今日(9/30)、東京都の豊洲問題について、小池知事が問題の内部調査報告をしました。結局、「いつ、誰が、なぜ」あのような無茶な工事を先行させてしまったのか解らずじまいでした。東京都の組織は腐っているのか?と誰もが思ってしまうのではないでしょうか。
小池知事が記者会見の中で、太平洋戦争における日本軍の失敗事例を引用していました。そして、「『空気の研究(山本七平著)』にあるように(豊洲移転の事業が)場の空気で決定されていったようなものだった。」との小池知事の発言に、なるほどと納得したのです。NHKTV番組「ニュース9」では、本の表紙を見せて紹介していましたので、私も、かつて文庫版で読んだ「空気の研究(山本七平著)」を引っ張り出してきて、パラパラと線引きした箇所をめくっては記憶を辿りました。本の最後には日下公人氏の解説(文庫版なので)があり、日本人の行動様式が今も変わっていないことを改めて感じたのです。
日下氏の解説に、次のような記述がありました。 ~〈前略〉歴史は繰り返しているのであって、戦中戦前の日本人の思想様式や行動様式が今も変わっていないことが、的確な対比で次々に提出されるので、我々は本当に逃げ道をふさがれたような気持ちにさせられる。~〈中略〉~水を差しても無効なほどの「空気」の力が(太平洋戦争の)開戦の原因で、同じことは今も繰り返されていると教えてくれるので恐怖を感じるほどの迫力がある。〈後略〉~ やはり、日本人は過去の大失敗からも多くは学んでいないのかもしれません。今後に顕在化してくる改憲の問題には、過去の失敗を生かすことが出来なかったら、本当に日本の将来はないと思います。(土)