今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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PEN-F+PEN-FT兄弟のメンテナンス

2012年01月17日 12時56分02秒 | インポート

Dscf0888641 PEN-FとPEN-FTがメンテナンスに来ています。まず、FT #3058XXの方ですが、この個体はスクリーンをスプリットに交換されている改造機ですね。露出計のCdsもリプロ部品に交換してあります。30万代でCdsがダウンしている個体は少ないのですが、駒数ユニット付近のギヤには湿気による錆が目に付きますので、使用状況がシビアだったのでしょうか。また、オーナーさんが気にされているのはトップカバー端のへこみです。不注意でへこませてしまったとのことです。この部分に力が掛かると、例の駒数板の留めビスが駒数ガラスと干渉して突起状に盛り上がってしまいます。それで余計に目立つのですね。なるべく目立たないように修正はしますが、ほどほどにしておいて、あまり気にされないことです。巻上げのフィーリングはかなり悪いですね。では、全体のO/Hをして行きます。

Dscf0890551 いつものように、すべて分解して組み立てていますが、ちょっと、細かいコメントはし難い個体なので・・過去に一度O/Hを受けているわけで、2回目のO/Hということになりますね。30万代なんですが、意外に画像上の巻上げレバーギヤ関係に錆が多く発生していました。特にギヤ歯の谷部分は錆で埋まっているような状態ですので、一歯づつ真鍮ブラシで研磨をしてあります。保存が悪いというよりは、雨の中での使用されたという感じです。シャッターユニットののギヤ軸には磨耗があります。(軽度から中度程度)

Dscf089275 あっという間に(でもないのですが)組立終了。リターンミラーユニットにちよっと問題はありましたけどね。セルフタイマーのレバーロック利かずで、すべて洗浄注油をして改善しています。

Dscf0893911 FT本体は完成です。Cdsは交換されていましたが、何故かハーフミラーは劣化したものを磨いたものがセットされており、非常に暗いファインダーでしたので新品と交換してあります。トップカバー端のへこみはなるべく修正をしてありますが、端の陥没した部分は戻せません。まぁ、あまり気にされない方がよろしいです。付属の38mmもメンテナンスを受けていましたが、ヘリコイドグリスの追加で回転が非常に重くなっていましたので、グリスの交換と清掃をします。ただ今は、厳寒期ですので、温度変化に弱いグリスですと親の仇みたいに固くなってしまいますね。

Dscf089415こちらも、すべて分解洗浄後に組み立てて行きます。ヘリコイドグリスを交換したところ。シボリ羽根は分解脱脂してあります。

Dscf089588 PEN-F #1690XXも、過去に修理歴がありましたが、PEN-Fとしては状態は良好な方で、特にメンテナンスの必要は無いと判断しましたので、欠けたアイピース枠を交換したに留めました。しかし、付属の38mmは問題ありで、シボリ羽根にゴッテリ油が付着しており、シャッターを切ってもシボリ羽根が同調しないという状態。これでは常に開放で撮影しているのと同じです。意外に皆さんのレンズもこの症状は有りがちですので、レンズの前面から見て絞り最大でシャッターを切って確認をしてみてください。

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