今日は都内の病院に検診で出かけました。ちょっと気になる症状が見つかってがっくり気分で新宿の中古カメラ街をちらっと覗いて来ましたよ。画像の個体は、私が過去にうずらまんさんに塗って差し上げたFVうずらまん号ですが、これに良く風合いが似たFT(B)がショーケースに鎮座しておりました。一見リペイントかと思いましたが、そのような表示は無く、6万何がしかのプライスが付いていました。「こんなきれいなオリジナルブラックが残っているのだなぁ」と関心しましたね。ペンの玉数も豊富で、中々の品揃えと見えました。ダブついているということかな? しかし、価格は高めになったなぁという印象でしたけどね。元気が出ないのでヨドバシの時計売り場はパスして帰りました。で、うずらまん号ですが、2回巻上げの兆候と駒数カウンターが復帰してしまう症状ありとのこと。リペイント時にメンテナンスはしたんだったかなぁ? 巻上げはFVとしては悪くはないけど、もう少しは改善できるかもしれません。では、出戻り娘を分解します。
すべて分解洗浄をして組み立てて行きます。モルトを貼ったところ。FVですから電池室はセル受けのみでその他の部品は省略されていますね。2回巻上げの兆候ありとのことでギヤ列を点検しました。使い込まれた個体の場合、スプロケット下ギヤと受けに磨耗が進んでいるものが多いのですが、寸法を計測してみると、意外にそれほどの磨耗は無いようですので再使用とします。ただし、←の部分に線状痕が認められますね。これは使われている証拠で、他の部分より寸法はマイナスしています。
シャッターユニットですが、こちらのギヤ軸にも、少し前の個体のような激しい偏磨耗はありません。これで2回巻上げになるかなぁ・・・気になるのはテンションシャフトの軸受部分にキズが多いことです。線状痕は分かりますが、それ以外の打痕や加工時の平坦部分があって、こういうのはあまり見ませんね。ここのキズは巻上げのフィーリングに影響がある場合があります。まぁ、今回の程度であれば使いますけどね。後期のタイプよりスプリングの自由長が短いことに注意。真鍮のスプリングリングがあるからです。(後期は省略)
完成したシャッターユニットを本体に搭載してテストをしています。この個体はスプロケット下ギヤの本体側の受けが通常の個体より沈み気味のようで、下ギヤがスラスト方向にかなりガタがあります。よって、2ビスで留まっているギヤ受けは全くギヤに接していません。受けの座面加工がマイナス気味なんですね。まぁ、ギヤが抜けてこなければ問題はありませんが。ギヤの回転はスムーズで前期型の良いフィーリングとなっています。
組立は終了。全反射ミラーは純正オリジナルをそのまま使用していたのですね。駒数カウンターの途中復帰は裏蓋でプッシュするレバーの位置ずれで、ユニット自体には問題はありませんでした。
と言うことで、出戻り娘のメンテナンスは完了です。巻上げフィーリングは改善してスムーズになったと思います。私がリペイントをした個体に時間を経過した後で再開する機会は殆ど無いので、帰った個体の塗装状態を見るのは非常に勉強になります。意外に大丈夫だったところもあれば、ここが弱いんだなぁと思うところもあります。次のリペイントに活かしたいと思います。