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富塚孝一
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PEN-SとPEN-D兄弟の巻

2022年10月08日 20時08分10秒 | ブログ

秋田のご常連さんからPEN-SとPEN-Dが来ていました。両方とも状態は悪くはないと思いますが、シャッターは粘って眠い状態。このシャッターですから工場を出たままメンテナスを受けていない場合調子良く動くものはないと思います。

 

まずは全て分解をして本体を洗浄したところ。

 

 

裏蓋開閉鍵の留めネジが緩んでいて脱落しそうでした。分解をして古いグリスを洗浄します。

 

#3463XXと昭和38年4月製のためシャッターユニットは変更前になっています。のネジが以後は逆に本体から生えるシャフトにナット留めになります。強度の問題でしょうかね。画像のように、シャッターを切ってもシャッター羽根が開いたままで停止します。

特の摩耗はありません。フリクションが大きくなっているだけです。組立の最後にシャッター羽根を取付けて完成。

 

シャッターユニットを本体に搭載して洗浄研磨をしておいたカム、リング類を取り付けます。

 

ファインダーのレンズはかなり汚れがひどい状態でしたが清掃できれいになりました。対物レンズを接着してトップカバーに取り付けます。駒数ガラスに対角2か所のクラックがありますが、交換のご希望はありませんでしたので再使用とします。

 

製造の古い個体ですが、レンズは非常に良いです。コーティングの劣化も無く欠点がありません。比較的保存が良かったのでしょう。

 

れでPEN-Sは完成で次はPEN-Dを作業します。

 

 

PEN-D系は巨大なレンズが飛び出しているので、フィルターを装着していなかった個体は傷が多く付いています。仮に清掃をしたところですが、コーティングの●劣化が取れませんね。後で分解清掃をしてみます。

 

最近思うことは、PEN-Dは製造が古くてシボ革剥離が困難になって来たこと。材質が硬化気味になって来て、糊も弾性がなくなりダイカスト本体と密着して熱を掛けた程度では簡単には剥がれません。材質も弱くなっていますので無理をするとシボ革が破れてしまいます。

シャッターはフリクションが大きくなって不調となっているもので、摩耗や部品不良は無く、通常の作業で快調になっています。この個体は未分解と思っていましたが、駒数板に大きなひっかき傷がありますね。しかし、シャッターは取り出されていませんでした。

セレン式メーターは正常でしたのでファインダーの清掃に留めておきました。洗浄したトップカバーの接眼部モルト貼りや駒数ガラスとメーターガラスを研磨してあります。

 

前玉の分解清掃。やはり傷は多く、程度の良いレンズがあれば交換したいところ。

 

本体にレンズを取付けてシャッターリングを取り付けます。

 

 

機械的には非常に良い個体ですが、PEN-Sに比べてやはりレンズが惜しいですね。PEN-Dの方は外観が汚れ放題でしたので洗浄を丁寧にしてきれいになっています。

 

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