ちょっと合い間がありました。いえね。出戻りなどをやっておりましたので・・で、そのPEN-Sなんですが、先日、PEN-Sのスローガバナーのギヤカシメ不良についてお書きしましたね。画像も同じくPEN-Sですが、今度は、アンクルを止めるピンが脱落して不調となっていました。観察すると、カシメ部分の肉厚がすごく薄くて、長年の繰り返し衝撃に耐えられなかったようです。製造されてから何十年も経って言うのも筋違いだとは分かっていますが、このコパルのシャッターはひ弱なところがありますね。基本設計が同一のPEN-S,PEN-W,PEN-D系は今後は注意が必要かも知れませんね。再カシメでは強度が出ませんので、地板を交換することになります。
で、本題です。このPEN-FTは #2937XXで、ご常連のベテランさんが都内の有名中古屋さんで購入されて来た個体です。29万代と良い頃の個体で、巻上げのゴリ付きはあるが、その他は特に大きな問題の無い個体。これで38mm付きで1万円台とは、お買い物がお上手ですね。PEN人気が下がったのかな? しかし、先日の新宿では、良いものは高値安定という感じだったけどね。トップカバーを開けてみると未分解の個体ですね。何故か、アイピース枠の留めビス1本がメーター横にあります。たぶん、面白そうなことは無い気がしますよ。
ダイカスト本体を洗浄して点検してみると・・・あら~、これいけませんね。蝶番が変形していますね。上側が捲れるように引っ張られています。しかし、裏蓋は正常に閉まっていたようです。蝶番とヒンジピンにガタが発生して裏蓋が下がってしまう不具合を矯正している場合もあります。勘合を見ながら修正する必要があります。
仮組みをしてみます。あぁ、やはり裏蓋が本体に対して上側になりますね。FTの蝶番はPEN-EE2などと同じチープな強度設計ですから、裏蓋が長い分だけ簡単に変形をしてしまいます。また、この個体も同様でしたが、ちょっと使い込まれた個体は、蝶番とヒンジピンに使用によるガタが発生して、ダイカスト本体のスリット部に収まらない個体も多数あります。今回は蝶番の修正とヒンジピンとの勘合をきつめに修正しておきます。
あら、ちょっとピンボケだね。蝶番は修正をしてあります。スプロケット軸とスプール軸を組み立てて行きます。
シャッターユニットは磨耗は殆ど無く、良い状態でしたね。きれいに洗浄して組立を終っています。
リターンミラーユニットを洗浄注油で取付けてからスクリーンやプリズムを組んで行きます。スクリーンのきれいさで購入されたそうで、なるぼとキズもなくきれいでした。モルトのカスが混入していましたけどね。プリズムの状態も最高に良いですね。コーティングの劣化もありません。
ハーフミラーはクモリが掛かっている状態でしたが、30万代以降のミラーは比較的強度がありますので、今回は清掃で再使用することにします。その他は、特に問題は無く完成しています。