ファンタジアランドのアイデア

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外国人労働者のモチベーションを高める工夫  スモールアイデアNO 288

2019-05-25 21:34:42 | 日記
 
 人手不足が、多くの産業で深刻な問題になっています。特に、生産年齢人口(15歳以上で65歳未満)の人手不足が深刻です。でも、生産年齢人口が減り出したのは、1996年から始まっていたのです。もう20年以上も前から進行していたことになります。この20年間は、働く高齢者の増加や女性の労働力の増加で何とかカバーしてきたわけです。でも、高齢者や女性の労働力に頼ることも、限界に近づいているといわれています。日本人がダメなら、外国人労働の利用や機械化の促進といった手法が取り入れられています。
 そこで、外国人の労働利用について考えてみました。長野県は、キノコの生産では日本一と言われています。キノコ工場で働く技能実習生がいます。培養室で育った真っ白なエノキダケが、ローラーコンべヤーで運ばれてきます。培養室からは、1日82000袋のエノキダケが生産されます。彼らの仕事は、手作業でこのエノキダケを一つ一つ確かめて、機械で梱包し出荷用の段ボールに入れていくことです。この会社では、エリンギやプナシメジも生産しており、60人の中国人実習生が働いています。
 日本の外国人労働者は、2018年10月で前年同月比14%増の約146万人と過去最高になっています。この最高になったことで、日本の労働事情は良くなったかというとそうでもないのです。2012年から2017年までの5年間で、労働者数は約300万人も増えました。この300万人の労働力は、高齢者や女性の労働力だったのです。それでも、人手不足は続いています。理由は、2012年から2017年までの5年間で生産年齢人口は540万人も減少していることにあります。日本は、生産年齢人口減少を、高齢者や女性労働力、そして外国人労働力でカバーしてきたともいえます。
 企業側も、防衛体制に入ることになります。求人を出しても、日本人からの応募は非常に少ない事情があります。長野のキノコ工場が、外国人を雇い始めれたのは十数年前からだったといいます。以前は、日本で働けるというだけで、外国人労働者が確保できました。でも、現在は事情が違っています。この会社は、相部屋から個室に改修しています。その数は、50室に及びます。個室の建築費用と改修費用はあわせて、1億8千万円ほどかかったといいます。「実習生も相部屋ではストレスもかたまる」との配慮からの改修でした。意欲的に働いてもらうには、貴重な人材として待遇を改善していくことが現実的選択になっているようです。
 100万人から200万人の外国人労働者に働いてもらうようになり、日本企業も学習するようになりました。給料や施設の改善だけでは、彼らのモチベーションが維持できないことが分かってきたのです。給料に、魅力を感じる人材も必要です。でも、むしろ日本文化に関心のある人材に働いてもらう方が、長続きするようです。日本文化が好きな外国人従業員は、仕事に取り組むモチベーションが高いのです。一般的に、実習生は「仕事もできるし、毎日働き、勤務態度もとても良い」という評価を得ています。実習生に行われる調査では、従業員の満足度は90%に近い水準を保っています。異なる文化への適応能力、積極的な姿勢、外国への理解などは、日本人も常日頃から蓄積していくことが必要になるようです。
 余談ですが、理工系のスキルが高い人材の方が、人文社会系の人達より日本の仕事に早く適応するそうです。理工系は、高い言語能力や社社会的文脈に関する知識を前提としない仕事があります。日本の職場も、外国人労働者が言語の問題を容易にクリアできる環境を整えることが、これからの課題になるかもしれません。