歌劇場のグルック「クレーリアの勝利」のマン二オ役に抜擢され、17年に日本人のカウンターテナーとして初めてウィーン国立歌劇場にデビューするなど世界的に活躍中であるという二人の実績に基づいています
危うく東京文化会館小ホールに行くところでしたが、事前にチケットを再確認して思いとどまりました。ヤバかった
自席は1階E列20番、センターブロック右通路側です 会場は今咲き誇る桜のようにほぼ満席です
ステージの左サイドにグランドピアノが置かれています
春らしい落ち着いた色調のカラフルな衣装を身に着けた中村恵理が藤木大地、ピアノの園田隆一郎とともに登場します 中村恵理は昨年4月20日に新国立オペラ「フィガロの結婚」でスザンナを歌ったのを聴いて以来ほぼ1年ぶりです(2017年4月21日付toraブログ参照)。一方、藤木大地は数年前にバッハ・コレギウム・ジャパンで聴いて以来です
最初に歌われるのは、ヘンデルの歌劇「ジュリアス・シーザー」からシーザーとクレオパトラの二重唱「いとしい人!美しい人!」です 最初からガツンとやられました
二人とも何と美しい声でしょうか
何と素晴らしいアンサンブルなのでしょうか
とくに度肝を抜かれたのは藤木大地のカウンターテナーです
クリアな声に加えて歌唱力が抜群です
次いで藤木大地がヘンデルの歌劇「セルセ」から「オンブラ・マイ・フ」を完璧なコントロールで歌い上げました 「世界に通用するカウンターテナー」という言葉が分かるような気がします
次に再度二人が登場、モーツアルトの歌劇「フィガロの結婚」からスザンナとケルビーノの二重唱「あけてよ、早く!」を歌い、ケルビーノ役の藤木がステージから客席に飛び降りて走り去った後、残された中村恵理がモーツアルトの歌劇「ドン・ジョバンニ」から「ぶってよ、マゼット」を歌いました
ひと呼吸置いて二人が登場し、モーツアルトの最後の歌劇「皇帝ティートの慈悲」からセストとヴィッテリアの二重唱「気のすむようにお命じなさい」を美しいアンサンブルで歌いました
次に藤木大地がロッシーニの歌劇「セミラーミデ」からアルサ―チェのカヴァティーナ「ああ、あの日をたえず思い出す」を感動的に歌い上げました
次いで、中村恵理が再登場しグノーの歌劇「ファウスト」からマルガレーテの「宝石の歌」を歌いましたが、これがこの日のプログラム前半のハイライトでした 中村恵理は完璧なコントロールのもと美しいフランス語で歌いましたが、目の動き、顔の表情、身体の動き、すべてにおいてマルガレーテに成り切って歌っていました
ソプラノ歌手の中には最高音で絶叫してガラスを引っ掻くような声で歌う人もいますが、彼女は決して”うるさく”なく声が輝いています
プログラム前半の最後はオッフェンバックの歌劇「ホフマン物語」からニクラウスとジュリエッタの二重唱「美しい夜、おお恋の夜よ」です 二人は園田隆一郎のピアノによる「ホフマンの舟歌」のメロディーに導かれて、ロマンティックに歌い上げました
プログラム後半の最初はJ.シュトラウス2世の喜歌劇「こうもり」第2幕からオルロフスキー公爵の歌「僕はお客を呼ぶのが好きだ」が、シャンペンのボトルを片手にした藤木大地によってユーモラスに歌われました
次に 淡いオレンジ色のドレスにお色直しした中村恵理と藤木大地が登場、フンパーディンクの歌劇「ヘンゼルとグレーテル」から「夕べの祈り」がメルヘンチックに歌われ、そのまま舞台袖にフェイドアウトしていきました。ささやかな演出でした
次に中村恵理が客席後方から登場、プッチーニの歌劇「ラ・ボエーム」からムゼッタの「私が街を歩くと」(ムゼッタのワルツ)を歌いながら通路側の自席の傍を通って前方に移って行きステージに上がりました これだから通路側席は止められないのです
中村恵理はこの曲でも絶叫することなく会場の隅々まで華やかな歌声を届けていました
ここで歌手陣の喉を休めるため、園田隆一郎のピアノ独奏によりマスカーニの歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」から「間奏曲」が演奏されました つくづく良い曲だと思います
次は、評論家として有名な加藤周一が作った詩「さくら横ちょう」を作曲した2人の作曲家の歌が歌われました 最初に藤木大地が別宮貞雄作曲による「さくら横ちょう」を、次に中村恵理が中田喜直作曲による「さくら横ちょう」をそれぞれ歌いましたが、曲想がまったく異なり、同じ詩でも作曲家によって随分違う趣の曲になるものだな、と感心しました
二人のそれぞれの持ち味が生かされた歌だったと思います
次に藤木大地がイギリスの作曲家ジョナサン・ダヴによる1998年初演の歌劇「フライト」から「夜明けだが、まだ暗い」を主人公に成り切って熱演・熱唱しました
次いで中村恵理が再登場し、ヴェルディの歌劇「椿姫」からヴィオレッタのアリア「そはかの人か~花から花へ」をヒロインに成り切って完璧なコントロールで歌い上げましたが、これがプログラム後半のハイライトでした
最後に二人が再登場し、ヘンデルの歌劇「リナルド」からリナルドとアルミレーナの二重唱「あなたの面差しは優美に溢れ」を見事なハーモニーで歌い上げました
会場いっぱいの拍手とブラボーに、二人はアンコールにヘンデルの歌劇「ジュリアス・シーザー」から「ただあたなを見つめ」を歌い再度、拍手喝さいを浴びました
「世界が認めたふたつの声のハーモニー」というサブタイトルは「看板に偽りなし」です 私は交響曲や協奏曲などの管弦楽曲を聴くのが好きですが、聴いて感動を覚えるのはオペラをはじめとする人の声によるコンサートです
楽器を通して演奏するのでなく、演奏者自らの声を絞り出して表現するところが感動を呼ぶのだと思います
「今が旬」の二人の歌手による昨夜のコンサートは、間違いなく今年の「マイ・ベスト10」に入ってくるでしょう
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