17日(水)その1。わが家に来てから507日目を迎え、狭い隙間を通り抜けて向こう側に行こうとするモコタロです
向こうに行きたいけど行けない 道路工事じゃなくて袋小路?
閑話休題
昨日は、夕食に「ビーフシチュー」と「生野菜とワカメのサラダ」を作りました 見た目はカレーライスと変わらないですね
も一度、閑話休題
昨日、神楽坂のギンレイホールで「さよなら、人類」と「人生スイッチ」の2本立てを観ました 「さよなら、人類」は2014年スウェーデン・ノルウェー・フランス・ドイツ合作映画で、第71回ヴェネチア国際映画祭 金獅子賞(グランプリ)受賞作品です
面白グッズを売り歩くパッとしない中年サラリーマン・コンビのサムとヨナタンは行く先々で様々な人生と出会う 最初のエピソードはワインの栓を抜こうとして心臓発作で死んでしまう男とそんな夫の悲劇に気が付かない妻の話
次いで、臨終の床で、宝石の入ったバッグを頑なに離そうとしない老女の話
そうかと思うと、なぜか現代のバーに立ち寄るスウェーデン国王率いる18世紀の騎馬軍の話など、何をやってもうまくいかない人たちの39のエピソードをオムニバスで映し出していきます
二人が売る面白グッズというのは「ドラキュラの牙」「笑い袋」「歯抜け爺のゴムマスク」なのですが、これがちっとも面白くない 映画を観ているわれわれ聴衆からも笑いは起こらない。みな「こんなアナクロニズムの極致を象徴するようなグッズが売れるわけがない」と思っているのです
その裏で、それを売ることに生活をかけている二人に同情させられているのです
39の小さなエピソードから成りますが、観ていて感じるのは「ブラック・ユーモア」、あるいは「不条理」です 昔 英国BBCが作った「モンティパイソン」のようでもありますが、あんな暴力的ではない
各エピソードは「だから どうしたのよ?」と言いたくなるのですが、答えがない。そういう意味でシュールです
私は、こういうの決して嫌いではありません
2本目の「人生スイッチ」は2014年アルゼンチン・スペイン合作映画です
ある日飛行機に乗ったら乗客全員がある共通の人物と関係があることが判明する まさか、こんな偶然があるのだろうか、と疑問に思っていると、飛行機が乗っ取られていることが分かる
果たして乗客の運命は・・・(おかえし)
女性がドライブインのレストランで給仕をやっていたら、昔の親の仇が立ち寄った 女主人は、復讐の絶好のチャンスだから料理に殺鼠剤を混ぜてしまえと言う
女性が知らないうちに女主人が料理に毒を盛ってしまう。女性が怖くなって男から料理を払い落とすと、男は怒る。すると女主人が包丁を持ってきて男を刺す
(おもてなし)
ノロノロ運転のボロ車を追い越すとき「邪魔なんだよ」と罵声を浴びせた数分後、自分の車がエンストで止まってしまう
タイヤ交換しているうちに、ボロ車が追い着いてきて、エンストした車の窓ガラスを割ったり屋根に上って小便をしたり、嫌がらせを始める
お互いに反撃を加えている間に、2台の車は道から外れて川に落ちる寸前まで行く。一方がガソリンに火を点けたため二人はマルコゲの死体で発見される
警察官曰く「痴情のもつれでしょうかねえ」(エンスト)
いつどこでも車がレッカー車で持っていかれる男が、最後に取った手段は車に爆発物を仕掛けておくことだった 彼は建物解体の専門家だった。彼は刑務所でヒーローになる
(ヒーローになるために)
息子が人をひき殺してしまった 父親は、使用人に罪をかぶるよう金で交渉する。弁護士も顧問料以外の特別料金を要求する。すると使用人は金額の増額を要求する
どんどん吊り上がる金額に、父親は嫌気がさし愚息に自首するように言う。結局、使用人は罪をかぶることになり、カメラのフラッシュの炊かれる外に出るが被害者の身内から頭を殴られる
(愚息)
結婚式に新郎の浮気相手が出席していることが分かり、新婦は怒って会場を出ていってしまう 屋上まで上がると料理人が慰めてくれたので、その気になってしまう。それを目撃した新郎は気分を害するが、新婦が、新郎の財産をもらうため絶対結婚して別れない、とうそぶくので吐き気を催す
しかし、会場に戻った二人は結局仲直りすることに
(ハッピー・ウェディング)
最後の「ハッピー・ウェディング」では、結婚式のパーティーで、ヨハン・シュトラウスの「美しく碧きドナウ」に合わせてワルツを踊るシーンがありました
以上6つのエピソードから成りますが、「あの時、押してはいけないスイッチを押してしまったために、とんでもないことになってしまった」という物語を描いています。この映画も「ブラック・ユーモア」を感じます
一連のエピソードを観て、一番「こんな時スイッチを入れたら大変なことになるぞ」と思ったのは、「エンスト」です。自分で蒔いた災難の種は自分に戻ってくるということです。そうしたことが、面白可笑しく学べる映画として傑作だと思います
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