人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

レオ・フセイン+都響でデュリュフレ「レクイエム」他を聴く~東京・春・音楽祭フィナーレへ

2016年04月18日 07時07分07秒 | 日記

18日(月)。わが家に来てから568日目を迎え、この家の主のような態度で 世間に顔を見せるモコタロです

 

          

               誰だよ オオサンショウウオみたいな顔だって言っているのは?!

 

  閑話休題  

 

昨日、エディタ・グルベローヴァ主演によるプラハ国立歌劇場公演 ベッリーニ「ノルマ」のチケットを電話予約しました 11月6日(日)午後3時から渋谷のオーチャードホールです。「ノルマ」はマリア・カラスのCDを聴いて以来すっかりハマってしまったオペラですが、上演の機会が少なく、どの歌劇場でも良いから上演するなら聴きたいと思っていた演目です 数年前にこの「プラハ国立歌劇場」の来日公演でディミトラ・テオドッシュウの主演で聴いたことがあります 今回 テオドッシュウも5日に歌いますが、グルベローヴァがノルマを歌うというので 何の迷いもなく6日の公演を予約しました。S席29,000円ですが、その価値は十分にあります 一番恐れるのはドタキャンですが、今からそれを恐れていても仕方ないので、彼女が無事に来日して歌ってくれることを祈るのみです

 

          

 

 も一度、閑話休題   

 

昨日は、新日本フィルの2016/2017シーズン継続の”座席指定解禁日”だったので、受付開始の朝10時から新日本フィルのチケットチケットボックスに何度も電話を入れたのですが、まったく繋がりません 今回は サントリーシリーズからトリフォニーシリーズに鞍替えするので座席を指定する必要があるのです やっと電話が繋がったのは午後1時半ごろです。トリフォニーシリーズは金曜日と土曜日の公演があるので土曜日を選び、1階左ブロック右通路側席を確保しました。あとは恐ろしい請求書を待つのみです

 

          

 

  最後の、閑話休題  

 

昨日、上野の東京文化会館大ホールで「東京春祭 合唱の芸術シリーズ vol.3~デュルフレ レクイエム」を聴きました プログラムは①ヴォーン・ウィリアムズ「トマス・タリスの主題による幻想曲」、②同「5つの神秘的な歌」、③デュリュフレ「レクイエム」です 指揮はレオ・フセイン、メゾ・ソプラノ=ロクサーナ・コンスタンティネスク、バリトン=クリストファー・マルトマン、オルガン=長井浩美、オケ=東京都交響楽団、合唱=東京オペラシンガーズです

 

          

 

自席は1階R7列1番、右ブロック左通路側席です。会場は8割方埋まっている感じでしょうか 東京都交響楽団の弦楽セクションのメンバーが入場し配置に着きます。左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという態勢。コンミスは四方恭子です 第2ヴァイオリンにエンカナ(遠藤香奈子)さんがいないので、オケ全体を見渡したら、オケの後方に9人からなる弦楽グループが配置されていて、その中にいました 9人とはいえ、コンマスの山本氏をはじめ首席クラスが揃っているので少数精鋭部隊と言っても良いでしょう

指揮をとるレオ・フセインはケンブリッジ大学と英国王立音楽アカデミーで学んだ後、サイモン・ラトル、ヴァレリー・ゲルギエフ、ダニエル・バレンボイムなど世界的な指揮者のもとで研鑽を積み、現在ルーアン・オート=ノルマンディ歌劇場の首席指揮者を務めています

背丈のあるフセインが登場し、さっそく1曲目のヴォーン・ウィリアムズ「トマス・タリスの主題による幻想曲」の演奏に入ります この曲は「イングランド讃美歌集」に収められたトマス・タリスの詩篇音楽の中の1曲をテーマに採用しています

演奏は手前のオケとバックの少数精鋭オケとの対話によって進められますが、この曲はどこか懐かしい感じがします イギリス音楽、とくにヴォーン・ウィリアムズやディーリアスなどの作品は郷愁を誘う音楽で、日本人の心の琴線に触れるものがあるような気がします フセインは振幅の大きな指揮ぶりを見せ、幻想曲を感動的に歌い上げました 途中、コンマスの四方、第2ヴァイオリン首席の双紙、ヴィオラ首席の鈴木、チェロ首席の古川によるアンサンブルがありましたが、バックのオケとの対話はなかなか聴かせてくれました

