今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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コンディションが惜しいジョンブリアンの巻

2016年07月01日 21時13分46秒 | ブログ

おなじみ、遅れて来たペンマニアさんから。。頑張ってますね。今回はPENジョンブリアンですけど、惜しいことにコンディションはお世辞にも良くないですね。まぁ、希少なモデルですので、なるべく良いコンディションとなるように。こんなストラップも純正であったのかと思ったら、神戸の大成モータース? バイクのキー用ですかね。

とは言っても、消耗は少ない個体ですが、落としちゃったのと保管が悪かった。トップカバーのメッキも劣化をして艶がありません。

 

おぉ、珍しいフィルターが付いていますよ。kenkoのDELUXEってやつです

 

 

シュー下からファインダー横に掛けて腐食がはげしいです。

 

 

保管の悪かった個体は、どうしても距離、ピントリングの腐食が進んで行きます。

 

一番肝心なレンズですが、後玉はダメですね。

 

 

後玉のコーティングは曇り易いのですが、コーティングだけでなく、ガラスも食べてしまいます。取りあえず撮影が出来る程度には研磨をしてみましたが、ピントルーペで検出してみると・・白内障の画像ですね。程度の良いものに交換した方がよろしいです。本来は本体側に付いているヘリコイドネジ部が緩んで供回りしていたようです。ピント合わなかったでしょうね。

ファインダーの分解清掃。樹脂に対しての接着強度が弱いというよりは保証外の時間が経過をしたということ。指で触るとポロポロと取れてしまいます。

 

トップカバーのへこみのほどほど修正と各部分の洗浄を終えたところ。

 

 

 

2軸を組み立てて、先にオーバーホールをしておいたシャッターユニットを搭載します。シャッターは錆びも無く良好です。ターミナルの半田付けをしておきます。

 

ちょっと問題発生。距離リング(カム板)が滑らかに動かないのです。

 

 

原因はこの腐食。鉄ではないので赤錆ではないのですが、トップカバーのシュー部から流れた液体が激しく腐食させているのです。猫がおしっこでも掛けたのでしょうかね?

 

問題のシューの裏側。すべてはここから始まった腐食です。

 

 

片耳の吊環が曲がって取り付きます。これは、元々調整用の鋼ワッシャーが入っていたものを、何度も分解を受けている時に紛失して来たのです。

 

ネジの力は強大で、真鍮などのワッシャーでは潰されてしまって用をなしません。鋼材のワッシャーを使いますが、あいにく吊環の外径ピッタリのワッシャーがありませんので、少し小さめですが・・

 

トップカバー角はほどほど修正。シューの裏側も腐食していますね。これだけ強力に腐食させる何かの液体が掛かったものと思います。

 

洗浄後、内部と裏蓋は新品のようにきれいなのですけどね。

 

 

まぁ、今回はこの状態で留めます。良好な部品の調達が出来次第、改善したいと思います。

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