関東地方は梅雨入りしたのかな? 鬱陶しい季節になりました。で、少しUPをサボりました。変な組み合わせですが順番なので悪しからずです。このPEN-D3は殆ど使用感が無く、本来は美品クラスなのですけど例の電池の液漏れです。D3の場合は必ず電池蓋が開かなくなります。
最悪の場合は留めネジも腐食して緩めようとすると折れるのですけど、この個体はそこまでは行っていません。溶剤で緩めることが出来ました。
しかし、只でさえ良質とは言えない本体の塗装が液漏れの影響により劣化しています。
生産は新しくてほとんど使用されていないシャッターのため低速まで正常に作動しますが、完全にO/Hをしておきます。
露出計の回路も修復して正常に作動します。その他は問題はなく終了しています。
次はローライフレックス4X4 タイプ2の戦前型です。資料によると1933年(昭和8年)頃のモデルとのことで、零戦はおろか九六艦戦以前の九五戦の時代ですよ。勿論使われていた形跡はなくシャッターは不動、レンズは曇り、内部には画像よりもっと90年分のホコリ汚れが付いています。これは難題だわ。
スクリーンにもカビが生えています。しかし、ミラーは意外に使用可能な程度で、途中で交換されているかもしれませんがカットは純正に見えます。
90年の汚れはすごいです。いくら拭いても汚れが落ちて来ます。ビューレンズも曇っています。取りあえずレンズを分離して固着しているシャッター羽根を見ます。
ビューレンズは分解清掃をします。この時代のレンズは変なコーティングが無いので意外に清掃できれいになったりします。
シャッターはコンパーラピッドです。レンズを分離してチャージリング、スローガバナーなどを分解します。
何度も分解を受けていますが、シャッター羽根の錆の状態が個々に異なります。途中で入れ替えられているのかもしれません。洗浄をして出来るだけ錆を清掃して組みます。
外観のへこみの補修と欠損のネジを追加しシボ革のメンテナンスをします。フォーカシングダイヤルは本来はニッケルメッキだったでしょうか? シボ革が欠損していましたので、ローライシボ革から切り出して接着しておきます。
やっと稼働状態になりました。タイプ2からはビューレンズ上部にシャッター/絞り目盛が表示されるようになりシャッター側とギヤで連動されているので、シャッターの組み込み時は表示を合わせて組む必要があります。しかし、歴代このカメラを所有した人は何人いたのでしょうね。90年前のシャッターが整備をすれば普通に動く。すごいことだと思います。