21日(金)。わが家に来てから今日で3720日目を迎え、ロイター通信が入手したホワイトハウスの文書によると、トランプ米大統領は20日、教育省廃止に向けて大統領令に署名する見通しである というニュースを見て感想を述べるモコタロです
国の基本は教育だと思うんだけど トランプには国民が賢くなるのは困るみたいだ
昨日、夕食に「鶏のクリームシチュー」と「生野菜とアボカドと生ハムのサラダ」を作りました シチューにはチーズを乗せましたが、とても美味しかったです
どうでもいいけど、またワイン飲んでるし
昨日、ティアラこうとう大ホールで東京シティ・フィル「第80回ティアラこうとう定期演奏会」を聴きました プログラムは①ベートーヴェン:序曲「コリオラン」ハ短調 作品62、②「ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73 ”皇帝”」、③チャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形 作品71」より第2幕(全曲)です
演奏は②のピアノ独奏=阪田知樹、指揮=常任指揮者・高関健です
オケは12型で 左から第1ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、第2ヴァイオリン、その後ろにコントラバスという対抗配置 コンマスは特別客演コンサートマスターの荒井英治です
1曲目はベートーヴェン:序曲「コリオラン」ハ短調 作品62です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1807年に作曲、同年ウィーンで初演されました
なお、序曲といってもオペラの序曲ではなく、演奏会用に作曲された単独の作品で、「交響曲第5番 ハ短調 ”運命”」と同じ「アレグロ・コン・ブリオ ハ短調」です
高関氏は開演前のプレトークで、この曲の思い出を次のように語りました
「(1977年のカラヤン指揮者コンクール・ジャパンで優勝したが) コンクール優勝のご褒美としてベルリン・フィルのコンサートで前座として1曲、指揮できることになっていた その時『序曲 コリオラン』を指揮することになったが、リハーサルでタクトを振り下ろしてもオケからすぐには音が出てこず、何度やっても音が遅れて出てくる
それを見ていたカラヤンが『そんなに振りかぶって指揮したら音が遅れるに決まっている。もっと低い位置からタクトを振り下ろしてみろ』とアドヴァイスをくれた
その通りにやってみると、思い通りのタイミングで音が出てきた
これは(桐朋学園で齋藤秀雄先生から教わった)”斎藤メソッド”に反する指揮法だった
その時から私は斎藤先生の良い弟子ではなくなった
今日はカラヤンに教わったやり方で指揮をします
」
このように、高関氏のプレトークは、時に全く知らなかったエピソードが披瀝されるので聞き逃せません
高関の指揮で、冒頭の動機が力強く演奏され、最後まで緊張感に満ちた演奏が展開しました
2曲目はベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73 ”皇帝”」です この曲は1809年に作曲、1811年1月13日にウィーンのロブコヴィッツ邸で私的に初演された後、1812年2月15日にウィーンで公的初演されました
第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ・ウン・ポーコ・モッソ」、第3楽章「ロンド:アレグロ」の3楽章から成ります
ピアノ独奏の阪田知樹は2016年フランツ・リスト国際ピアノコンクール第1位、2021年エリザベート王妃国際音楽コンクールピアノ部門第4位入賞。国内外のオーケストラと共演を重ねる。現在、ハノーファー音楽演劇大学院ソリスト課程に在籍中
高関の指揮で第1楽章がオーケストラの主和音の力強い演奏で開始され、阪田のソロがカデンツァ風のスケールの大きな演奏を繰り広げます 阪田はこの演奏で一気に聴衆の心を惹き付けます
彼のピアノは明晰そのもので、一音一音がくっきりと浮かび上がります
その美点が最も生きたのは第2楽章でした
阪田のピアノは音色がとても美しく、とくに高音部の輝きは比類のない美しさを湛えています
第3楽章は一転、躍動感あふれる演奏が展開します
高関 ✕ シティ・フィルとの丁々発止のやり取りにより、堂々たるフィナーレを飾りました
満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返されました 阪田はアンコールにラフマニノフ(阪田編)「ここは素晴らしい場所」をリリカルかつロマンティックに演奏、再び大きな拍手に包まれました
阪田知樹はリストはもちろん、ラフマニノフもいいし、今回のベートーヴェンも良かった 何を弾いても素晴らしいピアニストです
プログラム後半はチャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形 作品71」より第2幕(全曲)です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)がマリインスキー劇場の依頼により1891年から翌92年にかけて作曲、1892年にペテルブルクで初演されました
音楽評論家・萩谷由喜子さんのプログラム・ノートによると、マリインスキー劇場がチャイコフスキーに依頼したのはオペラ「イヨランタ」とバレエ「くるみ割り人形」の2作で、同劇場は一晩にオペラとバレエを2本立てで上演しようと意図していたとのことです
「イヨランタ」は1幕物の短いオペラですが、「くるみ割り人形」とのカップリングで上演すれば全体で3時間以上かかるのではないかと思います
すごい2本立てです
バレエ「くるみ割り人形」は第1幕(序曲から第9曲まで)、第2幕(第10曲から第15曲まで)から構成されています この日演奏される「第2幕」は次の通りです
第10曲「情景」:お菓子の国の魔法の城
第11曲「情景」:クララと王子の登場
第12曲「ディヴェルティスマン」(バレエの本筋とは関係なく挿入されるショー的な踊り)
①チョコレートの精によるスペインの踊り
②コーヒーの精によるアラビアの踊り
③お茶の精による中国の踊り
④トレパック(ロシアの踊り)
⑤葦笛の踊り
⑥ジゴーニュ小母さんと道化たち
第13曲「花のワルツ」
第14曲「パ・ド・ドゥ」:金平糖の精と王子のパ・ド・ドゥ
第15曲「終幕のワルツとアポテオーズ(大団円)」
高関の指揮で演奏に入りますが、第10曲「情景」から第12曲「①スペインの踊り」まで続けて演奏しました 「スペインの踊り」での松木亜希のトランペット・ソロが異国情緒豊かで素晴らしい演奏でした
②「アラビアの踊り」では本多啓佑のオーボエが冴えていました
③「中国の踊り」ではフルートによるコミカルな演奏が印象的でした
④「ロシアの踊り」では弦楽セクションの繊細な演奏が素晴らしかった
⑤「葦笛の踊り」では低弦のピッツィカートに乗せて奏でられるフルート3本の演奏が新鮮に響きました
第13曲「花のワルツ」では2台のハープの華麗な演奏が素晴らしかった
また、谷あかね率いるホルン・セクションの演奏が冴えていました
第14曲「金平糖の精の踊り」ではチェレスタのオルゴールのような音色が美しく響きました
第15曲「終幕のワルツ」では、オーケストラの総力を挙げての演奏で華麗なフィナーレを飾りました
満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返されました
高関氏は本番前のプレトークで、「『くるみ割り人形』を指揮するのは、以前、日本フィルの子供向けのコンサートで抜粋を演奏したことがあるくらいで、あとは記憶にありません 第2幕全曲を演奏するのは今回が初めてです
演奏がまずかったら、すべての責任は私にあります
」と語っていましたが、どうしてどうして素晴らしい演奏で、十分楽しませていただきました
終演後 外に出ると、東京シティ・フィル自慢のオケ・トラがお見送りしてくれました