今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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真鍮カバーのローライ35の巻

2024年08月08日 17時00分00秒 | ブログ

次はローライコードⅢをやっておきますが前のⅣと同様な作業です。殆どの個体は巻き上げとフォーカシングダイヤルが腐食しています。人間の手汗が付着して長期に放置されたからでしょう。アルミの切削加工のみではなく表面処理はされていると思うのですけど・・性能には関係はありませんが、私は研磨をしておくことにしています。

フード内は・・あら結構汚れ放題ですね。と言うことは逆にあまりいじられてはいないということ。その方が作業がしやすい時もあります。

 

Ⅲ型は古いのでシャッターが不調です。特にスローガバナーのバネが弱っていてシャッタースピードが遅い傾向にあります。

 

撮影レンズの分解清掃。

 

 

ビューレンズの分解清掃。中間の凹レンズと後玉は裏表の形状が似ているので間違わないように注意をします。

 

ダイヤルの研磨とローレット内に詰まった手垢の洗浄。その他、シボ革は本革なのでクリームで汚れを落としています。

 

で、ローライ35のブラックです。#6248XXXとシンガポール製ですが、持った時の重量感が違います。この個体はトップカバーの材質が真鍮なのです。それによってアルミ製よりも手の塩分による塗装の劣化は激しいですが、何とも言えない味がありますね。私は真鍮製のブラックモデルが好きです。

塗装が剥がれているコバの部分を見てください。材質の真鍮地が出ています。それでは裏蓋もセットで真鍮製かと思うとアルミ製なんですね。この辺の事情については製造上の都合があったのでしょうかね。私は研究家ではないので知りませんが・・

ファインダーは汚れ放題。

 

 

ヘリコイドグリスは抜けています。

 

 

沈胴も緩いですね。典型的な使用による劣化ですが、電池の液漏れによる故障などは無いようです。但し、電池室には古い「National MR9」が入りっぱなしでしたので紙一重で助かった状態。松下製の品質に感謝です。

まぁ、大きくは漏れなかったのですが接片の腐食はありましたね。露出計の感度は低いのですが、この部分のスポット溶接が外れかかっていて、絶縁抵抗が大きくなっているのです。

新しく配線をやり直しました。感度は上がったのですが、振動を与えると針が振れなくなる現象が有ります。原因はメーターユニットを本体に留めるネジが緩んでいるのです。このネジで導通(アース)を確保していますので緩むと針の振れが不安定になります。

問題は隣のネジも大きく緩んでいること。ここはネジロックを塗布されているところですが、前回の分解でネジロックを外されたままなのです。巻上げのストレスが掛かるネジですので、緩み止めをしておきませんと必ず緩んでしまいます。

「続き」のリクエストを頂いていますが、すみません画像を撮っていませんでした。トップカバーの裏側。材料の真鍮地が透けています。高級コンパクトでも裏側の塗装はこの程度です。

沈胴カメラの宿命。使い込まれると沈胴が緩くなりますので必ず調整をするようにしています。

 

シャッター/レンズはレンズに盛大な汚れ(ホコリ混入)がありましたが、前玉も含めて清掃できれいになっています。シャッターは特に問題はありませんでした。

 

裏蓋は取り外し式ですから途中で交換されている可能性も考えられますので言及はしません。

 

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