アメリカのエリートには、肥満の人はいないということです。エリートなどの指導者は、逆境や誘惑に耐える強い精神力が求められます。肥満は、意志の弱い人物と見なされようです。これらの弱い人は、いろいろな面で不利益を受けることが想像されます。ダイエットには、強い意志の力が必要とされます。それ故、エリートとして認められる面があるのかもしれません。ダイエットをやりきる人は、ほん少数派といわれています。
そこで、ダイエットをやりきる方法を考えてみました。単純に考えれば、60kgの体重の人は基礎代謝が1500カロリー程度になります。これに、1.5を掛けた2200カロリーを日常的に摂取し、余分なカロリーを取らないことになります。できれば、一定のカロリー消費を運動で行えば、健康を維持しながらダイエットができることになります。身体的な活動は、気分を向上させる効用があるだけでなく、その効果が持続することが知られています。ウオーキング、サイクリング、ジョギングなど、体を動かすことは良いことなのです。余談ですが、ダイエット中にうつの症状が出る場合があります。うつ病患者への抗うつ剤と運動処方の実験例があります。この実験は、4ヶ月ほど行いました。うつ病の患者に薬と運動処方を行った結果、同程度の幸福感をもたらしたのです。幸福度の改善において、運動処方と抗うつ剤が同じだけの効果があることに、皆さん驚いたそうです。おまけがあります。抗うつ薬を飲んだグループは、6ヶ月後38%が再びうつ状態に戻っていました。運動だけをしたグループは、6ヶ月後の再発率はわずか9%だったのです。食事療法に運動療法を加味する利点がこんなところにもあるようです。
食事においても、工夫が求められます。食に対する欲求は、根源的なものです。さらにその欲求には、地理的歴史的な文化要素が加味されています。いかに、糖質制限が必要ですといわれても、人間欲求と文化が複雑に絡み合った食生活を変えることができません。一般的には、良く噛んで時間を掛けて食事をすることになるでしょう。近代化する中で食の品質も向上しています。ある家電大手が、レンジと冷凍食品の利用方法を調べたものがあります。冷凍食品を実際どのように食べているのかを調べたわけです。すると、40歳代男性の夜食の特徴がわかりました。この年代の男性は、冷凍パスタを愛用していたのです。このパスタは、腹持ちが良い割りに、カロリーが低いのです。寝る前2時間は、食べないことが、ダイエットの鉄則です。でも、どうしても我慢できないという40歳代男性は、低下ロリーのパスタを食べていたわけです。再度余談ですが、この年代をターゲットにした夜食ビジネスは、低カロリーバランス栄養の商品を揃えておくことになるでしょう。
ダイエットには食事と運動療法が大切だということがわかりました。この二つの処方を上手にやるには、どうすればよいかということになります。長年続いた食習慣を打ち破って、エリートを目指すポジティブな行動を開始するわけです。そのためには、心身を活性化するエネルギーが必要です。活性化するエネルギーを最小限の努力で発現させる工夫が求められます。食と運動の範囲をできるだけ、狭くしておきます。朝昼晩の食事の時間、費用、料理の数を決めます。決めた食事を、良く噛んで、時間を掛けて食べるのです。運動療法に関しては、行う時間、運動量、運動の質を決めておきます。まず、取りかかる時間だけ確実に守り運動に入ります。後は、自由でも良いでしょう。楽しいときの運動は、運動量も質も想像以上に高いものになるです。時間がないときには、運動の質を上げます。歩く速度を上げれば、運動の質を確保すると同時に量も確保できます。食事の組合せは、無限にあります。その中に楽しみを見いだすことができれば、生き生きとしたダイエットができるかもしれません。
余談ですが、ダイエット中に心配なことがあります。自分の身体は、大丈夫なのかということです。つまり、健康な状態を、維持しているかということです。毎日、お医者さんに行って調べるわけにもいきません。その確認の簡単な方法は、大便を見ることのようです。便が水に沈むかどうかをチェックします。完全に浮きも沈みもしない状態なら適正だといわれています。これは、食物繊維が適正に摂取できているかどうかという見方でもあります。腸内細菌叢が正常に働いている場合、便は適正な状態になるようです。