今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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310番台のローライ35ドイツの巻

2024年08月28日 09時00分00秒 | ブログ

疑問点の多いローライ35 #3106XXXのフィート機です。まず、電池室に電池が入りっぱなしで液漏れが発生していましたが、接片の腐食は免れていました。次に固着したフィルターを外せ。とのことでしたが、ローライ35の場合、力任せにフィルターを回すと回転範囲を規制する爪が折れてしまうのです。前玉に負荷を掛けないように裏技で外したところ。

シャッターユニットを沈胴チューブに留めるネジ3本のうち2本が脱落していて1本はネジ部で折れています。? どうやったらネジ部が折れるのか??

 

最大の関心は前面から見てファインダーにカビや汚れが多く見えること。ドイツ製はガラス一体ではないの? 四角の樹脂ケースに3枚のレンズが組み込まれています。このような仕様の個体は見たことがありませんが、分解された形跡はないのでオリジナルと思いますが・・

保管が良くなかったようです。うっすらとクローム層に腐食がありますが、経験的に落とすことが出来ると思います。

 

では、通常のメンテナンスをして行きます。スプール・スプロケット軸の清掃グリス塗布とスローガバナーのメンテナンスをします。

 

チャージギヤの清掃組立。

 

 

オリジナルか社外かは分かりませんが、盛大なカビのファインダーを清掃して取り付けます。

 

巻き戻しレバーのプレートを取り付けます。

 

 

シャッターを分解洗浄をして組み立てます。レンズのカビが各面に発生していました。清掃できれいになりました。以前は組立作業中はラヂオを聞いていたのですが、最近は放送が面白くなくなりましたね。自分とパーソナリティーの世代が離れ過ぎたからでしょうね。で、YouTubeを流して作業をしています。お気に入りは「宮甚商店」で、私と同世代でバイクや旧車がお好きと趣味が合います。古い五球スーパーのラヂオをレストアしたり秋月の安いスピーカーで遊んだり、電気のスキルのある方が羨ましいです。

で、ここですよ。固着したフィルターを力任せに外そうとすると、このストッパー爪が折れてしまうのです。そんな人いないだろうって? 居るんですよ。いくつも交換しました。

 

特に問題はなくシャッターユニットが仕上がりました。これを組み込めば終わりと思ったのですが・・

 

フィルムを装填して巻上げテストをしましたが、何故か巻上げクラッチが外れる。また、7~8枚で巻けなくなってしまう。???   クラッチ部の点検は問題なし。巻き戻し軸の回転が固着気味を発見。分解洗浄の上、注油で組み立てます。

しかし、巻き上げ停止は改善しない。よ~く観察すると・・。巻き戻しレバーの先端部分が陥没気味で軸と干渉していました。これを修正して問題解決。しかし、この部分はカメラを立てて置く時、机などに当たる部分ですから、意外に発生をする不具合かもしれません。恐らく、前オーナーさんは、フィルムが巻けなくなるので原因が分からす手放した可能性もありますね。feet機ですから外国の方かな? 乱暴に机に置かないように。

まぁ、良くなりましたね。しかし、シャッターユニットの留めネジの脱落と折れは何だったのでしょう? もう一台続けるかな?

 

続けてローライ35Tブラック#6367XXXをやっておきます。事前の点検でメーターが作動しない。

 

トップカバーを外しますが、カバーの化粧ネジが痛んでいますので過去に分解されています。よく見ると、巻き上げレバーのリターンスプリングの掛かり位置が変です。スローガバナーに掛かっていますが、正解は左のフックです。

メーターを短絡させると作動します。するとCdsが怪しい。あぁ、ここですね。メーターユニットをコンパクトに纏めるため、配線が素子の足をそのままむき出しで使用されているので、電池からのガス(古い電池が入れっぱなしだった)により腐食するのです。これはローライ35のウィークポイントですね。

配線をやり直しました。メーターは作動します。

 

 

 

では、通常の作業をしますが、ローライ35Tは新しいのでこの他は特に問題はないでしょう。何かあればUPします。

 

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