今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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ロードⅣBのメンテナンスの巻

2022年10月12日 20時00分00秒 | ブログ

岡谷光学のロードⅣBが来ています。1955年製のカメラだそうですが、いつ見てもがっちりとした作りで好感が持てます。オーナーさんは、その長野県の岡谷にお住まいの方です。ft機のブラックモデルですから輸出された個体でしょうね。ブラック塗装は非常に上質で黒味に高級感があります。画像の専用フィルターと専用フードは貴重ではないのでしょうか? 

シャッターは精工舎のMXと国産高級機が搭載されていますので信頼性は高いのですが、シャッターを切ってもシャッター羽根が開かない時が多いです。洗浄と注油などをしていきます。

 

スローガバナーを洗浄して注油をします。

 

 

ファインダーの汚れがひどいのでトップカバーを開けようとしましたが・・過去に駒数計のノブを外そうとしてロックのイモネジを壊されています。さて難儀なことです。

 

かといって開けなければ仕事になりません。開けてみるとトップカバーを開けられなかったために長期間のホコリが多く積もっています。

 

この頃の高級機はプリズムが使用されていますね。カメラは重くなりますが・・対物レンズとプリズム間の清掃がやり難いですね。

 

画像はスプロケットのギヤが巻き上げに連動している撮影時の状態。

 

 

巻き戻しボタンを押すとストッパーがスプロケットギヤを上げてフリーにする。

 

巻き戻しが終ったら、復帰ボタン(ピンセット先)を押してスプロケットギヤを解除する必要があります。

 

ファインダーの清掃と巻き上げ系の清掃注油をしたところ。

 

 

駒数窓はセル板ですが接着が剥離していますので、清掃後再接着をしておきます。

 

この頃のレンズは変な曇りやコーティングの曇りなどが無いので良いコンディションを保っていますね。

 

PEN-Wなどか見習って欲しいぐらいの塗装の良さ。当時の高級機という感じがします。専用のフードにはLordの彫刻が・・

 

結局、この時代の作りが一番永く品質を保持できる作りのように思いますね。生真面目な当時の日本人を見るようです。特にブラックモデルは魅力的です。

 

 

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