tomitaikyoブログ

富退教(富山県退職教職員協議会)事務局からの情報発信です。会員の親睦を中心に教育現場への支援など様々な活動をしています。

選挙と世論調査

2017年10月18日 | 日記

 一昨日(10/16)のNHKマイあさラジオ「生活の見方・私の視点」で、「選挙と世論調査※佐藤卓己(京都大学大学院教授)」が放送されました。今週は衆院選を控えているので、毎日、選挙関連のテーマで識者が話しています。よく聞いていると選挙に臨む心構えを整えることができそうです。

 一昨日の放送では、「選挙と世論調査」というテーマでしたが、なかなか考えさせられました。佐藤氏によると、今の世論調査は本当に人々の考えを調査しているか?広く意見の分布を表しているか怪しいのではないか?むしろ感情調査のような世の中の雰囲気を表しているのではないかとのことでした。よく行われているRDD方式の調査では、よく考えた意見というよりは、その瞬間の感情・空気で答えたものではないか?と考えられるようです。

 ある調査では、4年間の追跡調査の中で、護憲や改憲という考えがころころ変わっていった人が大勢いたということです。日頃から、よほど護憲や改憲について深く考えていないと、人はその時々の空気感で考え方が変わるようです。それは、アナウンスメント効果というものがあり、例えば選挙等での優勢・劣勢の事前情報が流されると人々はたぶんに影響を受けて、優勢の勝ち馬に乗る行動をとったり、或いは判官びいきで劣勢に応援したりと、その空気に流され易いということのようです。自分のことを振り返ってみても、思い当たる節があります・・・。

 私たちが考えなければならないのは、「明日になれば変わるかもしれない」というもの(意見)ではなくて、5年後、10年後にもその意見を持続できるような深いものであるよう熟慮したもの(意見)をもつように心がけなければならないということのようです。

 氏は冒頭で以下のようなことも教えてくれました。本来の世論は「輿論(よろん)」と記して理性的に議論された意見のことで、「世論(せろん)」は議論されてはいない空気(雰囲気)のようなものだったらしいのです。1946年の当用漢字の変更で今のような「世論(よろん・せろん)」の表記になったとのことでした。(氏の著書に「輿論と世論」があります。)

 今の世論調査の性質を踏まえて熟慮し、今度の衆院選に臨みたいと思いました。(土)