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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

高関健 ✕ 阪田知樹 ✕ 東京シティ・フィルでベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番」、同:序曲「コリオラン」、チャイコフスキー「くるみ割り人形」第2幕を聴く

2025年03月21日 00時05分04秒 | 日記

21日(金)。わが家に来てから今日で3720日目を迎え、ロイター通信が入手したホワイトハウスの文書によると、トランプ米大統領は20日、教育省廃止に向けて大統領令に署名する見通しである  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     国の基本は教育だと思うんだけど トランプには国民が賢くなるのは困るみたいだ

         

昨日、夕食に「鶏のクリームシチュー」と「生野菜とアボカドと生ハムのサラダ」を作りました シチューにはチーズを乗せましたが、とても美味しかったです どうでもいいけど、またワイン飲んでるし

         

昨日、ティアラこうとう大ホールで東京シティ・フィル「第80回ティアラこうとう定期演奏会」を聴きました プログラムは①ベートーヴェン:序曲「コリオラン」ハ短調 作品62、②「ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73 ”皇帝”」、③チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形  作品71」より第2幕(全曲)です    演奏は②のピアノ独奏=阪田知樹、指揮=常任指揮者・高関健です

オケは12型で 左から第1ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、第2ヴァイオリン、その後ろにコントラバスという対抗配置   コンマスは特別客演コンサートマスターの荒井英治です

1曲目はベートーヴェン:序曲「コリオラン」ハ短調 作品62です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1807年に作曲、同年ウィーンで初演されました なお、序曲といってもオペラの序曲ではなく、演奏会用に作曲された単独の作品で、「交響曲第5番 ハ短調 ”運命”」と同じ「アレグロ・コン・ブリオ ハ短調」です

高関氏は開演前のプレトークで、この曲の思い出を次のように語りました

「(1977年のカラヤン指揮者コンクール・ジャパンで優勝したが) コンクール優勝のご褒美としてベルリン・フィルのコンサートで前座として1曲、指揮できることになっていた その時『序曲 コリオラン』を指揮することになったが、リハーサルでタクトを振り下ろしてもオケからすぐには音が出てこず、何度やっても音が遅れて出てくる それを見ていたカラヤンが『そんなに振りかぶって指揮したら音が遅れるに決まっている。もっと低い位置からタクトを振り下ろしてみろ』とアドヴァイスをくれた その通りにやってみると、思い通りのタイミングで音が出てきた これは(桐朋学園で齋藤秀雄先生から教わった)”斎藤メソッド”に反する指揮法だった その時から私は斎藤先生の良い弟子ではなくなった 今日はカラヤンに教わったやり方で指揮をします

このように、高関氏のプレトークは、時に全く知らなかったエピソードが披瀝されるので聞き逃せません

高関の指揮で、冒頭の動機が力強く演奏され、最後まで緊張感に満ちた演奏が展開しました

2曲目はベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73 ”皇帝”」です この曲は1809年に作曲、1811年1月13日にウィーンのロブコヴィッツ邸で私的に初演された後、1812年2月15日にウィーンで公的初演されました 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ・ウン・ポーコ・モッソ」、第3楽章「ロンド:アレグロ」の3楽章から成ります

ピアノ独奏の阪田知樹は2016年フランツ・リスト国際ピアノコンクール第1位、2021年エリザベート王妃国際音楽コンクールピアノ部門第4位入賞。国内外のオーケストラと共演を重ねる。現在、ハノーファー音楽演劇大学院ソリスト課程に在籍中

高関の指揮で第1楽章がオーケストラの主和音の力強い演奏で開始され、阪田のソロがカデンツァ風のスケールの大きな演奏を繰り広げます 阪田はこの演奏で一気に聴衆の心を惹き付けます 彼のピアノは明晰そのもので、一音一音がくっきりと浮かび上がります その美点が最も生きたのは第2楽章でした 阪田のピアノは音色がとても美しく、とくに高音部の輝きは比類のない美しさを湛えています 第3楽章は一転、躍動感あふれる演奏が展開します 高関 ✕ シティ・フィルとの丁々発止のやり取りにより、堂々たるフィナーレを飾りました

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返されました 阪田はアンコールにラフマニノフ(阪田編)「ここは素晴らしい場所」をリリカルかつロマンティックに演奏、再び大きな拍手に包まれました

阪田知樹はリストはもちろん、ラフマニノフもいいし、今回のベートーヴェンも良かった 何を弾いても素晴らしいピアニストです

プログラム後半はチャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形  作品71」より第2幕(全曲)です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)がマリインスキー劇場の依頼により1891年から翌92年にかけて作曲、1892年にペテルブルクで初演されました 音楽評論家・萩谷由喜子さんのプログラム・ノートによると、マリインスキー劇場がチャイコフスキーに依頼したのはオペラ「イヨランタ」とバレエ「くるみ割り人形」の2作で、同劇場は一晩にオペラとバレエを2本立てで上演しようと意図していたとのことです 「イヨランタ」は1幕物の短いオペラですが、「くるみ割り人形」とのカップリングで上演すれば全体で3時間以上かかるのではないかと思います すごい2本立てです

バレエ「くるみ割り人形」は第1幕(序曲から第9曲まで)、第2幕(第10曲から第15曲まで)から構成されています この日演奏される「第2幕」は次の通りです

第10曲「情景」:お菓子の国の魔法の城

第11曲「情景」:クララと王子の登場

第12曲「ディヴェルティスマン」(バレエの本筋とは関係なく挿入されるショー的な踊り)

 ①チョコレートの精によるスペインの踊り

 ②コーヒーの精によるアラビアの踊り

 ③お茶の精による中国の踊り

 ④トレパック(ロシアの踊り)

 ⑤葦笛の踊り

 ⑥ジゴーニュ小母さんと道化たち

第13曲「花のワルツ」

第14曲「パ・ド・ドゥ」:金平糖の精と王子のパ・ド・ドゥ

第15曲「終幕のワルツとアポテオーズ(大団円)」

高関の指揮で演奏に入りますが、第10曲「情景」から第12曲「①スペインの踊り」まで続けて演奏しました 「スペインの踊り」での松木亜希のトランペット・ソロが異国情緒豊かで素晴らしい演奏でした ②「アラビアの踊り」では本多啓佑のオーボエが冴えていました ③「中国の踊り」ではフルートによるコミカルな演奏が印象的でした ④「ロシアの踊り」では弦楽セクションの繊細な演奏が素晴らしかった ⑤「葦笛の踊り」では低弦のピッツィカートに乗せて奏でられるフルート3本の演奏が新鮮に響きました 第13曲「花のワルツ」では2台のハープの華麗な演奏が素晴らしかった また、谷あかね率いるホルン・セクションの演奏が冴えていました 第14曲「金平糖の精の踊り」ではチェレスタのオルゴールのような音色が美しく響きました 第15曲「終幕のワルツ」では、オーケストラの総力を挙げての演奏で華麗なフィナーレを飾りました

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返されました

高関氏は本番前のプレトークで、「『くるみ割り人形』を指揮するのは、以前、日本フィルの子供向けのコンサートで抜粋を演奏したことがあるくらいで、あとは記憶にありません 第2幕全曲を演奏するのは今回が初めてです 演奏がまずかったら、すべての責任は私にあります」と語っていましたが、どうしてどうして素晴らしい演奏で、十分楽しませていただきました

終演後 外に出ると、東京シティ・フィル自慢のオケ・トラがお見送りしてくれました

コメント
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