人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ジョナサン・ノット✕東京交響楽団でチャイコフスキー「交響曲第3番」&「交響曲第4番」を聴く ~ フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2023 オープニングコンサート

2023年07月23日 00時01分27秒 | 日記

23日(日)。わが家に来てから今日で3113日目を迎え、ロシアのプーチン政権によるウクライナ侵攻の停滞ぶりを批判してきた強硬主義派のイーゴリ・ギルギン被告(53)が21日、モスクワ市内の自宅で拘束され、市内の裁判所に出廷したが、最長で5年の禁固刑を科せられる可能性がある  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     プーチンも大変だねぇ 国連からは卑怯と言われ 国内からは手ぬるいと批判される

 

         

 

宮城県白石市に単身赴任している息子にすき焼き用の牛肉を送ったら、「カルパッチョを作ってみた」というメールとともに写真が送られてきました わが家で料理が一番上手なのは息子であることを再認識させられました

 

     

 

         

 

今年も「フェスタサマーミューザ KAWASAKI」の熱い夏がやってきました 今年は7月22日から8月11日までの間、ミューザ川崎シンフォニーホールを中心に19公演が開催されます 昨日はミューザ川崎のフランチャイズ・オーケストラ、東京交響楽団によるオープニングコンサートが開かれました プログラムは①チャイコフスキー「交響曲第3番 ニ長調 "ポーランド” 作品29」、②同「交響曲第4番 ヘ短調 作品36」です 指揮は東響第3代音楽監督 ジョナサン・ノットです 早いもので、ノットは音楽監督として今年10年目を迎えたそうです

ミューザのサイネージには「完売御礼」が表示されています オープニング・コンサートで、ノットがチャイコフスキーに初挑戦するというレアな公演ですから当然と言えば当然でしょう

 

     

     

オケは14型で、左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置をとります コンマスはグレブ・ニキティンです

1曲目はチャイコフスキー「交響曲第3番 ニ長調 "ポーランド” 作品29」です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)が1875年に作曲、同年モスクワで初演されました 第5楽章が「ポロネーズのテンポで」とあるため、イギリスで演奏されたときに「ポーランド」という愛称が付けられました 第1楽章「モデラート・アッサイ~アレグロ・ブリランテ」、第2楽章「アラ・テデスカ(ドイツ風に):アレグロ・モデラート・エ・センプリーチェ」、第3楽章「アンダンテ・エレジアコ」、第4楽章「スケルツォ:アレグロ・ヴィーヴォ」、第5楽章「フィナーレ:アレグロ・コン・フォーコ」の5楽章から成ります

この曲は馴染みが薄いのでナクソスのCDで予習し、メロディーを頭に叩き込んでおきました

ノットの指揮で第1楽章に入りますが、若干抑え気味という印象を受けます 第2楽章はワルツです 相澤政宏のフルート、荒絵理子のオーボエが素晴らしい 第3楽章は福士マリ子のファゴットが冴えています ホルンの独奏も素晴らしい 弦楽セクションの美しいアンサンブルを聴くと、メロディーメーカーとしてのチャイコフスキーの素晴らしさを再認識します 曲想で面白かったのは第4楽章です 速いパッセージによるきめ細かい演奏は、メンデルスゾーンの「夏の夜の夢」における妖精の飛翔を、あるいは「弦楽八重奏曲」のスケルツォを思い浮かべます 実に楽しい演奏でした 第5楽章では弦楽セクションが対抗配置をとっているメリットが生かされ、美しいアンサンブルを繰り広げました 最後はチャイコフスキーらしい、終わりそうで終わらない雄大な演奏が展開し、輝かしいフィナーレを飾りました

演奏が終わって振り返ってみると、ノットは楽章と楽章の間を十分に空けて、次の楽章に移っていたのが印象的でした

 

     

 

プログラム後半はチャイコフスキー「交響曲第4番 ヘ短調 作品36」です この曲は1877年から78年にかけて作曲、1878年にモスクワで初演され、彼の経済的支援者ナジェージダ・フォン・メック夫人に献呈されました 2人は生涯に700通以上もの手紙を交わしながら、一度も会いませんでした メック夫人は「お金は出すが、口は出さない」というパトロネスの鏡のような存在だったようですが、編曲の仕事を通じてチャイコフスキーの才能を見抜いていたのでしょう 第1楽章「アンダンテ・ソステヌート ~ モデラート・コン・アニマ」、第2楽章「アンダンティーノ・イン・モード・ディ・カンツォーナ」、第3楽章「スケルツォ:ピッツィカート・オスティナート」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・コン・フォーコ」の4楽章から成ります

ノットの指揮で第1楽章に入ります 冒頭のファンファーレを聴いて、若干抑制気味だと思いました 金管を鋭角的に押し出して力強さを表現するというよりも、ソフトに包むように、あくまで美しさを第一に押し出して演奏しました そして、木管に歌わせる箇所ではテンポを落として存分に歌わせます オーボエ、フルート、ファゴットの演奏が素晴らしい フィナーレに向けてのテンポアップはノットならではのアグレッシブな姿勢が反映していました 第2楽章では、冒頭の荒絵理子のオーボエの抒情的な演奏が素晴らしい 弦楽セクションの美しいアンサンブルが会場を満たします 第3楽章はピッツィカートによる軽快な演奏が小気味よく響きました 第4楽章はシンバルの一撃で開始され、徐々にテンポアップしてオケ総動員によるアグレッシブな演奏が展開します ここまでくると「抑制」と言う言葉はありません そこにあるのは「熱狂」であり「歓喜」であり「勝利」です

ノットの指揮による演奏は、いわゆる”ロシア的な”パワーで押し切るようなタイプとは一線を画すものですが、そうかと言って、爆発すべきところは爆発します あくまでも理知的なバランス感覚が働いた音楽づくりに徹していると思います

満場の拍手とブラボーが飛び交い、カーテンコールが繰り返されます ノットは木管、金管、打楽器、弦楽器を立たせて賞賛を求めますが、この日の演奏が東響最後となる首席トランペット・佐藤友紀氏にはひと際大きな拍手が送られました

この日の演奏を踏まえて、ノットは今後チャイコフスキー「交響曲第5番」と「同 第6番”悲愴”」を演奏するつもりがあるのだろうか・・・そんなことを考えながら会場を後にしました

 

     

     

     

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