19日(土)。わが家に来てから今日で2868日目を迎え、米ツイッターを買収した米起業家のイーロン・マスク氏が同社の従業員らに長時間の猛烈な労働を受け入れるか、退職するかの「踏み絵」を迫っていることが明らかになった というニュースを見て感想を述べるモコタロです
残った社員には 1人で3人分以上の仕事を課す という意図が見える 過労死が心配
昨日、夕食に「チキンステーキ」と「白舞茸の味噌汁」を作りました 野菜の付け合わせはブロッコリ、アボカド、レタス、ミニトマト、パプリカです。ヘルシーで美味しいです
昨日、すみだトリフォニーホールで新日本フィル「クラシックへの扉 第11回定期演奏会」を聴きました プログラムは①モーツアルト「フリーメイソンのための葬送音楽 ハ短調 K.477」、② マーラー「亡き子をしのぶ歌」、③ブラームス「交響曲第4番 ホ短調 作品98」です 演奏は②のバリトン独唱=大西宇宙、指揮=沖澤のどかです
沖澤のどかは東京藝大指揮科首席卒業、同大学院修士課程修了。ハンス・アイスラー音楽大学ベルリン修士課程オーケストラ指揮専攻修了。第56回ブザンソン国際指揮者コンクール優勝、同時に聴衆賞とオーケストラ賞を受賞 2020年8月から2年間、ベルリン・フィルのカラヤン・アカデミーの奨学金を受け、キリル・ペトレンコのアシスタントを務める 22年9月、ミュンヘン響のアーティスト・イン・レジデンスに就任。23年4月から京都市交響楽団の第14代常任指揮者に就任予定 若手で最も今後の活躍が期待される指揮者の一人です 公演前に開かれた「60分ワンコイン講座」の講師・小室敬幸氏によると、沖澤さんは最近結婚され、お子さんが生まれたとのことです
オケは12型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの新日本フィルの並び コンマスは西江王子です
1曲目はモーツアルト「フリーメイソンのための葬送音楽 ハ短調 K.477」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756ー1791)が、所属メンバーだったフリーメイソン(自由な石職人)の重要人物だった2人の貴族の死に際して、支部で行われた追悼式のために1785年に作曲した作品です
満場の拍手の中、思ったより小柄な沖澤のどかが指揮台に上ります 2曲目のマーラー「亡き子をしのぶ歌」の前座的な位置づけで選曲したのか、5分ほどの短い曲で、悲しみを湛えた作品でした
2曲目はマーラー「亡き子をしのぶ歌」です この曲はグスタフ・マーラー(1860ー1911)がフリードリヒ・リュッケルトの詩に基づき1901年(第1、3,4曲)と1904年(第2,5曲)に作曲、1905年にウィーンで初演されました 小室敬幸氏はプログラム・ノートに、「1833の冬、リュッケルトの6人の子どもたちが猩紅熱にかかり、わずか17日の間に3歳の娘ルイーゼと5歳の息子エルンストが亡くなってしまう リュッケルトは『亡き子をしのぶ歌』と呼ばれることになる400以上もの詩を生み出した 一方 マーラーは、1902年3月、19歳年下のアルマと結婚、同年11月には長女が、1904年6月には次女が誕生している 『亡き子をしのぶ歌』完成から3年後の1907年7月、長女が4歳で猩紅熱とジフテリアの合併症により急逝してしまう 妻アルマは後年、夫の理解に苦しむ行動が不幸を呼び込んだのだと振り返っている」と書いています
第1曲「いま、太陽は明るく昇らんとする」、第2曲「いまならわかる、なぜあれほど暗い炎を」、第3曲「おまえのお母さんが」、第4曲「よく思う、あの子たちは出かけているだけ」、第5曲「こんな天気、こんな嵐のなか」の5曲から成ります
バリトン独唱の大西宇宙(おおにし たかおき)は武蔵野音楽大学及び大学院修了、ジュリアード音楽院卒業。シカゴ・リリック歌劇場で研鑽を積む 2019年、セイジ・オザワ松本フェスティバルでファビオ・ルイージ指揮による「エフゲニー・オネーギン」のタイトルロールで日本オペラ・デビューを飾る 以後、国内外でオペラ公演に出演し絶賛されています
