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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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シャッター幕破壊のPEN-FVの巻

2022年10月23日 20時30分00秒 | ブログ

運転会はレイアウトが民家に作られていて照明が非常に暗く撮影が出来ませんでした。20系客車を引くEF65。特急さくら

 

80系湘南電車。

 

 

私が持って行ったツボミ堂のBタンク。ちゃんと走りました。

 

 

二部屋ぶち抜きの大レイアウト。ポイント操作だけでも大変です。

 

 

豪華EF57重連。Nゲージとは迫力が違います。後にちらっとロマンスカーの編成が見えます。数十万円の価値とか?

 

C62と思いきやD52でした。その他、天賞堂のカンタムシステムを搭載したEF58の汽笛や走行音を初めて聞きました。感動します。

 

で、お仕事です。このPEN-FV #1327XXはシャッター幕が破壊しています。言われるシャッター幕の破壊は、それほど多くはないと思いますが、自然破壊の場合はセンスを畳んだように圧縮されます。異物で突いたような破壊のように見えますけどね。

こんな破壊の仕方。

 

 

付属の42mmは専用ケース入り。あまり見ませんね。

 

 

開発の初期には、シャッタースピードが上がると幕の破壊は発生したようですが、製品となってもエッチングによりリブの形成とディンプル加工などの改良で強度を増し、自然故障で破壊することはあまりなかったと思います。私も幕破壊の修理依頼を受けたことは累計でも数例です。

チタンが破壊すると強健で鋭い破断面になりますね。

 

 

では、ダイカスト本体を洗浄して組み立てて行きます。

 

 

同じ時期に製造されたシャッター幕を見つけて来て組み込みました。

 

 

前板関係をドッキングします。

 

 

シャッターダイヤルを洗浄して取り付けました。

 

 

裏側から見たところ。幕が破壊をした後でシャッターを作動させたのでしょうか? ダイカスト側の塗装がチタン幕により傷ついています。そのままにしておいて欲しかったです。

 

エージングでシャッターを切っていると・・変な音がします。あ~リターンミラーの接着が剥がれました。現役で動いていなかったジャンクを起こすと良く起こります。前板を再分解をして接着をやり直します。完成してお返しした後でなくて不幸中の幸い。

スクリーンとプリズムの間がカビていましたので清掃しました。ここにカビが発生した個体は保存が良くなかった証拠。

 

 

全反射ミラーにもカビが発生しています。清掃後もカビ痕は残りますし交換も選択肢ですが、今回は再使用としました。

 

いろいろ難儀な個体でしたが、これで組立完成。

 

 

幸い、リターンミラーは割れずに無傷で程度も良いので再使用しました。リターンミラーの接着が完全に硬化するまで養生する必要があります。接着後はピント調整が必要です。

 

付属の42mmは私が今まで見た個体で一番程度が良いかも知れません。しかし、絞り羽根の戻り不良とレンズカビがありますのでメンテナンスをします。Fメーターも殆ど使用されていません。若干感度は低下気味ですが、まぁ、今回は良いでしょう。

内部はヘリコイドグリスが流化して浸透していますので分解脱脂をします。

 

 

レンズは持病の曇りもなく、軽微なカビですので清掃できれいになりました。PEN-FV #1327XX (1969年07月製)

 

 

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