人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「中国国家大劇院 オペラ・オン・スクリーン」でレハール「メリー・ウィドウ」を観る ~ 新国立劇場「中劇場」 / 矢野顕子「やりたいことをやり続けたら、周りがあきらめてくれるのよ」

2022年11月09日 07時06分52秒 | 日記

9日(水)。昨日の朝日朝刊第1面のコラム「折々のことば」で、シンガーソングライター矢野顕子さんの「やりたいことをやり続けたら、周りがあきらめてくれるのよ」を取り上げていました 鷲田清一氏の解説は次の通りです

「俳優(創作あーちすと)の のんは、このミュージシャンの歌声や曲、人としての圧倒的な存在感に魅せられてきた ついに対談の機会を得た時、どうしたらしたいことを貫けるのか訊ねると、こんな答えが返ってきたという 人を説得しようと思わず したいことに集中していれば、人は唖然としてそれをスタイルと認める インタビュー『一語一会』(本紙10月27日夕刊)から」

時代の流行や周囲の言動に惑わされず、自分のしたいことを自分のやり方で、途中で諦めずに追求していけば、人は「あの人は、ああいう人なんだ」と認めざるを得なくなる 矢野さんの言葉を自分流に解釈すれば、「他人の真似をしないで自分のやり方を貫くこと」が大切であり、ひいては「継続は力なり」を認識することが肝要であるということだと思います このブログには滅多にコメントが寄せられないので、どういう風に読まれているのかさっぱり分からず、毎日 途方に暮れながら書いていますが、これからも毎日休むことなくコツコツ続けていこうと思っています

ということで、わが家に来てから今日で2858日目を迎え、米ツイッターを買収した起業家のイーロン・マスク氏は7日、8日投開票の米中間選挙で米野党・共和党に投票するよう同社のSNSで無党派層に呼び掛けたが、同氏は買収契約を結んだ4月末時点に ツイッターは政治的な中立性を保つべきだと表明していた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     言論の自由に規制を設けないというのが彼の方針だが  前言を覆すのも自由なのね

 

         

 

昨日、夕食に「タンドリーチキン」と「生野菜とアボカドのサラダ」を作りました あとは市販の「バターチキンカレー」と「ナン」です。最近カレー系の料理が多いとお思いかもしれませんが、気のせいです

 

     

 

         

 

昨夜、新国立劇場(中劇場)で新国立劇場主催  日中オペラ映像交換上映会「中国国家大劇院 オペラ・オン・スクリーン」のうちレハール「メリー・ウィドウ」を観ました これは2017年1月21日に天安門広場にある「中国国家大劇院」で上演されたオペラ公演のライブ録画です この企画は日中国交正常化50周年となる2022年を記念して、新国立劇場と北京の中国国家大劇院のオペラ映像を交換し、互いの劇場で上映会を行うものです 新国立劇場の作品は、「カルメン」を今年11月21日に、「チェネレントラ」を11月28日に、それぞれ中国のコンサートホールで上映することになっているそうです。今回の「メリー・ウィドウ」はWEBサイトからの事前申し込みにより観劇することが出来ました

キャストは、ハンナ=エレーナ・ロッシ、ダニロ=ポール・アルミン・エーデルマン、ヴァランシエンヌ=マリア・ムドリャク、カミーユ=パオロ・ファナーレ他。合唱=中国国家大劇院合唱団、管弦楽=中国国家大劇院管弦楽団、指揮=トーマス・レスナー、演出・美術・衣裳=ウーゴ・デ・アナです

自由席なので、センターブロック14列33番、左通路側席を押さえました 会場の中劇場はほぼ半分くらいは埋まっているでしょうか

上映に先立ち、新国立劇場理事長・銭谷眞美氏と中国大使館文化担当者から、この企画をこれからも続けていきたい旨の挨拶がありました

 

     

 

オペレッタ「メリー・ウィドウ」はフランツ・レハール(1870ー1948)が1905年12月30日、レハール自身の指揮によりアン・デア・ウィーン劇場で初演されました 初演は大成功裏に終わり、以後500回以上も連続上演されるほど大ヒット作となり、レハールは一躍人気作曲家になりました

