25日(火)。わが家に来てから今日で3115日目を迎え、ウクライナ南部オデーサ州のオレフ・キぺル知事は、ロシア軍による23日未明のミサイル攻撃でユネスコの世界遺産に登録された州都オデーサの44棟の建物が被害を受け、うち25棟が歴史的建築に指定された建物であることを明らかにした というニュースを見て感想を述べるモコタロです
野蛮人プーチンにとって世界遺産など何の意味もない ウクライナを破壊尽くすだけ
昨日、夕食に大学時代の友人S君が送ってくれた「鯖を塩焼き」にして、「生野菜とアボカドのサラダ」「冷奴」「鯵のタタキ」「舞茸の味噌汁」と一緒にいただきました 鯖は脂が乗って美味しかったです
町田そのこ著「52ヘルツのクジラたち」(中公文庫)を読み終わりました 町田そのこは1980年生まれ。福岡県在住。「カメルーンの青い魚」で第15回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞 2017年に同作を含む「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」でデビュー 「52ヘルツのクジラたち」で2021年「本屋大賞」を受賞しました
「52ヘルツのクジラ」とは、同じクジラの仲間たちにも聴こえないような周波数で歌を歌う、世界で一頭しかいないクジラのことです 大海原を巨大な身体で泳ぎながらも孤独を感じているます これは不幸な境遇のもとに生まれ、傷つき、理不尽な思いを抱えながらも ひたすら懸命に生きている者たちの象徴と言えます
物語の舞台は大分県の海辺の町です 自分の人生を家族から搾取されてきた若い女性・貴瑚(きこ)は、都会から逃げるようにしてこの地にやってきます 静寂を求めていたはずなのに、地方の狭い社会ならではの監視に晒され、あらぬ噂を立てられ、違和感だらけの生活を余儀なくされます そこに自分を「ムシ」と呼ぶ一人の少年が転がり込んできます 彼は母親から虐待を受けて、舌に煙草の火を押し付けられた結果、言葉が話せないのです 辛い思いをしてきた貴瑚と少年は似た者同士だったのです 貴瑚は辛いことがあるとテープに録音したクジラの鳴き声を聴いて、自分を鼓舞してきました そして、少年にもその声を聴かせ、自分の名前を言えない彼に「52」という名前を付けます 貴瑚は52の母親に会って、虐待を責めますが、母親は「子どもは生きていく上で邪魔だ」と取り付く島がありません 貴瑚は52を連れて、彼を責任をもって育ててくれる親戚を訪ねる旅に出ます 果たして貴瑚は52を安心して預けられる人を探し出すことが出来るのでしょうか
貴瑚には美晴という親友がいますが、美晴から職場の同僚・岡田安吾(アンさん)を紹介されます アンさんは貴瑚の苦しみを全身で受け止めてくれる”大事な人”になりますが、美晴はアンさんが貴瑚のことを愛しているのに自分からは決して言い出そうとしないことにイライラしています しかし、いずれその理由がはっきりします 著者はここで極めて現代的なテーマを提示しています
本書を読み終わって思い出したのは、娘に十分な食事を与えずに入院させ、共済金をだまし取った疑いで母親が逮捕された事件です 大阪府大東市の縄田佳純容疑者(34)は娘(当時8歳)に食事を与えず入院させ、共済金6万円をだまし取った疑いを持たれています 娘に下剤を与えるなどして低血糖症にさせ、入退院を繰り返させていたとみられ、その数は5年間で43回にのぼると言われています
この8歳の娘さんも、52ヘルツの歌を歌って誰かの助けを求めていたのだと思うと胸が苦しくなります 世の中には、まだ表面に出ていないだけで、親から虐待を受けている子供たちが少なからずいると思います 子供たちの「52ヘルツの歌」を少しでも早く聴くことができるよう、周囲の人たちは注意を払い、行政はシステムを整備・拡充すべきだと思います
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