21日(木)。宮島未奈著「成瀬は天下を取りにいく」のヒロイン、成瀬あかりではありませんが、西武デパートの改装工事のことが気になっていました 昨日の日経朝刊に「西武池袋本店デパ地下、来月から」という見出しの小さな記事が載っていました
記事は次のように書いています
「現在大型改装中の西武池袋本店の地下食品フロアは9月から順次開業する 生ケーキの品ぞろえを拡充する
弁当に特化した売り場を新設し、百貨店で最大級の規模となる400種類の商品を扱う
約180店が2026年1月以降に出揃う
」
改装期間中の現在は、土日の夕食のための弁当を東武池袋本店で買うのが習慣になっています どうしても毎週同じような弁当になってしまうので、西武がリオープンすれば選択肢が広がるので楽しみが増えます
早く9月になってほしいと思います
ついでに、酷暑の夏はさっさと消えて、早く涼しくなってほしいと思います
話は変わりますが、新日本フルから「2026-2027シーズン 定期会員継続案内」が届きました 新シーズンの期間は2026年4月から2027年3月までの1年間です
同じ期間の会員継続案内状の送付は在京オケの中でトップバッターです
定期会員獲得競争が激しい東京首都圏のなかで、他のオーケストラに先駆けて定期演奏会の日時を周知して早めに定期会員の確保を目指す新日本フィルの”企業努力”が窺えます
「サントリーホール・シリーズ」と「トリフォニーホール・シリーズ」(共通プロ・全7回)の大きな特徴は最初(4月)と最後(2月)のコンサートに女性指揮者が登場することです また、「クラシックへの扉シリーズ」の最初(4月)も女性指揮者です
新日本フィルは大きな賭けに出ましたね
サントリー・シリーズでは6月定期のマーラー「交響曲第3番」と9月定期のブルックナー「交響曲第5番」に期待しています
一方、「扉シリーズ・全8回」の大きな特徴は国・地域をテーマにプログラムが組まれていることです 一番期待しているのは「日本」をテーマとした7月定期です
芥川也寸志、伊福部昭、吉松隆の代表的な作品が藤岡幸夫の指揮、木嶋真優のヴァイオリンで演奏されます
「ドイツ」をテーマとした10月定期では上岡敏之の指揮でワーグナー「指環」管弦楽集が演奏されます
これは面白いと思います
「北欧」をテーマとした5月定期では角野隼斗の妹・角野未来がグリーグ「ピアノ協奏曲イ短調」を演奏しますが、どんな演奏になるのでしょうか。興味深いものがあります
現在 私は①サントリーホール・シリーズと②すみだクラシックへの扉シリーズ(トリフォニーホール・金曜日)の定期会員ですが、両方とも1階センターブロック通路側席なので、両シリーズとも現在の席で継続しようと思います
ということで、わが家に来てから今日で3873日目を迎え、ラトニック米商務長官は19日、米半導体大手インテルへの出資協議を巡り、補助金(100億ドル=約1兆4800億円)を支給する見返りとして同社の株式を要求すると明らかにした というニュースを見て感想を述べるモコタロです
トランプ政権は何でも「見返り」を求めるよね 全てがディールの対象になってる
昨日は、夕食に大学時代の友人S君が送ってくれた「鯵」を塩焼きにして、「生野菜とモッツアレラチーズのサラダ」と「シメジの味噌汁」を作り、マグロの刺身と一緒にいただきました 鯵は脂がのって美味しかったです
有吉佐和子著・岡本和宣編「有吉佐和子ベスト・エッセイ」(ちくま文庫)を読み終わりました 本書はちくま文庫オリジナル・アンソロジーです
有吉佐和子は1931年、和歌山市生まれ。東京女子短期大学部英語科卒業。1956年「地唄」で芥川賞候補となり、文壇デビュー
以降、「紀の川」「華岡青洲の妻」「恍惚の人」「複合汚染」「和宮様御留」など話題作を次々と発表し続けた昭和を代表するベストセラー作家
1984年没
本書を読もうと思ったのは、先日読んだ「青い壺」があまりにも素晴らしかったので、こういう小説を書く人はどういう人生を歩んできたのかを知りたくなったからです
本書は編者により次のように分類・構成されています
Ⅰ「幸せな仕事」
Ⅱ「いとおしい時間」
Ⅲ「本を語る」
Ⅳ「世界を見る目」
編者の岡本和宣氏は「編者解説」の中で次のように書いています
「本書は56篇を4章に分けて収録した。Ⅰは文壇登場からマスコミの寵児となり、留学を経て小説に専念するに至る作家生活を語ったもの、Ⅱは身辺雑記を中心に、美的生活がうかがえるもの、Ⅲは愛読書と自作を語ったもの、Ⅳはルポルタージュをはじめ、各地をめぐり感じたもの。単行本未収録も多いが、これには理由がある 生前刊行された随筆集は1958年の『ずいひつ』1冊しかないからだ
」「25歳で芥川賞候補となり、マスコミの寵児の『才女』としてテレビ、ラジオ、雑誌で活躍したベストセラー作家にしては、あまりに少ない
」
その上で、有吉が「ずいひつ」の「あとがき」で語っている次の言葉を引用しています
「随筆というのは文字どおり、筆まかせに書いたものが本来なのでしょうが、目的を持たず、構成の苦労も払わずに書いたものを、ひとが読んで面白いと思うためには、『味』というものがなければならないと思うのですが、その意味では私の筆は、一生懸命という以外の何一つ味わいがありません 私の若い年齢は、特殊な体験を持たないためでしょうか、裏も、翳もなく、匂いも淡白で自分ながらがっかりします
それで、随筆以前と判定して『ずいひつ』と仮名書きにしていただいたわけです
」
これは鋭い自己分析だと思います というのは、有吉とほぼ同じ時代を生き、私が「随筆の神様」のように尊敬している向田邦子(1929-1981)のエッセイと比較して、まったくその通りだと思ったからです
有吉佐和子の随筆はひと言で言えば「マジメ」そのもので、ストレートです
一方、向田邦子のエッセイはどんなに短いものでも、鋭い人間観察力によって心情を捉え、男性的な小気味のよい文章で表現しています
ユーモア精神にあふれ、それでいてホロっとさせるところがあります
これは簡単なようで容易ではありません
それでも有吉佐和子は単なる女性作家ではありません 本書で何度か語られているのは幼い頃の特殊事情です
彼女は病弱であった上に、父親の仕事の関係で小学校4年生までジャバ(インドネシア)で生活していたことから、日本から取り寄せた本や、社宅にあった本ばかり読む生活を送っていたといいます
森鴎外全集、夏目漱石全集、菊池寛、吉川英治、有島武郎などは、訳も分からず小学校時代に読了したといいます
女学校に上がると、カント、ショーペンハウア、さらにマルクス・エンゲルス全集なども読んでいたが、岡本かの子を読んだことが小説家になるキッカケとなったと書いています
これらの幼少時からの読書体験が「小説家 有吉佐和子」を造り上げたと言えるでしょう
本書にはⅠ~ Ⅳのほかに、ルポルタージュ2編が収められています ①北京の料理屋と②女二人のニューギニアーですが、①では有吉が北京を訪ねた当時、中国中央楽団指揮のため北京に滞在していた指揮者・小澤征爾との会食の様子も書かれていて興味深いものがあります
周知の通り、小澤は中国で生まれ・育っています
「青い壺」に見られる美への探求心や、「女二人のニューギニア」み見られる旺盛な好奇心や行動力が、有吉佐和子の小説や随筆執筆の原動力となっています
昭和を代表する作家・有吉佐和子がどんな人生を歩んできたか、普段どんなことを考えていたのかを知るのに絶好の書籍です。お薦めします
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