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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

Netflixで1億4000万回以上視聴されたフィリップ・バランティー二監督「アドレセンス」を観る ~ 英国で殺人の罪に問われた10代の少年の姿を描いたテレビドラマ

2025年07月23日 00時01分02秒 | 日記

23日(水)。わが家に来てから今日で3844日目を迎え、トランプ米大統領はプロフットボールNFLのコマンダーズに対し、先住民を意味する従来の球団名「レッドスキンズ」に戻さない限り、新スタジアム建設を停止させる可能性があると自身の交流サイト(SNS)で警告した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

  

  トランプって 何にでも口出しして 自分の名前を後世に残そうとするよね  強権主義者の鏡だ

         

Netflixで1億4000万回以上視聴されたというスティーブン・グレアム&ジャック・ソーン脚本、フィリップ・バランティー二監督「アドレセンス」(全4話)を観ました

このドラマを観ようと思ったのは、7月20日付日経朝刊のコラム「名作コンシェルジュ ドラマ」でこの作品を絶賛していて、興味をもったからです

このドラマは近年、英国で10代によるナイフを使った死傷事件が多発していることを背景に製作がスタートした作品です タイトルの「アドレセンス(Adolescence)」は「思春期」という意味です 全4話の内訳は第1話=65分、第2話=51分、第3話=52分、第4話=60分の合計3時間48分です

ある日の早朝。郊外で暮らすある一家の自宅に武器を持った警察隊が突入し、13歳の少年ジェイミー・ミラー(オーウェン・クーパー)を殺人容疑で逮捕する ジェイミーと同じ学校の女子生徒ケイティ・レナードが駐車場で刺されて死体で発見された事件の容疑者としてだった ジェイミーは、自分は殺していないと主張するが、ルーク・バルコム警部(アシュリー・ウォルターズ)は決定的な証拠映像をジェイミーと父・エディ(スティーヴン・グレアム)に見せつける 果たしてジェイミーは本当に彼女を殺害したのか そうだとすれば動機は何か

【以下ネタバレ注意】

犯行動機が把握できない中で浮かび上がってくるのは、「80対20の法則」です これは一般的に言われる8対2の法則ではなく、「80%の女性は20%の男性に惹かれる」というもので、それは男性における「インセル=非モテ・童貞野郎」に繋がります また、「ミソジニー=女性嫌悪」や「マノスフィア=男性優位思想」という言葉も登場します つまり、ジェイミーは男性優位思想に浸る一方で「女性に興味があるが、相手にされない」という理不尽な怒りをNSNの中で募らせていくが、ケイティからは「インセル」を意味する絵文字で軽蔑されたため、殺害におよんだのです

一方、父親はジェイミーをスポーツを通して「男らしく」育ててきたつもりでしたが、ジェイミーにはそれが苦痛でした 息子は部屋に閉じこもるようになります 同じ家に住んでいながら、部屋に閉じこもってSNSの世界に没頭する息子が何を考えているのか全く分からない 父親は「きちんと育ててきたつもりなのに、息子は罪を犯した。どうすれば良かったのか」と自問しますが、もう手遅れです SNS時代の親子関係の難しさが凝縮されているように思います

さて、この作品の大きな特徴は、各話ともワンカットで撮影されているということです かつて、「カメラを止めるな」という傑作映画がありましたが、あの上を行っている撮影技術が使われています 普通のドラマでは複数のカットを編集して繋げることで筋道やテーマが鮮明になります しかし、「ワンカット」つまり1台のカメラを長回しして約1時間の間カメラを止めずに撮影するやり方は前代未聞です 途中ノンカットなので失敗が許されないため、演技する方も観る方も緊張感が半端ありません

信じられないと驚いたのは「エピソード2」のラストです いつの間にかカメラは地上を離れ空から下界を映し出しています いったいどうやって撮影したのか??? 後でネットで「裏話」を観たらドローンを使っていることが分かりました

もう一つの大きな特徴は、ジェイミー役のオーウェン・クーパー、父親エディ役のスティーヴン・グレアム(脚本も担当)、ルーク・バルコム警部役のアシュリー・ウォルターズをはじめすべての俳優の演技がリアルで、現在進行形のノンフィクションを観ているような感じがしました

この作品は、英国の議会でも話題になり、スターマー首相は英国全土の中等学校で無料視聴できるようにしたとのことです

Netflixに加入されている方は、是非ご覧ください 観る価値のある作品です


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