今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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まぁまぁのPEN-Wの巻

2022年08月21日 18時15分00秒 | ブログ

かなり昔に作って使っていた電池アダプターが見当たらなくなったので作りました。MR-9型のアルカリ電池の廃物利用です。SR(LR)44のボタン電池がスムーズに挿入出来て、なおかつ、電池を下向きにしても簡単には電池が落下しないという微妙な寸法に孔を拡大して行きます。

ボタン電池をセットしたところ。カメラによっては少し引っ込み過ぎの場合がありますが、その時はワッシャーを1枚先に入れてかさ上げをします。

 

現存カメラの露出計は感度が低下気味ですので、敢えて電圧変換はせず、1.5Vのままで使用した方が結果が良い場合もあります。自作される方は自己責任で。

 

#1178XXは外観の塗装も自然劣化のそれで、ボツボツのような劣化は無い良い個体です。

 

 

レンズは曇りはありますが軽微な部類。シャッターは全体的に遅く、1/8が止まります。(画像)ファインダーは曇りが大きい。

 

トップカバーを分離しようとネジをすべて外したのにカバーが外れない。やっと外してみると・・巻上げダイヤルカバーがコテコテに接着されています。取付けネジ部の両側が割れたためにボディーに接着をしてしまったということ。これは分離するとバラバラになってしまいます。しかし、古いモルトの除去と新しいモルトの接着がやりずらい・・

このコパルシャッターは弱いバネ1本で作動しているため、フリクションが大きくなると止まってしまいます。よって、極力フリクションを取り除く考え方で組んでいます。

 

製造されたままのシャッターはスローガバナーのガンギとアンクルの動きが悪く止まりの原因になります。

 

しかし、摩耗の少ない素性の良いシャッターでした。本体に組み込みます。

 

 

例のダイヤルカバーですが、接着勝利は良いとして、破断面が正確に密着しておらず、隙間が空いた状態でダイカスト本体に接着されています。これを分離すると二度と組めなくなるので、今回はそのままとします。決して私の仕業ではありません。中央部分にダイカスト本体との隙間が見えますね。正規の位置では隙間は空きません。

レンズを分離して清掃をしたファインダーを本体に取り付けます。

 

 

レンズは良い方です。状態の悪いものは画像の後玉が曇っています。PEN-Sに比べてPEN-Wの絞りのクリック感が弱いのはクリックを作り出す方法が異なるからです。PEN-Wは画像の板バネ式ですので板バネの曲がりが弱くなるとクリック感が弱くなります。今回はワッシャーを共締めすることによってクリック感を強くします。

なかなか良いコンデションのPEN-W #1176XXでした。昭和40年3月コパルにてシャッター製造、1965年3月本体製造。