昨日に続けて、「岩淵正明※弁護士」氏の講演内容についての要点を記してみます。安倍政権が考えている「改憲」案の、~③緊急事態④合区解消~についての部分です。
③緊急事態条項の新設について、安倍政権は必要と言いますが岩淵氏によると全く必要無いとのこと。今ある「災害対策基本法」などで自然災害には十分対応できるが、安倍政権がこだわるのは戦争遂行のために緊急事態条項が必要だから。岩淵氏は、「緊急事態条項」の本質的危険性として、~「緊急事態条項とは法を無視することを予め許す法である。」~と述べて、具体をいくつも挙げられました。以下のようなものです。 ~ ・事前または事後の国会の承認など緊急権発動や緊急事態宣言解除の手続きが規定されていない。・国会が会期中でも内閣の認定により発動できるなど緊急権発動の要件が緩やかである。・発動の期間制限がなく、100日を超えても国会承認が不要となっている。・政令事項に限定がなく、報道の自由や通信の秘密の制限もあり得ることになる。・国会が不承認でも効力は失われない。(立憲主義に反している。)~ など問題だらけなのです。さらに、自民党案にある「国会議員の任期延長」も現行憲法(参議院の緊急集会)等で整備されているので改憲の必要性がないとのことです。
合区解消について、 ~参院選において歴史的には投票価値の較差が違憲と最高裁の判決を受けたことによる合区だったはずである。合区を廃止すれば較差が再び広がり、投票価値の平等(14条)が犠牲になる。そして、都道府県代表の参議院議員にすると、議員が国のバラマキ政治や地方に対する財政誘導のための窓口へと堕落する危険がある。~ とのことです。
以上のように、安倍政権が考えている「改憲」案の4項目~①憲法9条②教育関係③緊急事態④合区解消~について、岩淵氏は、 ~安倍政権下の憲法「改正」はそもそも必要性が無い。そして、それは国の在り方を大きく変える危険性がある。~ と結んでおられました。
個人的には、いろいろと学ぶことが出来ました。そして、安倍政権下での「改憲の危険性」は同様に感じています。ただ、憲法といえども時代に応じて変えることはあってもよいと考えます。現在において、どのような憲法がよいのか?在り方そのものについて国を挙げての議論がされるべきだろうと思います。(土)