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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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ペトリ・カラー35のメンテナンスの巻

2022年07月05日 21時10分00秒 | ブログ

台風はどこへ行っちゃったのでしょうか?とにかく良かった。で、あまりやりませんが比較的きれいなペトリ・カラー35ブラックが来ていましたのでメンテナンスをして行きます。良くローライ35のコピーとか言われますけど、コンパクトで沈胴というコンセプトが似ているだけで、全然別物のカメラですね。ローライ35と並べてみると、ペトリカラーが横幅100mmで、ローライ35が95mmというところですかね。

過去にかなり分解修理を受けていますが、それにしてはファインダーがひどく汚れていますので、ここから作業をして行きます。発売は1968年とのことで、この頃はペトリお得意の金コートのハーフミラーではなく、通常のミラーになっていますので蒸着面を拭いても大丈夫でした。

ここは、絞りダイヤル部ですが、ダイヤルの回転を規制する(重くする)ウェーブワッシャーが変ですね。Eリングもスリットに入っていません。良く知りませんが、たぶんウェーブワッシャーはオリジナルではなく、SUSのプレーンワッシャーを折り曲げたものと思われます。それですとバネ性が無いのでEリングかスリットに入らないわけです。修正をしておきます。

露出計の針の動きが接触不良気味になる時があります。普通は緑色のリード線が繋がっていて(メーター作動)接片の中央を押すと青色のリード線の電池の電圧チェック側に接します。緑側の接片が酸化気味で導通不良のようですので接点を磨いておきます。その他、本体上側の劣化したモルトを貼り替えておきます。

問題はシャッターとレンズです。シャッターは、かなりいじられていて、特にガバナー(右側)の摩耗で動きが悪いと見えて、特に低速側がコントロールされずに速く切れてしまいます。しかし、このガバナーはユニット化されていませんので、ネジを緩めるとバラバラになってしまいます。まぁ、洗浄注油をして何とか正常に作動します。

レンズはかなりカビがあります。シャッター羽根の前後がひどいです。

 

 

レンズを分離してカビの清掃をしました。組み立てます。

 

 

カム板を取付けてASA環をリングナットで固定します。

 

 

操作的には右側に集中配置されていて使いやすいと思います。ただし、沈胴ダイヤルは、沈胴から無限位置まで繰り出すのに約15回ぐらい指で送る必要があり、ちょっと、かったるいです。このダイヤル軸は潤滑が切れて使用されている個体が多く、かなりガタが出ているのと、ギヤのバックラッシュが非常に大きいのも気になるところ。硬めのグリスを入れておきます。しかし、PEN-Wのような塗装の劣化は見られませんね。

ペトリもやれば出来るじゃん。と言うようなカメラですが、激しい労働争議が続いた会社では企業力を高めることは出来なかったのかなと思います。写りも非常に良いと評判ですので名機と言って良いのかなぁ・・

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