21日(日)。昨日の日経朝刊に「無歓声公演は『収容100%に』 文化庁の専門家会議」という見出しの記事が載っていました 超訳すると、
「新型コロナウイルス下での文化芸術活動に関する文化庁の専門家会議は19日、政府が2月末までとしている大規模イベントの開催制限に対する見解を公表した コンサートや演劇などについて『観客が大声で声援を出さない』ことを前提とする公演は早期に収容率を100%以内に緩和することが考えられる、とした
政府は月内にもイベント制限に関する方針を決める
」
私は常々、コンサートの収容率は科学的な根拠に基づいて決めるべきで、声を出さない公演は100%で差し支えないと考えてきました。その点からすると、専門家会議の見解は歓迎すべきだと思います。2月末を待たず、即刻実施しても良いのではないかと思います
ということで、わが家に来てから今日で2334日目を迎え、英王室の公務から昨年3月末に引退し米カリフォルニア州に移住したハリー王子とメーガン妃が、今後も公務に戻らないことになった というニュースを見て感想を述べるモコタロです
母ダイアナ妃のように パパラッチに追いかけられて死ぬよりも 民間人の方がいい
昨日、ティアラこうとう小ホールで1971年ドイツ・ハンガリー合作映画「チャールダーシュの女王」(1時間41分)を観ました これはエメリッヒ・カールマンのオペレッタ「チャールダーシュの女王」をミクロス・シネタ-監督が映画化した作品です
キャストはシルヴァ=アンナ・モッフォ、エドウィン=ルネ・コロ、シュタージ=ダグマール・コラー、ボニ・カンチアーヌ伯爵=サンドール・ネメス、マリー・ルイーゼ=イレーン・プショタ、ミシュカ=ゾルタン・ラティノヴィッチほか。管弦楽=クルト・グラウンケ管弦楽団、指揮=ベルト・グルントです
物語の舞台は20世紀初頭の、落日を迎えつつあるオーストリア・ハンガリー帝国の都、ブダペストとウィーンです 物語のヒロイン”チャールダーシュの女王”と呼ばれるシルヴァは、ブダペストにあるエンターテインメント劇場「オルフェウム」のプリマドンナです
貴族の青年エドウィンは彼女と相思相愛の仲にありますが、身分違いの2人の結婚を貴族である両親は認めません
果たして2人は目出度く結婚することができるでしょうか・・・というのが大まかなストーリーです
「チャールダーシュ」は、ハンガリーで育まれたジプシー舞曲のジャンルの一つで、居酒屋を意味する「チャールダ」が語源で、元はそういう場所で歌い踊られていた大衆音楽です 特徴は前半が遅いテンポの「ラッサン」で、後半が速いテンポのシンコペーションによる「フリスカ」で演奏されることです
身近なところでは、ヴァイオリンのアンコールとして良く演奏されるモンティの「チャールダーシュ」が有名です
この映画では、”歌う女優”とでも言いたくなるほど、歌も演技も踊りも完璧なアンナ・モッフォの魅力が全開です 1932年頃(はっきりは分からないらしい)、アメリカのペンシルベニア州で生まれた彼女はカーティス音楽院に入学、その後1955年にフルブライト奨学金を獲得してローマの聖チェチーリア音楽院に留学し、同年スポレトでデビューを飾りました
1957年にシカゴ・リリック・オペラ座で「ラ・ボエーム」のミミを演じてアメリカに凱旋、同年ミラノ・スカラ座にもデビューしました
そして1959年には「椿姫」のヴィオレッタでメトロポリタン歌劇場にデビューを果たしました
一方、エドウィンを歌ったルネ・コロはヘルデン・テノールとして有名ですが、キャリアのスタートはオペレッタやミュージカルだといいます。これは意外でした
とにかく、歌あり踊りありの とても楽しい映画です
ところで、映画とは関係ありませんが、「チャールダーシュの女王」には思い出があります
新聞関係団体に勤務していた頃、職場に、ヨーロッパ駐在代表を務めたこともあるNさんがいました 彼は語学力を生かし、本業のほかにミステリーの翻訳も手掛け ”二足の草鞋”を履いていました
ある日、「あるミステリー小説を翻訳していたら、ストーリーの中に『チャールダーシュの女王』というのが出てきたんだが、どうもオペレッタのタイトルで、チャルダーシュが舞曲らしいことまでは分かった
しかし、どんな音楽がチャルダーシュなのかが分からない
できればそれを実際に聴いて翻訳に生かしたい
君なら知っているかもしれないと思って・・・」と声をかけられました
私はタイトルこそ知ってはいましたが、LPもCDも持っておらず、どんな曲なのか聴いたこともありませんでした
しかし、わざわざ私を選んでクラシック音楽について訊いてきた人に「知りません」とは言えませんでした
「頼られたら 応えなければならない」というのが私の主義なので、「その作品ならCDを持っているのでお貸ししましょう」と答えました
それからCDショップに行っていくつかのCDの中から選んで購入したのがルドルフ・ビーブル指揮ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団・合唱団、ミレナ・ルディフェリア(ソプラノ)他による1985年4月6日の東京文化会館におけるライブ録音CD(下の写真)です
もちろん、CDを聴いて、CD付属のブックレット(曲目解説、歌詞対訳ほか)を片っ端から読んだ後でNさんにお貸ししました
CDは2枚組7000円でしたが、自分自身に対する先行投資だと考えました
こういう風にしてCDが増えていったわけです