今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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Rollei 35 Sのメンテナンスの巻

2019年09月03日 12時56分29秒 | ブログ

すみません。作業机の変更をしていまして更新がありませんでした。カメラと時計では机の高さが異なるので、狭いのでそれを1つの机で作業が出来るような風にしたいのですが、すると工具の配置などが慣れたところに出来なかったりで難しいです。当分試行錯誤が続きそうです。で、私、嫌いではないのですが、あまりやらないローライ35Sです。この特異なデザインが、なぜか手提げ金庫のダイヤルに見えてしまうのです。ファインダーの清掃をしていますが、樹脂製本体は熱カシメで組まれていたりして、あまり製造後の整備性は良くないようです。

接眼レンズとブライトフレームは熱カシメに組まれていて、本来は分解はしない仕様なのではないですかね。PENなどに比べても作業がしにくい。レンズの固定はツイストされたバネによりますが、これは考えられています。ブライトフレームは劣化があるため強く拭き上げると剥離しそうです。

 

清掃をしたレンズをセットしてバネを取り付けます。

 

 

このようにバネを差し込みます。

 

 

対物レンズ2枚の間が汚れていますがどこから分解するのか? 前面の額縁部分に黒の接着剤が着けられているように見えますが、裏面を見ると先端部が過去に剥がされて2つに割れて接着されていますね。

 

その部分を剥離するとポロッと対物レンズが落ちて来ました。額縁部分では接着されていないのか、またまた接着が外れているのかは不明。

 

 

しかし、別の個体を同じように清掃しようとしましたが、こちらは一体物で分離は出来ないようです。これは分解するなということかな? あるいは↑のものは本来一体のものを無理にまくり上げたということかな・・

 

 

普通のシャッターユニットの概念とは全く異なりますね。あの薄い空間に配置しなければならないので当然ですね。 最上部にスローガバナーを配してガンギ・アンクルが見えます。低速不調は殆どこの部分で直ります。

 

これは私の別の個体。巻き上げが出来ないという故障。巻上げレバーのストッパーが欠けている個体が目につきますね。旋盤で作ってやろうかしら・・

 

 

巻き上げが出来ない原因はシャッターではなく、この樹脂製のクラッチが上下にスムーズに動かないため。本来は潤滑は不要の樹脂で製作されているのでしょうけど、古くなるとね。樹脂に無害のセラミックグリスを少量塗布しておきます。

 

シャッターはこの薄いボードに貼り付いています。ピンセット先がチャージ部分で、バネは小型のシャッターとしてはかなり強いです。

 

 

条数を増やすために丸線ではなくフラットな線材を使ってあります。沈胴レンズを沈ませるためには巻上げをしておかなければならない構造から、バネはかなり強いものが使われているようです。

 

作動を見ていましたら巻き上レバーのテンションが無くなりました。原因は巻き上げギヤの対角2か所にあるカムの片方が欠けていました。ローライ35系は使われているギヤが樹脂が多いため破損の危険があると聞いていましたが本当ですね。ネットではギヤを自作するスキルの高い方もいらっしゃるようですが、このカム部分は難しいと思います。そこで接着で強度が出ないかを検証しますが、樹脂の種類は不明ですが、ナイロンやジュラコンのような表面がつるっとした材質で経験上、このような樹脂は難接着性で接着は困難です。まず、エポキシを試しましたが強度が出ず応力を掛けると剥離します。瞬間接着剤で難接着性の樹脂用を試してみたかったのですが、取りあえず手元にあったゼリー状でテスト。プラモデル用の接着剤のように、素材を溶かして溶着するような考え方でないと上手く行かないようです。画像はゼリー状を使用したので汚れがひどい(-_-;) で、接着だけでは強度は確保できないので、貫通孔を開けてステンレスピンを圧入することにしました。

修理をしたギヤを組み込みます。作動テストでは快調ですが、果たしてどこまでの耐久性があるのか自分のカメラなのでテストをして行きます。

 

 

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