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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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ローライ35と35Tのメンテナンスの巻

2022年10月28日 10時00分00秒 | ブログ

売用の商品のメンテナンスをします。ローライ35ジャーマニーですが、特に大きな故障や欠点はないので、返ってブログネタにはならないのでやりずらい・・オークションなどでは「良品」レベルですが、商品としてはこのレベルではダメなんですね。

外観は目立つほどのカバーのへこみなどはなく、トップ面に小さなエクボ程度ですので修正をしておきます。また、メーターの0指標のオレンジが白化しています。

稀にこのような塗装状態になっている個体があります。

 

 

各部の軸受けやファインダーの清掃、シャッターの低速不良などをメンテナンスしておきます。沈胴も少し緩い感じですので分離してフェルトの調整をします。シャッターとレンズは清掃しますが、シャッターの留めネジの錆が目立ちますね。

このネジだけ激しく錆びています。表面処理が不良だったのでしょうかね? 一応ジャーマニーですけど・・

 

シャッターの分解清掃。

 

 

完成したシャッターユニットに復帰バネを取付けて本体に組み込みます。

 

 

ジャーマニーでも初期型以降の個体には駒数板を止める爪に補助板バネが入っています。は沈胴レールを止めているネジで、スリ割りに傷かありますので増し締めされたか、沈胴レールを交換されたのかも知れません。

 

巻き戻しダイヤルの回転がスムーズでないので分解清掃をしました。

 

 

一通りのメンテナンスでローライ35は終了。35Tは35の復刻モデルで新しいので問題は少ないです。外観も非常にきれい。

 

定番のファインダー汚れはありますので分解清掃をして戻します。ローライ35で問題となる樹脂のギヤは35Tでは金属製に戻りましたので破損の心配がありません。実用には35Tの方が安心かも知れません。その他、シャッターの低速不安定を修正しておきます。

こちらも沈胴が緩めなのでフェルトを調整しておきます。

 

 

35Tは新しいですが過去にシャッターの分解修理を受けていました。ヘリコイドの回転が異常に重いので分解をしてみると・・グリスの詰め過ぎで、経時的にグリスが硬化をしたためヘリコイドが重くなったもの。清掃して新しいグリスを塗布します。

ピント調整をします。35Tになるとftとmが併記となります。老眼の目には文字が小さくて見にくいですね。

 

その他、外観清掃で完成。どちらも問題のない良い個体でした。こういう個体を入手してください。因みにローライ35は重量はカバーが真鍮製のため電池入り状態で368gで、ローライ35Tはカバーがアルミ製のため324gでした。持って見ると印象がかなり違います。

 

 

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