「メリー・ウィドウ」は日本語では「陽気な未亡人」と訳されていますが、映像上の中国語のタイトルは「風流寡婦」となっていて、なるほどと感心しました

ポンテヴェドロ(モンテネグロのもじり:架空の公国)国王の誕生記念パーティーが、パリの公史公邸で開かれている 主催者のツェータ男爵は、未亡人になったばかりのハンナがパリの男になびき、莫大な遺産がポンテヴェドロからフランスに流出するのを恐れ、書記官のダニロ(昔ハンナと恋仲だった)に「国を守るためハンナと結婚せよ」と指令する 一方、男爵の妻ヴァランシエンヌは、パリの伊達男カミーユから熱烈な求愛を受けているが、夫は気づかない 主役のハンナが登場すると、男たちは夢中になってダンスを申し込むが、財産目当てと知るハンナは不機嫌になる(以上 第1幕)

ハンナはパリの別邸でパーティーを催す 前夜の参列者たちをもてなし、『ヴィリアの歌』で恋の魔法について歌う ヴァランシエンヌはカミーユの誘惑に負け、庭の小屋の中で忍び合うが、その様子を覗き見てしまったツェータ男爵は腰を抜かす 機転を利かせたハンナはヴァランシエンヌとうまく入れ替わり、危機を救うが、成り行き上、自分とカミーユは婚約するのだと公言してしまい、ダニロは大いに動揺する(以上 第2幕)

ダニロはハンナの結婚を阻止しようとし、ハンナはダニロが自分を愛していることを知る それでもダニロは財産目当てと思われたくないためハンナに求婚しない そこでハンナは『再婚すればハンナは全財産を失う』と亡き夫の遺言を読み上げる 即座に求婚するダニロに、ハンナは求婚を受け『ハンナの失った全財産は、再婚相手に与える』と遺言の続きを読み上げる(以上 第3幕)

 

     

 

主役級の歌手陣はいずれも迫力のある歌唱力で、終始聴衆を魅了していました

ハンナを歌ったエレーナ・ロッシはイタリアを中心に活躍しているソプラノですが、第2幕の『ヴィリアの歌』をはじめ美しくも力のある歌唱で説得力がありました

ダニロを歌ったポール・アルミン・エーデルマンはオーストリア出身のバリトンですが、歌唱力・演技力ともに迫力があり、女性にもてるダニロそのものでした

ハンナとダニロの「唇は語らずとも」の二重唱も素晴らしかった

ヴァランシエンヌを歌ったマリア・ムドリャクは主役のハンナも務まるのではないかと思えるほどの存在感で、歌に踊りに大活躍でした

カミーユを歌ったパオロ・ファナーレは声の良く通るリリック・テノールで、演技力もありました

第2幕のパーティーで男たちが一斉に歌って踊る「女、女、女のマーチ」は、ウキウキして一緒に歌って踊りたくなります

「メリー・ウィドウのワルツ」のメロディーが流れてきた時は、感動で背筋が寒くなりました レハールは何と素晴らしい音楽を作ったのでしょうか

第3幕の「キャバレー・マクシム」のシーンでは、最初のうち男性陣だけが歌って踊っていたので、「これが中国のオペレッタの限界か」とがっかりしましたが、ヴァランシエンヌと合唱が披露する「グリセットの歌」と、それに続くカンカン・ダンスの一連のシーンは、さすがにバレエ団をはじめとする女性陣が大活躍し、このオペレッタのエキサイティングなハイライトを賑やかに飾りました

演出面では、ドイツ語を基本に歌い語られる中、劇場が中国ということで、時々セリフの場面で中国語が使われて聴衆の笑いを誘っていました 公演全体を観て感じたのは、中国の聴衆は比較的おとなしく、熱狂的な拍手で歌手陣や指揮者・オケを讃えることがないように思いましたが、実際にはどうなのでしょうか

映像を観終わってあらためて思ったのは、主役級の歌手陣は欧州出身者に頼らざるを得ないという実情は、日本も中国も共通しているということです ただ日本では、この3年近くのコロナ禍を通して、欧米の歌手陣が来日できなくなった代役として日本人歌手が頑張って立派に役割を果たしたことは特筆に値します 「椿姫」でヴィオレッタを歌った中村恵理しかり、「ジュリオ・チェーザレ」でクレオパトラを歌った森谷真理しかりです その点、中国の現状はどうなっているのだろうか、と思いを巡らせました

オペラやオペレッタの公演は休憩を1回につき30分くらい取るので、どうしても上演時間が長くなりがちです その点、今回のようなライブビューイングは休憩時間が10分で済むところが大きなメリットです 政治的にはギクシャクしている日中間ですが、せめて文化面では今回のような企画を通して交流を深めることは意義あることだと思います これからも、今回のような楽しい作品を上映することを切に願います

 

     

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする