今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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稀少なコーワSWが来ましたよ

2013年05月23日 22時22分13秒 | インポート

Dscf052846 珍しいコーワのSWが来ています。興和と言えばコルゲンコーワの薬やさんですけど、私も若い時に、研究所に営業で担当したことがありましたよ。テレビコマーシャルの撮影で、歌舞伎一家の女優さんが来ていた場面にも出会いましたね。その興和がカメラを作っていたんですね。当時としては超広角の28mm f3.2を搭載したカメラで、焦点距離から鏡胴やボディーは薄く設計されています。仙台の笹かまのようなボディーはPENにも似た格子状のシボ革もあって、非常にホールドしやすい感じです。しかし、目立つのは一つ目小僧のようなファインダーですね。工業デザインと言うよりは、設計上の制約からデザインが決まって行ったような感じですね。各リングは薄く設計されているので、硬めにクリック感もあって、あまり操作性は良好とは言えません。この個体は、前玉のキズが多いため、付属で付いて来た個体から移植することにします。

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28mmなので距離は目測式。ケブラー式のファインダーが見えます。シャッターユニットをボードごと取り外します。この個体は、過去に何度も分解を受けていますね。

Dscf053088 ボディーの厚みからケブラー式のファインダーが採用されているのでしょうか? 過去にも分解清掃されていて、コーティングが剥離している部分もあります。しかし、状態としては悪くはありません。

Dscf053251 シャッターはSEIKOのSLVとセルフタイマー付き。各部を分離洗浄して注油しながら組立ました。

Dscf053384 完成したシャッターユニットに清掃済みのレンズを取り付けています。ヘリコイドグリスも抜け気味でしたので、交換してあります。

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完成したシャッターユニットの裏側ヘリコイドの内周部分の防眩塗装はオリジナルの上に補修さけた塗料も劣化しており、再塗装をしてあります。洗浄した遮光マスクにモルトを貼って完成。本体に取付けるボードの留めビスの規格が小さめで(頭も)緩み易いようです。このあたりの設計がちぐはぐなところ。

Dscf053156 シンプルなトップカバーですが、「KOWA」の下のえくぼがありますね。修正を試みますが、まっ平な部分はごまかしが利かないのでほどほどにしておきます。f剥離がある色入れはやり直しのご依頼がありました。

Dscf053384 シャッターユニットを本体とドッキングしています。トッフーカバーはこんな具合。

Dscf053497 ここらへんも設計がちぐはぐなところ。レリーズボタンはサイズが大きくてストロークが小さめなので、非常に良いタッチですが、巻き戻しダイヤルのノブは何なのさ。こんなに細くては非常に操作がしにくいですね。

Dscf053552 その巻き戻しダイヤルのレバーが完全に収納されませんね。部品取り機の方が、板バネを留めるビス頭が低いですね。下もビスも規格外を使ったようにも見えないのですが、接触するわけですから不都合ですので交換をしておきます。

Dscf053646 最後にピント調整をして完成です。大量生産をしたメーカーさんではありませんので、あちらこちらに設計が煮詰まっていない感を覚えますね。操作感など製品としての完成度が低いのかな? まぁ、それを含めて味と言うことで、愛好する方がいらっしゃるのでしょうね。で、数日遅れましたが、5月22日は加藤隼戦闘隊で有名な加藤建夫部隊長が戦死した日でした。ビルマのアキャブ基地を急襲したイギリスのブレニム爆撃機を邀撃に「回セ回セ!」で飛び上ってベンガル湾上空まで追撃し被弾のため自爆したのでした。画像は、私が二十年ぐらい前に作った二型乙の内地の防空塗装機ですが、加藤機は一型装備ですから武装は7.7mmと12.7mm二挺と非力で、とても欧米の防弾防御を施された機体を撃墜することは困難で、肉薄し過ぎたことが被弾の原因とも言われています。かねてより、被弾した時は自爆を公言していた部隊長は率先海面に突入したのでしょう。


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