富田パソコンサークル (Tomita PC Circle)

京都の京丹波町富田の「公民館」をホームに活動するパソコンサークルのブログ。

情報端末と情報操作

2010年11月09日 | Weblog

奇しくもいくつかの番組がこぞって取り上げた「スマートフォン」
・・ケータイというと私たちの認識では、持ち運べる「電話」=「フォン」なんですが
そういう概念だけではとらえきれないほど、スマートフォンは、パソコンの機能を持ち合わせていて
インターネットも同じように使える代物で、機能の一つに「電話もできる」というぐらいのすぐれものです。
もちろん機種代金も桁外れに高いし、ここらの田舎ではまだまだ浸透していないように見えるんですが、
都会(マチ)ではかなりのユーザがいるようです。
スマートっていう言葉から、かっこええとか、小さく薄くなったと思った人は、
いわゆる「和製英語」の害に毒されています。
元々「スマート(smart)」という英語は、「賢い」という意味であって、細いとかかっこいいなどという
イメージはスタイリッシュとかスリムとかシェイプされたという言葉がそれに当てはまります。
スマートフォンは、画面自体がでかいのですから、決して従来の携帯を小さくしたものではありません。
アップルが開発した「iphone(アイフォン)」がその代表格で、それ以外の後発機種は二番煎じに
甘んじています。けれどもipad(アイパッド)と同じように、パソコンの普及が行き着くとこまでいって
買い替える人の数が頭打ちになっている現状では、指の動きで拡大縮小したり
見た目でわかりやすいビジュアルな、こうした新しいカタチの
持ち運びのできる「情報端末」がやがてパソコンに取って代わる可能性を指し示しているのです。

・・・けども・・・それでのうてもマチの暮らしは、どこに行っても人の顔を見るよりも
老若男女を問わずに、電車でもレストランでも職場の中でも
まるで毎日携帯ばかりをうつむいて見つめて生きてるようにも見えてなりません。
それに比べればまだスマートフォンが普及していない
田舎では、携帯見る間もないほど、たくさん見るべきものが残ってるみたいで、
スマートフォンを今どうしても欲しいと思わなくてもいい環境が残っているということでしょう。・・・

情報といえば、Youtube(ユーチューブ)に流された「画像」が大きな騒ぎを呼んで、
果ては倒閣に至るなどとはしゃぐ人までいたり、匿名の投稿サイトの一つでしかない
ユーチューブごときに流出させたものを、ある種の英雄扱いするものまでいるけれど、
正直、僕自身には違和感があって、この騒ぎを冷めて見てしまってます。
あの映像を見た素直な感想を言えば、
あのままではどう見ても「いかれた一人の中国人の船長の当て逃げ」のニュースにしか見えません。
問題の本質はそんなとこにあるんだろうか・・・?中国が威嚇しているのは
尖閣諸島が、今になって国際上の常識を無視して自分の領土と主張し始めていることにこそあり、
・・・それがわざわざ「国会では6分でユーチューブで44分」などという長さなどに問題など感じる意味もなく
そこにうつっているもの、そのものは漁船の衝突の加害と被害の問題意識でしかない。
当て逃げしたことが、問題なのか・・・一人のいかれた人間の行動をとらえて13億人を
断じるには、お粗末すぎる論理やしそれこそ大人げない・・・
・・・問題は、あの海がこの国の領海であって、
ビデオに映るあの船が漁船というには、操業してるような様子もなくて
平然と領海侵犯して、警告されたら、わざと当たってくるモラルハザードがどこから来るのか
中国政府は領海侵犯を許容してるのか・・・あるいは奨励してるのか・・・さらにはそういうことは
教えてもいないのか・・・どこまで統制し、人権を支配しそれでいて自由などいうものを与えているのか
あれほど情報を統制しているのに領海に関わる国際法をどう運用しているのだろうか・・・
あるいは、今度の体当たりでさえ中国の政府の「やらせ」ではないのかとさえ疑ってしまう。
実は、本来ないはずの領土問題をこういう形でクローズアップさせて、日本の国中を騒がせて
安っぽいナショナリズムを喚起させることこそ、中国の企みにまんまとはまってしまった気さえする。
ちょうど戻りたくない「戦前」を演出させられて、踊らされているように・・・
ものすごく個人的な見解をいえば、世界の5分の1の13億人もの人口を
一つの政府が統制しようとすること自体が、そもそも大きなひずみと
いびつな国威を生み出してしまう。・・・巨大な図体は、時に旺盛すぎる食欲を満たそうとするものだ。
あの海は、頻繁に領海侵犯され、沖縄の漁民の安全を危うくし続けている事実こそが
日本の現実で、むこうがわに言い分を認める立場にはない。

撮影はその後あの船を追跡してやがて、海上保安庁が船に乗り込み船長以下船員をだ補するところまで
続いているはずである・・・たぶん相当のやりとりや、チャンバラ沙汰もあったはずで
どうせ公開するのなら、あるいは国民の知る権利を標榜するのなら
それらのやりとり、何をしたのかまでを、とことん全部を公開するのが本来の情報公開というものである。
けれど意図的に流出させて、僕らが見せられているのは22時間に及ぶビデオのわずかな一部でしかない。
あれは、紛れもなく海上保安庁の手によって海上保安庁の船が体当たり攻撃を加えられた
海上保安庁の被害事件の発端の「編集ビデオ」であり、「事件」の一部でしかない。
あれほどの体当たりをしてその後の逮捕劇を通して、船長は、なお平然としらばっくれられたのか
わかっていながらそれを擁護し続けた中国政府の対応、そして、反日感情をあおるやり方・・・
むしろ、そのことの方に奥深さと根の深刻さを感じてしまう
公開とか非公開とかにあまり意味も感じない。無理して相手にしないのもやり方の一つであるはずである。

またこの行為を内部告発的公開などということを、いうのなら
一企業でしかないGoogle傘下の
「Youtube(ユーチューブ)」などという単なる投稿サイトを
利用している点で、その姑息さが垣間見えてならない。
いかにも正義というけれど「Youtube」は匿名のユーザが
匿名の個人的な趣味での投稿を受け入れる場所で無責任な映像の掲示板として提供されている。
物事を検証する場ではないし、正義を論じる場としてなじまない。
「おもしろビデオ」の投稿と同じステージで国の根幹の話まで語ることはないと思う。
だからこそ、投稿者の意志はたかだか「おもしろビデオ」の域を出ないものと思い知るべきで
流出させた罪は決して軽くはないはずで弁護の余地はない
・・・政府の意向を無視して暴走する役人を囲うことは
やがて、国民の利益を平気で失わせる道をたどる・・・それこそ国益に反しているのだ。

流出したことを逆手にかばうもの、むざむざ流出させたもの
そのことから追い詰められるもの、追い詰めたと錯覚しているもの
けなしあうことこそが、混乱をもたらす企みの他ならないのに
国民の暮らしに対する議論そっちのけで、相変わらず2世たちまで出しゃばって
非難することに終始して、肝心のことに責任を果たしていない。
全部がとても「スマート」に見えない

いくら情報端末が進化したところで、肝心の情報が意図的に操作されていたのでは
情報統制が甚だしい中国も北朝鮮と差がない情報という「嘘」になってしまう。
そのうえで、中国やロシアの意図やここに至って領土を持ち出す意図とその対処を
ちゃんと理解できる情報分析のすべも持たないようなら
「スマートフォン」の進化も、この国では宝の持ち腐れになってしまうことだろう。