ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

廃校になる小学校の利用方法  アイデア広場 その592

2020-06-17 18:10:19 | 日記

 肥大化し巨額の経費のかかるオリンピックに対して、「世界の良識」からは懐疑的な意見が出るようになりました。オリンピックの理念は、崇高なものがあります。でも、現実は過去の開催都市を見ればわかるように、遺産にはみすぼらしいものがあります。東京オリンピックでも、競技場の遺産活用が期待されています。そんな中で、東京オリンピックの仮設施設は総額が約3000億円になります。仮設は大会終了後、解体され処分されます。もったいないことです。この解体された資材の有効利用は、合理性のあるものです。名古屋にあるレゴランドジヤパンは、ブロックで楽しいオモチャの世界を築いています。レゴランドのブロックは、実物大の建築も可能のようです。仮設施設をブロック形式で作る工夫をしてはどうでしょうか。日本のある企業は、カンボジアに小学校を建てる慈善事業を行っています。ブロック形式で作られた建築資材は、すぐに小学校を建設しやすいようにしておくわけです。3000億円の建築資材を途上国の小学校建設に使うことができれば、IOCの崇高な理念を多少なりとも実現できます。そこで、廃棄されるものの利用については考えてみました。
 人口5万人程度の市には小学校が、十数校程度あります。日本の小学校は、これから10から20年の間に、半数程度に統廃合されていきます。つまり、一つの市につき5校以上の小学校が廃校になるわけです。廃校になった施設の維持費も、馬鹿にはなりません。小学校には、校庭も、体育館も、図書室も、そして給食施設もあります。小学校の面積は、約1 haから2haと、まとまった土地があります。これだけの施設を有効活用できれば、新たな利益を生み出すビジネスの可能性がでてきます。再利用すれば、維持費を上回る利益が出るかもしれないのです。廃校を利用する工夫、人を集める工夫、集めた人に商品やサービスを提供する工夫などの手を加えて、再生したいものです。
 廃校になった体育館や図書室、給食施設を地域の人々に、有効活用してもらう仕組みを考えてみました。小学校全体を図書館としてリニューアルします。一つの教室を歴史書で統一するとか、小説で統一するとかの工夫は可能です。図書館の運営は、民間にかませます。施設を無料で使える利点は、利益を出せる業者に任せることです。図書館には、喫茶コーナーを設けても、給食施設を利用してレストランを経営することも可能です。本を揃えることが難しければ、市立図書館から希望図書を貸し出してもらえばよいわけです。来館者が読みたい本を事前にリストアップしておいて、それを借りておく仕組みします。
 人が集まれば、そこにビジネスチャンスが生まれます。信長が行った楽市楽座は、人々を集め市場を作り出す仕組みでした。人が集まれば、市場の可能性が出てきます。人を集めるには、仕掛けが必要です。その仕掛けをつくる貴重な人材を探すことが、第一のステップになります。仕掛けは、健康寿命や健康水準を高める流れの中にあります。健康寿命を延ばせば、地域の医療費や介護費は軽減されます。地域の皆さんが健康になり、町の予算が節約できるならば、良い仕掛けと言えます。家に閉じこもる高齢者は、認知症になる割合が高くなります。シニアの外出は、奨励されています。外に出るには、歩行運動を伴います。外出すれば、知り合いと話すことも多くなります。会話は、脳の活動を活発にします。趣味を持つ仲間同士が集まれば、老化を自然に防ぐことになります。
 食事を規則的に取り、運動をし、本を読み、趣味を持って、会話の多い人は、健康寿命が長いということになります。そこから出てくる仕掛けは、買い物や図書館に行くとポイント1、見守り活動や公民館の学習活動に参加するとポイント2、花壇のお世話やプールに行くとポイント3というようにポイント制を導入します。ポイントが100になると、図書券2000円を配付するという発想が出てきます。医療費+介護費の増加と2000円の図書券の費用対効果を比べれば、図書券に軍配が上がるように思えます。毎日5000歩程度の散歩するシニアの医療費は、3万円ほど少なくなると言われています。1日5ポイントを目標にかかげ、それを達成すれば、かなりの活動量になります。このような仕掛けの中心に、小学校の図書館活動があるわけです。
 有能なリーダーが、人集めに成功したとします。次は、集まった人にモノやサービスを買ってもらう仕掛けになります。ある新幹線に、天才ともいうべき車内販売員の方がいました。地方都市と東京の往復時間が、7時間の区間です。往復する間の100分で、弁当を120個の販売記録を持つそうです。乗車する乗客の人数、男女や年齢、噌好する傾向などを把握して、売れる順にカートに商品を配列していきます。販売員のカートの中には、売上げを伸ばすように商品の配置が工夫されています。乗客が何を望んでいるかを、鋭敏に捉える能力が求められるわけです。図書館にやってくる人は、何を求めてやってくるのかを把握し、そのニーズにあったモノとサービスを用意できる人材が不可欠になります。有能なリーダーは地域によっては、変人といわれる場合もあるようです。この変人の意見を聞いて、地域おこしに成功した事例も多いのです。従来からの見方かすると、常識はずれ、異端、組織破壊といわれる仕事ぶりを、バックアップする人たちの存在も必要になります。
 余談ですが、老後を過ごすときに、運動や趣味の連続性や蓄積が大きな財産になってきます。運動でも趣味でも、目標を上手く設定すれば、目標への推進力が出てきます。生きるモチベーションが、出てくるわけです。自分の趣味をどこまで高めるかの目標設定が、最初のステップになります。人生を楽しくするには、それ相当の精進がなければなりません。自分が満足できるレベルまで趣味を高めるには、わずかずつでも積み重ねが必要です。俳句を楽しむにしても、年聞で1000句ぐらい俳句を作らなければ、初心者になれないようです。
 ハードルの低くして、できそうなことから始めます。スモールステップを重ねていけば、達成感が得られ、それがさらなる推進力になります。高いレベルに到達するためには、場所、仲間、そしてプログラムの3要素が大切になります。活動する場所の確保です。書物を通して視野を広めようとすれば、図書館の利用は欠かせません。運動であれば、仲間の存在とグラントや体育館の確保が欠かせません。そして、高いレベルを目指すならば、技術体系を理解したリーダーもしくは高い知見を持つ仲間の存在が欠かせません。廃校になった小学校は、場所を提供してくれます。そして、仲間も集まりやすいところになります。もう一つは、少し高い技能を教えてくれるリーダーの存在が、末永い活動を保証してくれる要因になるようです。