今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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連休終わり? の巻

2024年08月17日 20時00分00秒 | ブログ

みなさんはお盆休みは終わりでしょうか? 帰省された方は台風の影響で計画運休があって大変でしたね。私は普段の行いが悪いので連休は無しでいろいろ作業をしておりましたが、ブログの公開を予定しないため画像を撮らないので楽をしておりました。とは言っても習慣で撮っていたものをアラカルトで・・二眼レフのオーパホールは前面のシボ革を剥がさなければならないのが面倒です。特に画像のように革のたんぱく質繊維が加水分解か、全く強度を無くしていて剥がそうとするとグズグズに崩れてしまいます。このような個体は諦めてリプロ品に交換することにします。

ローライコードの場合、巻き上げレバーの動きが重くスムーズでない個体も結構見ますね。分解清掃をして油をつけても思ったほど改善しない場合が多いのです。スムーズな個体は潤滑なしでも軽く動くのに。とりあえず分解清掃をしてみます。

Ⅴ型になるとシンクロコンパーでセルフタイマー内蔵ですからシャッター内はぎっしりです。メンテナンスをしていきます。

 

厄介なのは裏蓋の中央付近がへこんでいるものの修正。圧板が分離出来れば何でもないのですけどね。

 

本革ですから合皮のように洗剤は使用出来ませんので馬毛ブラシでブラッシングをしてシボの溝に入った汚れをかき出します。

 

ノブの部分にシボが貼られていますが、どう見てもオリジナルではないと思います。まぁ、新しい材料で貼っておきます。

 

合皮の個体でしたら自作しても良いのですが、Ⅴ型の初期は本革ですし、何よりもシンクロ表示の孔を正確に開ける元気(暑いので)が無いので、いつもお世話になっているアキアサヒ製を貼ります。

革はオリジナルとは違いますが現在はブラックシュリンクが代替えになっています。悪くはないのですが、若干皮が厚いのとシボパターンが大きめ? 「おまけ」でつけて頂いた革が薄目で良い感じです。これで黒シボがあれば・・

稀に入って来るヤシカのラピードですが、持病が2つあって、1つはセレンが不良でメーターが作動しないのと2つはレンズの後玉が白濁すること。

 

メーターが動いているのは希少です。

 

 

後玉を分離して見ました。あ~。。

 

 

清掃してみましたが、劣化したコーティングが無くなってガラス自体が曇っています。カスミの掛かった写真になるので作業中止。

 

コーワのカロワイド。シャッターは不動です。過去にファインダーは清掃を受けていて二重像が横ズレしています。

 

シャッターは精工舎のMXでコンパーラピッドの眺めです。シャッター/絞り羽根に油が回ってガバナーも固着です。

 

シャッターをメンテナンスしてもシャッター羽根がゆっくりとしか動かない。なんで?? 原因はチャージレバーの動きが悪く、チャージ後に定位置に戻らないためでした。巻上げのリンケージ部の作動不良により不調となるケースが多いと思います。

この頃のカメラは殆どヘリコイドグリスが抜けていますので入れ替えておきます。

 

カロワイドのこの部分のシボ革は接着が外れて先端が切れて欠損している個体が多いです。汎用のシボ革を適当にカットして接着します。

 

下部はすでに補修されていますが、何故か本革で貼ってありますので厚くて盛り上がっています。やり直しておきます。

 

目立たなくなりましたね。これで完成です。

 

 

次はリコーオートショットと言うカメラ。1964年4月発売とのことですので、新幹線開業や東京オリンピックの少し前の発売なんですね。オリンパスPEN-EEの確立した設計を35mm版としたモデルがオリンパストリップ35だとすると、このモデルはリコーオートハーフを35mm版としたもので、メーカーの考えることは同じですね。で、来た時はジャンク状態、というか裏蓋が開かない。何としても開かない。仕方が無いので少し荒業で開けたところ。原因はモルト? の変質による張り付き。リコーオートハーフでは本当のモルトでしたので、殆どが風化をして粉になるので開かないことは無いのですが、このモデルはゴム板のような材質になっていて(オリジナルなのか?)、それが経時に変質してちょうどセメダインスーパーXのブラック(知っている人は知っている)ような弾性の接着剤のようになっているのです。これを除去するのかぁ・・

レンズを分離すると何か変です。前玉と後玉のヘリコイドが完全に固着していて、前回の分解で後玉のねじ込み用のネジ部にヘリコイドグリスを塗布してあります。これではピントは来なかったと思いますけど・・

二眼レフの頃からリコーのヘリコイドグリスは張付き易い印象がありますが・・ちょうど合うリングレンチが無いので苦労をして分離したところ。グリスが硬化をしていてヘラで取り除いています。

ケプラー型のファインダーですが、残念ながら接着で組まれていて分解清掃が出来ません。問題は画像を撮り忘れましたが、右下に見えるEE用のメーターが動かない。アシストすると動こうとするので、コイルのピポットの摩耗や腐食があるようです。(セレンにキャップが無いので)また、針に帯電があって定点からの動き出しで張り付き現象もあります。何とかメンテナンスをして作動するようにしてあります。

その他、B(バルブ)にダイヤルが回らない(グリス切れ)などがあり修正をしてあります。鏡胴カバーはなんとペラペラなアルミ板。

 

殆ど裏蓋の清掃と新規の貼りこみに工数が掛かったような。。(型紙を作りますので)

 

オートハーフの倍の送り量になるので、ゼンマイをそこそこ巻いても連続撮影は5枚程度ですね。無理に巻くとゼンマイが切れますので。

 

一つ目小僧だよなぁ。。まぁ、完動状態としましたが本当はオートハーフ系は苦手です。

 

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