油漬けのPEN-Fと一緒に来たPEN-FT #2032XXと前中期頃の個体。動いてはいますが、巻上げゴリツキ、露出計不動、セルフタイマー不調、などがあって、裏蓋の蝶番の塗装ハゲの修正をご希望になっていらっしゃいます。
で、セルフタイマーが途中で止まる件ですが、改良前のユニットで、歯車に激しい錆があります。また、ピンセット先のバネが外れており、これも途中停止の要因になっています。
幸い、この個体は油漬けは免れているようです。拡散性のスピンドルオイル系などは絶対に厳禁ですよ。確かに裏蓋の蝶番の塗装が剥離していますね。これは、モルトを除去した時に、アルコールで拭き上げをしたため、変質したモルトと接触をしていた塗料が侵かされていて溶けてしまったのですね。
シャッターユニットを搭載しましたので、シャッター幕を保護するために裏蓋を取り付けます。裏蓋の塗装より蝶番の方がきれいになってしまいましたね。
シャッターユニットの手前側がスローガバナーですが、結構錆が来ていますね。同じ材質のセルフタイマーも同様にギヤの錆が進行しています。
ギヤの腐食はありましたが、20万代前期としては、程度は悪くは無いと思いますね。露出計は分解と回路の新製で復活しています。スローガバナーも快調です。
カバーを取り付けて完成。付属の40mmは、絞りの作動が重く、このままですとフリーズの危険がありますが、ご予算の問題で、今回は手をつけません。巻上げ快調で大きな傷も無く、前期型モデルのコレクションとしては良い個体です。