続いて2曲目のヴォーン・ウィリアムズ「5つの神秘的な歌」の演奏に入ります この曲は、17世紀イギリスの形而上詩人で聖職者だったジョージ・ハーバードの「寺院:聖なる詩」から歌詞を採っている、バリトン独唱と合唱による管弦楽伴奏付き歌曲です 第1曲「イースター」、第2曲「私は花々を用意した」、第3曲「愛は私を温かく迎えてくださった」、第4曲「召命」、第5曲「アンティフォン」から成りますが、管弦楽の伴奏により 第4曲までがバリトンと合唱、第5曲が合唱のみで演奏されます

バックの小オケが解散し、弦楽器が一部入れ替わり、管楽器が加わり、男女混声合唱約100人がスタンバイします そして1997年、カーティフ国際声楽コンクールで歌曲賞を受賞した経歴を持つバリトンのクリストファー・マルトマンが登場します

第1曲目「イースター」の冒頭を歌うマルトマンの歌唱を聴いて、あまりの迫力に驚きました 深いバリトンが会場の隅々まで行き渡ります。また、東京オペラシンガーズの合唱はさすがはプロと思わせる迫力に満ちています これは第2曲目以降も同様で、ヴォーン・ウィリアムズは郷愁だけではないことを知らしめました

 

          

 

休憩後はモーリス・デュリュフレ(1902-86)の「レクイエム」です デュリュフレ(1902-86)はフランスの作曲家兼オルガ二ストでした。10歳でルーアン大聖堂付属の聖歌隊養成所に入り、音楽の基礎を学びました。ここではグレゴリオ聖歌を歌う伝統が生きており、デュリュフレに深い影響を与えました その後、パリ音楽院に入学しオルガンを学び、1922年にはオルガンの1等賞を受賞しています。パリ音楽院の教授に迎えられたデュリュフレの弟子には有名なマリー=クレール・アランがいます

彼は「レクイエム」を作曲するにあたり、「怒りの日(ディエス・イレ)」を省くなど、同じフランスの作曲家ガブリエル・フォーレの「レクイエム」を参考にしています フォーレは、ベルリオーズやヴェルディが力を入れて作曲した「怒りの日」を削除し、安息への希求を前面に出して「レクイエム」を作曲しましたが、デュリュフレはその精神を受け継いだことになります この曲の大きな特徴として「グレゴリオ聖歌」の旋律をほぼ全編にわたって素材として用いていることが挙げられます

1947年9月に完成したこの曲は、第1曲「入祭唱」、第2曲「キリエ」、第3曲「奉献唱(主イエス・キリスト)」、第4曲「サンクトゥス」、第5曲「主イエスよ」、第6曲「神の子羊」、第7曲「聖体拝領唱(永遠の光)」、第8曲「我を許し給え」、第9曲「楽園へ」の9曲から成ります

第3曲「奉献唱」と第8曲「我を許し給え」ではバリトン独唱が入り、第5曲「主イエスよ」ではメゾ・ソプラノ独唱が入ります マルトマンは相変わらず深いバリトンですが、メゾ・ソプラノのロクサーナ・コンスタンティネスクは一度しか出番がなかったのが残念でしたが、ヴィオラとチェロに導かれて美しいメゾを聴かせてくれました この人は、ヴェルヴィエ国際声楽コンクールやミュンヘン国際音楽コンクール等で優秀な成績を収め、ウィーン国立劇場のアンサンブルに参加するほか、宗教曲のソリストを務めるなど幅広く活躍しているそうです

デュリュフレ「レクイエム」は、フォーレのそれを意識して作られましたが、「怒りの日」がないとは言え、聴いている限りフォーレよりも起伏が激しい曲で、フセインはメリハリを付けて演奏を展開、最後の「楽園へ」で静かに曲を閉じました

このコンサートでは、都響の弦楽セクションの素晴らしさを再認識するとともに、二人のソリスト、とくにバリトンのマルトマンの歌唱力に驚き、東京オペラシンガーズの迫力ある合唱に満足しました

この公演をもって今年の「東京・春・音楽祭」も終わりを告げました。あっという間でした  来年もまた3月~4月は上野に通います

 

          

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