大きな拍手の中、大西と沖澤が登場し さっそく演奏に入ります 大西は背丈があるのでほとんど大人と子どもくらいの差があります 大西は魅力のあるバリトンで、高音から低音まで無理のない歌唱によりマーラーの悲しみを表現しました 第1曲では神農広樹のオーボエが、第2曲では冒頭のチェロのアンサンブルが、第3曲では森明子のイングリッシュホルンが、大西のバリトン独唱に華を添えました 第5曲のラストは、ホルンと弦楽のアンサンブルが美しく響き、静かに曲を閉じました
マーラーの交響曲は比較的多く聴く機会がありますが、歌曲集は滅多に聴くチャンスがありません その意味では、今回のプログラムは指揮者・ソリスト共に魅力あるアーティストだったので貴重な体験になりました
休憩時間にパトロネージュ部の登原さんとお話ししました 彼女は、10月23日(日)にサントリーホールで開かれた東京交響楽団の定期公演を聴きにいったとのことで、その時の話をしてくれました 東響のアシスタント・コンマスと楽団長を兼務している廣岡克隆氏が11月から楽団長専任になることから、この日の公演が現役最後の公演という位置づけにありました 登原さんは国立音大卒(フルート専攻)ですが、当時アマオケでも吹いていて、その時にオケの指導(弦楽)に来てくれていたのが廣岡氏だったそうです コンサート当日はカーテンコール時の写真撮影が解禁になっていたので、その様子を見ることも兼ねて聴きに行ったようです オケの事務局員としては自分の所属する楽団の演奏を聴くことは大事ですが、たまには他の楽団の公演を聴いたり事務局のオペレーションを見たりすることも大切なことだと思います 当日撮影した写真を見せてくれましたが、東響にも何人かアマオケ時代の仲間が在籍しているようです その日はたまたま私が風邪を引いて聴きに行けなかったので、現地でお会いできなかったのが残念でした
カーテンコール時の写真撮影については、新日本フィルでも近々解禁になるとのことですが、公演ごとに出演者の了解を取らなければならないようなので、事はそう簡単ではないみたいです アーティストによっては写真撮影に対して「いつでもOKです」という人もあれば、肖像権にうるさい人もいるので、調整が難しいのでしょう いずれにしても、N響、東響、日本フィルはすでに解禁しているので、他のオケも徐々に解禁に向けて動いていくと思われます
プログラム後半はブラームス「交響曲第4番 ホ短調 作品98」です この曲はヨハネス・ブラームス(1833ー1897)が1884年から翌85年にかけて作曲、1885年にマイニンゲンで初演されました 第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アンダンテ・モデラート」、第3楽章「アレグロ・ジョコーソ」、第4楽章「アレグロ・エネルジーコ・エ・パッショナート」の4楽章から成ります
オケは14型に拡大します 管楽セクションを見渡して、「おやっ?」と思いました 前日の公開リハーサルで沖澤から「ブラボー」と称賛されていたクラリネットのマルコス・ペレス・ミランダの姿が見えません 代わりに首席の位置にスタンバイしているのは、元首席の重松希巳江さん(現・東京音大非常勤講師)でした 急病か何かのアクシデントがあったのでしょう。ひょっとして、重松さんは「今朝、電話で代役の依頼があって、午前中のゲネプロだけ参加して、ほとんどぶっつけ本番で演奏しました」みたいな裏事情があった可能性があります それにしても、すぐに対応できるというのは現役を退いたとはいえ、さすがはプロだと思います
沖澤の指揮で第1楽章に入ります 冒頭の下降・上行音型は肩に力を入れることなくごく自然に流れ、後半に向かって徐々にテンポアップしてエネルギッシュに演奏が展開します 沖澤の指揮姿は背中に1本筋が真っすぐ通っているような感じで、中心がブレません 第2楽章では日高剛のホルンが素晴らしく、弦楽アンサンブルが美しく響きました 第3楽章が聴きものでした。猛烈に速いテンポで推進力に満ちたアグレッシブな演奏が展開しますが、まったくブレません 第4楽章は弦楽セクションのうねりが凄い エネルギーに満ちた最後の追い込みが素晴らしかった
満場の拍手の中、カーテンコールが繰り返されますが、沖澤は真っ先に急な代役を引き受けて立派に責任を果たした重松さんを立たせました 全体を通して、沖澤はオケを存分に鳴らして爽快な演奏を展開していました また、是非聴きたい指揮者です。今後の活躍が楽しみです