人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

古典四重奏団の「ムズカシイは面白い~モーツアルトの弦楽四重奏曲」レクチャーコンサートを聴く

2014年10月27日 07時00分38秒 | 日記

27日(月)。わが家に来てから30日目を迎えたモコタロです 

 

          

          月曜の朝から良いお目覚めだよ 何かいーことあるかな?

 

  閑話休題  

 

昨日、晴海の第一生命ホールで、古典四重奏団の「ムズカシイは面白い~モーツアルトの弦楽四重奏曲」レクチャーコンサートを聴きました 今回はモーツアルトの最後の回です。プログラムは①弦楽四重奏曲第7番変ホ長調K.160「ミラノ四重奏曲」、②同第13番ニ短調K.173「ウィーン四重奏曲」、③同第20番ニ長調K.499「ホフマイスター」、④同第19番ハ長調K.465「不協和音」です

 

          

 

自席は1階5列13番、センターブロック左通路側です。会場はいつもと同じで寂しい入りです。いつももったいないと思いながら聴いています

今回のレクチャープログラムは「ミューズへの反逆」。古典四重奏団のメンバーが登場します。第1ヴァイオリン=川原千真、第2ヴァイオリン=花崎淳生、ヴィオラ=三輪真樹、チェロ=田崎瑞穂です 彼らは1986年に東京藝大と大学院の卒業生によって結成され、すべてのコンサートを暗譜で演奏するという離れ業を披露して名を馳せています

最初に、モーツアルトのオペラ「ドン・ジョヴァンニ」K.527の序曲とフィナーレ直前の地獄落ちの場面が、弦楽四重奏版で演奏されます そして、早速チェロの田崎氏のレクチャーが始まります

「モーツアルトは、父親への手紙にも書いているように『音楽は美しくなければならない』と考えていました この序曲の”地獄落ち”の場面は最も恐ろしい音楽であるはずですが、モーツアルトはあくまでも美しい音楽を書きました

次いで、モーツアルトの弦楽四重奏曲第6番K.465"不協和音”の第1楽章冒頭部分を演奏して、レクチャーに入ります

「モーツアルトと同じ時代に生きていて、彼の音楽に慣れている人がこの冒頭の音楽を聴いたら『いったい、モーツアルトはどうなってしまったのか?』と訝しんだでしょう それまでの調和のと取れていた音楽から一転、不協和音が鳴っていたからです

次にピアノのための”ファンタジア”ハ短調K.475を演奏し、レクチャーに入ります

「この曲を作曲者名を隠して演奏したら、きっと作者はベートーヴェンだと答えるでしょう

確かに、暗く冥想的な感触はモーツアルトというよりもベートーヴェンに相応しい曲想と言えるでしょう

次いで、弦楽四重奏曲第20番の第1楽章の冒頭を演奏してレクチャーをします

「この曲の冒頭は論理的にアンバランスです。同じテーマを4回も繰り返しています しかし、今までの音楽から外れた”夢のような”曲想です。これはロマン派に通じるところがあります

そして最後に、リート「別れの歌」を弦楽四重奏で演奏しました 解説のように、極めてシューベルト的です。歌で聴いても良いのですが、弦楽四重奏で聴いてみたら新鮮でした

ここで10分間の休憩があり、弦楽四重奏曲第7番が演奏されました。レクチャーの時と違い、彼らの前には譜面台がありません すべて暗譜で演奏します。この曲はモーツアルトが17歳の時の曲です。第1楽章を聴くと、弦楽四重奏曲と言うよりはディベルティメント(喜遊曲)と呼んだ方が相応しいような明るく伸び伸びした曲です

次いで、同じ17歳の時に作曲した第13番が演奏されました。この曲は、23曲の弦楽四重奏曲の中でたった2曲の短調の作品の一つです もちろんもう一つは第15番「ハイドン四重奏曲第2番」K.421です。モーツアルトの短調の作品特有の”疾走する哀しみ”に溢れた作品です

3曲目はモーツアルトが30歳の時に作曲された第20番K.499です。事前にレクチャーで知識を得ていたので、なるほど、と思いながら聴いていました

 

          

 

2回目の休憩が15分間あり、最後は第19番K.465です。この曲もレクチャーで聴いていたので理解が深まりました 冒頭、チェロ→ヴィオラ→第2ヴァイオリン→第1ヴァイオリンとテーマが受け継がれていきますが、当時では考えられない和音で書かれていたため、出版の際に訂正されたり、批判の的になったりしたようです

不協和音が終わり、一転して明るい曲想が姿を現しますが、この場面は、暗い雲間が裂けて、明るい日光が差しこんできた時のような爽快感を感じます 音楽の先駆者は不協和音で音楽の壁をぶち破り、すぐに調和の取れた和音で聴衆を納得させたのだと思います

これでモーツアルトのレクチャーコンサートは終わりです。プログラムで来年の予定を見ると「ムズカシイはおもしろい!!」シリーズは、10月4日にスメタナとヤナーチェクを、10月31日にブラームスの第1,2,3番の四重奏曲を取り上げることになっています。今から楽しみです

 

   も一度、閑話休題  

 

第一生命ホールにHJリムのピアノ・リサイタルのチラシが置いてありました カラー・チラシやっと出来たか、という感じです 何でもっと早く手配できないのかね 皆さん、11月22日(土)午後2時から第一生命ホールで開かれるのはオール・ベートーヴェン・プログラムです。これは必聴です チラシに踊る「疾風怒濤のベートーヴェン。」はウソではありません。現代のベートーヴェン演奏の最前線はここにあります

12月12日(金)午後7時から銀座のヤマハホールで開かれるのはバッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻です。誠に残念ながら私はフォーレ・クァルテットのコンサートを聴きに行くので、行けません。とても悔しいです 代わりに行ってください。お願いします

 

          

 

          

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