人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「普門館」解体へ~カラヤン+ベルリン・フィルを聴いた巨大講堂 / 石井裕也監督「夜空はいつでも最高密度の青色だ」を観る~ギンレイホール

2018年03月23日 07時44分09秒 | 日記

23日(金)。息子が無事に大学院修士課程を修了し、4月から約1週間の研修を経て地方勤務になったので、昨夕 大塚のフレンチ・レストラン「ウーベルチュール」で家族による祝賀会兼壮行会をやりました 料理もワインもとても美味しく、ワインを含めて税込み1人5,500円というのが信じられないくらいのコスパでした また是非 利用してみたいと思います

 

     

 

     

 

     

 

     

 

     

 

ということで、わが家に来てから今日で1269日目を迎え、米マイアミで行われたテニス女子シングルス BNPパリバ・オープンで、大坂なおみが1回戦で元世界ランキング1位のセリーナ・ウィリアムズに6-3、6-2で快勝した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     大坂にあやかって今年は阪神タイガースの活躍を期待したい えっ大阪違いだって?

 

         

 

昨日の朝日夕刊・社会面に「さよなら『吹奏楽の聖地』 普門館 今冬にも解体」という見出しの記事が載っていました。超訳すると

「『吹奏楽の聖地』として長年親しまれた普門館(杉並区)が今年の冬にも解体される 所有する宗教法人『立正佼成会』が22日午後発表する。耐震性の問題からホールの使用を中止して約6年が経過した。普門館は1970年に完成し、72年に全日本吹奏楽コンクールの会場として初めて使われた 5千人を収容できる規模の大きさから開催地として定着し、77年以降はおもに中学校、高校の部が開かれ、ファンから『吹奏楽の甲子園』と呼ばれた。巨匠カラヤンとベルリン・フィルがベートーヴェンの『第九交響曲』を公演したことでも知られる

手許にあるチケットにこう印刷されています

「ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1979年10月16日(火)7時 普門館 1階28列右16番」

自分の手書きのメモで「モーツアルト『交響曲第39番』、リヒャルト・シュトラウス『ツァラトゥストラはかく語りき』。A席15,000円」と書かれています

巨大な講堂でした。自席は大きな円柱の陰で、カラヤンが遠く これでA席15,000円か と驚いたのを覚えています あまりにも どでかい会場で、音が頭の上をスース―通り越していく感じがしました   しかも、「ツァラトゥストラ」はパイプオルガンの代わりにテクニクスの電子オルガンを使用していて、これには度肝を抜かれました  カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏を生で聴いたのはこれが最初で最後でしたが、心底ガッカリしました 会場が普門館だからといって、不問に伏すことはできないと思ったものです

 

        

 

昨日、神楽坂のギンレイホールで「夜空はいつでも最高密度の青色だ」を観ました これは石井裕也監督・脚本による2017年製作映画(108分)です。この映画は2017年第91回キネマ旬報ベスト・テン日本映画第1位という触れ込みだったので観ることにしたものです

看護師として勤務する傍ら、夜はガールズバーで働く美香(石橋静河)と、建設現場で日雇い労働者として働く慎二(池松壮亮)は、ある日、仲間と一緒に行った美香のバイト先のバーで出会う 二人はお互いに、排他的な東京での生活に不安や孤独を感じながら暮らしていた 美香は最初 慎二の同僚・智之(松田龍平)と付き合っていたが、彼は突然心筋梗塞で死んでしまう そんな中、慎二と美香はお互いに不器用ながら心を通わせて生きていく

 

     

 

この映画を観終わって思うのは「生と死」です。二人の主人公の背景には常に死の影があります 看護士として働く美香は、日常的に病死していく患者に接しており、母親を自殺で亡くしています 一方の慎二は同僚の智之を失い、本を貸してくれる親切なアパートの隣人が熱中症で死んでいるのを目の当たりにします 二人とも大都会のど真ん中で「明日は何が起こるか分からない」という不安を抱きながら毎日をやり過ごしているのです

映画の冒頭近く、原作者の最果タヒの詩集「夜空はいつでも最高密度の青色だ」から「青色の詩」がナレーションで流れます

「都会を好きになった瞬間、自殺したようなものだよ。塗った爪の色を、きみの内側に探したってみつかりやしない。夜空はいつでも最高密度の青色だ。きみがかわいそうだと思っているきみ自身を、誰も愛さない間、きみはきっと世界を嫌いでいい。そしてだからこそ、この星に、恋愛なんてものはない」

この詩をどのように解釈すればいいのか 私には分かりませんが、この映画では、1000万人もの人がひしめく東京で、不器用な者同士が わずかな希望を求めながら懸命に生きていこうとする姿が描かれていると思います

また、慎二の同僚・岩下(田中哲司)は きつい肉体労働に体を崩して働けなくなり 解雇されてしまいますが、「これからどうするの?」という慎二の心配に「死ぬまで生きるさ」と答えて去っていきます こういう人は現実には いくらでも存在しているのではないか、と思います。ここにも死の影が差していて、彼に希望はあるのか? と心配になってきます この映画は、そんな現実も描いています

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